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「サーシャ、リディア様の聖女認定日が
決まったよ」
「そう、いつかしら?」
「急だが明後日なんだ
陛下と皇后の予定が詰まっていてね」
「私やリディア様は大丈夫ですわ
大神官はどうかしらね」
「大丈夫だ。リディア様さえ調整出来ればね」
「わかったわ、クラウスとリディア様に
伝えるわ」
「あぁ、頼んだ」
殿下に頼まれたサーシャは直ぐに
クラウスとリディアに告げた
当日の朝
リディアはクラウスと共にホールで
リハーサルをしていた。
サーシャが現れるとクラウスは
警備の確認をすると聖騎士団の
控え室へと向かった
聖女認定 2時間前
リディアはサーシャと一緒に軽食を取り
お茶をしていた
「リディア様、普段通りに水晶を
光らせれば良いだけなので大丈夫です」
「はい、ありがとうございます」
「ふふっ、ラース卿が緊張していて
笑ってしまうわ」
「ラース卿がですか?」
「リディア様の専属護衛騎士でしょ?
それに彼ももうすぐソードマスターの
試験を受けるのよ」
神力を持った者で力が強い者は
聖女やソードマスターになる
女性は聖女となる事が多いし
男性は聖騎士となりソードマスターに
なる
もちろん女性の聖騎士も存在し
男性の聖師も存在する
そして
聖師、聖女、ソードマスターという
称号を与えられると
王族と同じように政治に関与でき
なんと言っても王族に対しての
不敬罪に問われる事がなくなり
一般貴族や民に不敬罪を問えるのだ。
リディアは早く聖女の称号が欲しかった
サーシャとお茶を終えたリディアは
クラウスとラース卿と共に
会場まで来た
「私リディアはこれから聖女認定式に
臨みます。宜しくお願いいたします」
手を合わせて女神様に語りかけると
リディアの頭の中に声が響いた
「リディアよ聖女となり民を導きなさい」
「行ってまいります」
リディアがホールに入ると祭壇の
向いには王族と伯爵以上の貴族が座り
左右には神官と聖騎士が立っている
大神官ルースと聖女サーシャは
階段の前に立って
リディアを見ていた。
クラウスにエスコートされながら
祭壇の階段まで来ると
サーシャが告げた
「これからリディア様の聖女認定式を
行います。
終了までお静かにお願いいたします」
ルースが階段を上がり水晶の脇に立つと
クラウスに手を預けながら
ゆっくりと水晶の前まで登った
水を張ったボウルの中央に大きな水晶が
あった
クラウスはリディアに頭を下げると
ルースの反対側に立った
良し、行くわよ!
リディアは手に神力を貯めると水晶に
放った。
キラキラキラキラ……水晶が光る
会場からは思わず「おぉ」と声が洩れた
その時だ
「さすが我が娘リディア!
我がマスラン家、自慢の嫁だ!!」
会場の皆が「は?」と思った時
リディアの手から更なる強い力が出た
水晶はキラキラを通り過ぎて
目を開けられない程に光った
そう、リディアはこの席にハワードが
居る事を思い出したのだ。
「おーっリディアよ
我が家に幸運を授けてくれ」
リディアはその言葉にプツリときた
「水晶よ、高く上がれ!」
リディアが腕を上げると水晶が
高く上がった
「行け!」
リディアの動きに連動して水晶が
ホールの中央に止まった
「砕けろ!」
リディアが拳を作ると…
バリーン!! 水晶が割れて床に落ちた
「はぁ、やったー」
リディアは達成感を感じていたが…
「馬鹿なの貴女は?
水晶を割る聖女なんて居ないわよ!
やりすぎだわ!全くもう」
リディアの頭の中に
女神の声が聞こえた
「ごめんなさい女神様…だって…」
「だってじゃないわ」
「……」
貴族や王族も神官、聖騎士も
砕けた水晶を見て驚いている
「ふふっ、やだわ…ちょっと
はははは」
サーシャが笑っている
「ごめんなさい失礼しました
聖女リディアが水晶を割ったので
女神様がリディア様をお叱りになったの
リディア様はお転婆聖女様ですわ」
皆がざわついている
「女神がリディア様をお叱りしたと?」
「リディア様が聖女で大丈夫なのか?」
サーシャが手をパチンと叩いた
「さ、皆様、リディア様が聖女と
認められました。大神官より
聖女の証をお渡しします」
大神官ルースは慌てて
聖女認定を受けたリディアにブローチを
渡した
「リディア様、大陸1を誇る素晴らしい
力です。国の為、民の為に
どうか宜しくお願いいたします」
「はい」
会場から拍手が起こった
リディアが見ると最初に拍手をしたのは
皇后の様だ
クラウスの手を取り階段を降りた
リディアは柔らかい笑みを皇后に向け
礼をすると会場を後にした。
リディアがクラウスに案内された
部屋には聖騎士が待っていた。
リディアがラース卿に渡された剣を
手に取るとるとラースはリディアの前に
膝まずいた
「リディア・バレンスティンの
剣、そして盾となりあらゆる危険から
我を守るとここに誓うか」
「ラース・ファダンは
リディア・バレンスティンを主とし
あらゆる危険から守りこの身を捧げる
事を誓います」
「ラース・ファダンを専属騎士として
認めよう」
こうしてラース卿は
リディアの専属騎士としての誓いを終えた
そしてリディアはサーシャが待つ
庭園へと向かった。
もちろんラース卿も一緒だった
決まったよ」
「そう、いつかしら?」
「急だが明後日なんだ
陛下と皇后の予定が詰まっていてね」
「私やリディア様は大丈夫ですわ
大神官はどうかしらね」
「大丈夫だ。リディア様さえ調整出来ればね」
「わかったわ、クラウスとリディア様に
伝えるわ」
「あぁ、頼んだ」
殿下に頼まれたサーシャは直ぐに
クラウスとリディアに告げた
当日の朝
リディアはクラウスと共にホールで
リハーサルをしていた。
サーシャが現れるとクラウスは
警備の確認をすると聖騎士団の
控え室へと向かった
聖女認定 2時間前
リディアはサーシャと一緒に軽食を取り
お茶をしていた
「リディア様、普段通りに水晶を
光らせれば良いだけなので大丈夫です」
「はい、ありがとうございます」
「ふふっ、ラース卿が緊張していて
笑ってしまうわ」
「ラース卿がですか?」
「リディア様の専属護衛騎士でしょ?
