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第二章・辺境伯夫人へ
18・予感*
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「ん┉あっ、ふ┉はぁ、ん」
もうすっかりとお互いの身体を隅々まで知っている筈が、まだ知らないこと┉あったのか?と感動する。
マクシミリアンの大きな手が私の上を擦って、その刺激で昂ったものをぎゅっと握られた瞬間、トロリとしたものが流れる。
あん┉マクスの手を汚してしまうなんて!と思うが、同時にその事に興奮を覚える。今度は、私の手をあなたのもので汚して?
私のものとは比べようがないマクスの凶暴過ぎる男根に息を呑み、そっと握る。
この猛々しいものが私の中に?と思うと、怖いような期待してしまうような感情が入り交じる。
遠慮がちにやわやわと握り、それでも気持ちの良い表情をするマクスに幸せを感じる。
それをいい事に、だんだんと擦り上げる速度を早めていくと、突然その手を止められる。
そして、私の耳元で囁く。
「シルバの中で┉果てたい。」
私は淫靡に微笑んで、手についたヌメリを自分の腹に塗り付ける。
「ここに┉ちょうだい?あなたのものを」
その瞬間、堪らぬ表情のマクスが私の中を一気に貫く。
最奥に打ち付けられる衝撃と共に、頭の中は真っ白になり、息ができなくなる。
──あ┉あぁ┉愛してる!
身体はぶるぶると震え、私のそこは痙攣したようになる。
奥に放たれた温かいものが中に染み渡り、それが私の中に吸収されているように感じる。
私とマクスが溶け合ったような感覚が┉もしかして?
思わず両の手で、そっと腹を撫でた。
その予感が現実になるのはその少し後だ──。
「ねぇマクス。あなたはカサンドラ国王にお会いした事はある?」
この辺境の地にやって来て、そろそろ一年半が経とうしている。
私のかつての王族特有の話し方も、今はすっかりと影を潜めて、気軽に話すことが出来るようになった。
話し方一つで?と思われるだろうが、なかなかに人との距離には重要なもので┉。
適度に威厳は保ちつつ、それでも親しみを持って貰えるように┉など、私がそんな事を考えるようになるとは思わなかったな。
「アルベルト王か?二度ほど会った事がある。何を考えているのか分からぬような、得体の知れないところを感じた覚えがあるが┉何故だ?」
そう言ってマクシミリアンは私に近付いて、座っている私の腹に毛布を掛ける。
そして大きくせり上がった腹を優しく撫でて「冷やさないように┉」と声を掛けてくれる。
私は今、妊娠している。もうすぐ七ヶ月ほどになるが、この月数の割りには、もう産み月のような腹の迫り出し方だ。
医師が言うには、どうも双子のようだと┉。
初産で双子だと大変だが、それでも愛する人の子供を妊娠している喜びの方が勝っている。そしてその腹を撫でながら┉
「他の国の王子だけれど、この子の従兄弟だから。どういう国なのか気になって。私はアルベルト王にはお会いした事もないし、兄上の伴侶だしな┉って思ってね。」
──でもきっと、この先子供達が滅多に会う事は出来ないんだろうな┉と思う。王族同士ならまだしも、私でさえも遠くから見掛ける┉とか、その程度だろうと思う。
あれからルイス兄上とは、手紙のやり取りを続けている。
最初の時のような含みのある曖昧な表現はもう無いが、当たり障りのない内容が主だった。
私からも近況を知らせたり、今回の妊娠を知らせたりした。
妊娠を知らせた後、兄上から贈り物が届いた。
カサンドラ特有の細やかな模様が織り込まれた柔らかな布地の、新生児用のおくるみだ。
私は贈った事もないのに、申し訳ないと思ったけれど、その気遣いに感謝した。
だから、子供達だけでもひと目でも会う事が出来たら良いのに┉と。
でもまさか、この贈り物のおくるみ┉あのような秘密があるとは。
気付くか気付かないか分からぬこのような物に┉兄上は大丈夫なのか?と心配になる。
けれど、これに気付いたのはこれよりずっと後、子供達を産んだ後だった┉。
もうすっかりとお互いの身体を隅々まで知っている筈が、まだ知らないこと┉あったのか?と感動する。
マクシミリアンの大きな手が私の上を擦って、その刺激で昂ったものをぎゅっと握られた瞬間、トロリとしたものが流れる。
あん┉マクスの手を汚してしまうなんて!と思うが、同時にその事に興奮を覚える。今度は、私の手をあなたのもので汚して?
私のものとは比べようがないマクスの凶暴過ぎる男根に息を呑み、そっと握る。
この猛々しいものが私の中に?と思うと、怖いような期待してしまうような感情が入り交じる。
遠慮がちにやわやわと握り、それでも気持ちの良い表情をするマクスに幸せを感じる。
それをいい事に、だんだんと擦り上げる速度を早めていくと、突然その手を止められる。
そして、私の耳元で囁く。
「シルバの中で┉果てたい。」
私は淫靡に微笑んで、手についたヌメリを自分の腹に塗り付ける。
「ここに┉ちょうだい?あなたのものを」
その瞬間、堪らぬ表情のマクスが私の中を一気に貫く。
最奥に打ち付けられる衝撃と共に、頭の中は真っ白になり、息ができなくなる。
──あ┉あぁ┉愛してる!
身体はぶるぶると震え、私のそこは痙攣したようになる。
奥に放たれた温かいものが中に染み渡り、それが私の中に吸収されているように感じる。
私とマクスが溶け合ったような感覚が┉もしかして?
思わず両の手で、そっと腹を撫でた。
その予感が現実になるのはその少し後だ──。
「ねぇマクス。あなたはカサンドラ国王にお会いした事はある?」
この辺境の地にやって来て、そろそろ一年半が経とうしている。
私のかつての王族特有の話し方も、今はすっかりと影を潜めて、気軽に話すことが出来るようになった。
話し方一つで?と思われるだろうが、なかなかに人との距離には重要なもので┉。
適度に威厳は保ちつつ、それでも親しみを持って貰えるように┉など、私がそんな事を考えるようになるとは思わなかったな。
「アルベルト王か?二度ほど会った事がある。何を考えているのか分からぬような、得体の知れないところを感じた覚えがあるが┉何故だ?」
そう言ってマクシミリアンは私に近付いて、座っている私の腹に毛布を掛ける。
そして大きくせり上がった腹を優しく撫でて「冷やさないように┉」と声を掛けてくれる。
私は今、妊娠している。もうすぐ七ヶ月ほどになるが、この月数の割りには、もう産み月のような腹の迫り出し方だ。
医師が言うには、どうも双子のようだと┉。
初産で双子だと大変だが、それでも愛する人の子供を妊娠している喜びの方が勝っている。そしてその腹を撫でながら┉
「他の国の王子だけれど、この子の従兄弟だから。どういう国なのか気になって。私はアルベルト王にはお会いした事もないし、兄上の伴侶だしな┉って思ってね。」
──でもきっと、この先子供達が滅多に会う事は出来ないんだろうな┉と思う。王族同士ならまだしも、私でさえも遠くから見掛ける┉とか、その程度だろうと思う。
あれからルイス兄上とは、手紙のやり取りを続けている。
最初の時のような含みのある曖昧な表現はもう無いが、当たり障りのない内容が主だった。
私からも近況を知らせたり、今回の妊娠を知らせたりした。
妊娠を知らせた後、兄上から贈り物が届いた。
カサンドラ特有の細やかな模様が織り込まれた柔らかな布地の、新生児用のおくるみだ。
私は贈った事もないのに、申し訳ないと思ったけれど、その気遣いに感謝した。
だから、子供達だけでもひと目でも会う事が出来たら良いのに┉と。
でもまさか、この贈り物のおくるみ┉あのような秘密があるとは。
気付くか気付かないか分からぬこのような物に┉兄上は大丈夫なのか?と心配になる。
けれど、これに気付いたのはこれよりずっと後、子供達を産んだ後だった┉。
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