それに彼ももうすぐソードマスターの
試験を受けるのよ」
神力を持った者で力が強い者は
聖女やソードマスターになる
女性は聖女となる事が多いし
男性は聖騎士となりソードマスターに
なる
もちろん女性の聖騎士も存在し
男性の聖師も存在する
そして
聖師、聖女、ソードマスターという
称号を与えられると
王族と同じように政治に関与でき
なんと言っても王族に対しての
不敬罪に問われる事がなくなり
一般貴族や民に不敬罪を問えるのだ。
リディアは早く聖女の称号が欲しかった
サーシャとお茶を終えたリディアは
クラウスとラース卿と共に
会場まで来た
「私リディアはこれから聖女認定式に
臨みます。宜しくお願いいたします」
手を合わせて女神様に語りかけると
リディアの頭の中に声が響いた
「リディアよ聖女となり民を導きなさい」
「行ってまいります」
リディアがホールに入ると祭壇の
向いには王族と伯爵以上の貴族が座り
左右には神官と聖騎士が立っている
大神官ルースと聖女サーシャは
階段の前に立って
リディアを見ていた。
クラウスにエスコートされながら
祭壇の階段まで来ると
サーシャが告げた
「これからリディア様の聖女認定式を
行います。
終了までお静かにお願いいたします」
ルースが階段を上がり水晶の脇に立つと
クラウスに手を預けながら
ゆっくりと水晶の前まで登った
水を張ったボウルの中央に大きな水晶が
あった
クラウスはリディアに頭を下げると
ルースの反対側に立った
良し、行くわよ!
リディアは手に神力を貯めると水晶に
放った。
キラキラキラキラ……水晶が光る
会場からは思わず「おぉ」と声が洩れた
その時だ
「さすが我が娘リディア!
我がマスラン家、自慢の嫁だ!!」
会場の皆が「は?」と思った時
リディアの手から更なる強い力が出た
水晶はキラキラを通り過ぎて
目を開けられない程に光った
そう、リディアはこの席にハワードが
居る事を思い出したのだ。
「おーっリディアよ
我が家に幸運を授けてくれ」
リディアはその言葉にプツリときた
「水晶よ、高く上がれ!」
リディアが腕を上げると水晶が
高く上がった
「行け!」
リディアの動きに連動して水晶が
ホールの中央に止まった
「砕けろ!」
リディアが拳を作ると…
バリーン!! 水晶が割れて床に落ちた
「はぁ、やったー」
リディアは達成感を感じていたが…
「馬鹿なの貴女は?
水晶を割る聖女なんて居ないわよ!
やりすぎだわ!全くもう」
リディアの頭の中に
女神の声が聞こえた
「ごめんなさい女神様…だって…」
「だってじゃないわ」
「……」
貴族や王族も神官、聖騎士も
砕けた水晶を見て驚いている
「ふふっ、やだわ…ちょっと
はははは」
サーシャが笑っている
「ごめんなさい失礼しました
聖女リディアが水晶を割ったので
女神様がリディア様をお叱りになったの
リディア様はお転婆聖女様ですわ」
皆がざわついている
「女神がリディア様をお叱りしたと?」
「リディア様が聖女で大丈夫なのか?」
サーシャが手をパチンと叩いた
「さ、皆様、リディア様が聖女と
認められました。大神官より
聖女の証をお渡しします」
大神官ルースは慌てて
聖女認定を受けたリディアにブローチを
渡した
「リディア様、大陸1を誇る素晴らしい
力です。国の為、民の為に
どうか宜しくお願いいたします」
「はい」
会場から拍手が起こった
リディアが見ると最初に拍手をしたのは
皇后の様だ
クラウスの手を取り階段を降りた
リディアは柔らかい笑みを皇后に向け
礼をすると会場を後にした。
リディアがクラウスに案内された
部屋には聖騎士が待っていた。
リディアがラース卿に渡された剣を
手に取るとるとラースはリディアの前に
膝まずいた
「リディア・バレンスティンの
剣、そして盾となりあらゆる危険から
我を守るとここに誓うか」
「ラース・ファダンは
リディア・バレンスティンを主とし
あらゆる危険から守りこの身を捧げる
事を誓います」
「ラース・ファダンを専属騎士として
認めよう」
こうしてラース卿は
リディアの専属騎士としての誓いを終えた
そしてリディアはサーシャが待つ
庭園へと向かった。
もちろんラース卿も一緒だった
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