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馬車に飛び乗ったアリーリアの隣では
メリッサが心配そうに覗いている
「はぁ、、ごめんね、、ふぅ…」
「私は大丈夫です」
「いや、突然に我儘を言ったから…
後で怒られちゃうかしら?はぁはぁ」
「謹慎処分ぐらいですね」
「謹慎処分?」
「はい3ヶ月分の給料停止と野外活動ですね」
「え?嘘…モルダも?」
「はい、おそらく」
「……」
「もうすぐバトラー伯爵邸です」
モルダが馬を走らせバトラー家の
門番と話しをしていた
慌てた門番が門を開くと中から執事と
思われる男性が駆けつけた
「門前に到着しました」
馬車がゆっくりと停止すると
寝巻きにジャケットを羽織った伯爵が
慌てて出てきた
「皇女殿下…よく…おいでくださいました。
ゼェゼェ」
「おはようございます
早朝にごめんなさいね。ガイルは?」
「はぁい、、自室におります」
「案内して!」
「えぇ?? いや、はい。ただいまーっ」
バトラー家の使用人がガイルの部屋に
駆け込んだ
「失礼します
ただいまアリーリア皇女殿下がぁ
お見えになりました」
ガイルはベッドから飛び起きた
「はぁ?」
ガイルが慌ててシャツを羽織った時だ
「ガイル!」
アリーリアがガイルに向かって
駆け寄った。
「ガイル…」
ガイルに抱きついた
周りは困惑だらけで何が起こったのか
全くわからない
ガイルは使用人と父親に部屋から出ろ。
と手を降った
モルダとメリッサも目配せをすると
廊下に待機した。
アリーリアはガイルに抱きついたまま
しばらく動かず ガイルは黙ったまま
優しくアリーリアの腰を引き寄せた。
しばらく過ぎた後
「アリー落ち着いたかい?」
「うん…あの…ごめんね」
「いいさ、俺に会いたくなって
我慢できなくなったんだろう?」
「ちょっ、、」
「可愛いアリーいつでもおいで
君ならばいつでも歓迎するさ」
それから2人はソファーに座り
アリーは夢の話しをガイルにした
「ふっ、アリー俺が何故ここに居るのか
知っているよね
どこにも行かないよ。ずっと側に居る
だから…ウエディングドレスを
着ていたのはアリーだよ」
「そんな事言って!」
「じゃあ俺が
最高のウエディングドレスを用意しよう。
アリーに着せてあげる」
「え?」
「俺はアリーの隣で白いタキシードを着るよ。
それでいいよな」
この人はどうしてこんなにもさらりと
そんな事を言えるのだろう…
私は自分の気持ちを伝えるのに
毎回苦労しているのに…
はぁ、、私は一生ガイルには勝てない。
アリーリアはそう思った。
それからはすぐに婚約式が整い
皇帝より正式な発表がされた。
まるで急がせる様な速さで婚約式を
終えたアリーリアはガイルと共に
墓地に向かった。
綺麗だけど古い石碑
初代グラマラス帝国皇帝エドアルド
そして皇后アリーリアが眠っていた
花を手向けた2人は自分達の亡骸に
手を合わせた。
アリーリアは挙式に向けて準備を始めた
「ねぇパシー」
「何でございましょう」
「宮にはサイラスとリリアナ妃が居る
のに…
私達の部屋まで改装してここに住んで
いいのかしら?」
「そうでございますねぇ
ガイル様は婿養子でございますし
問題ございません」
「そうなのかな?」
「はい。
皇太子殿下はガイル様と皇女殿下が
お側にいらっしゃると仕事がはかどる。
と仰っておりましたね」
「え?仕事?
宮から出さない大作戦?」
「おそらくそうでございますね
サイラス様は切れ者でございますから」
は?それって切れ者じゃなくて
暴君って言うのよ…
アリーリアはため息をついた。
挙式まで半年
アリーリアはため息の毎日だった
「やっぱり駄目かもしれない」
「何がダメなの?」
「リリはサイラスのどこが好きなの?」
「どうしたのよマリッジブルーなの?」
「今、毎日のようにガイルに会うの。
あの優しくて甘い瞳に見つめられると
骨まで溶けちゃいそうで…」
ぶはっ!! リリアナは思わず茶を吹いた
「あ、サイラスがね
茶を吹いたら駄目だって言ってたわ
大丈夫?」
「ちょっと…」
リリアナは笑いが止まらない
侍女達からも「ぐほっ」と聞こえた
「いいじゃない?
ガイルはアリーが大好きでアリーも
大好きなんでしょう?問題ないわ」
「で、サイラスのどこが好きなの?」
「あぁ、、
彼の紳士的なところや優しいところ
それと仕事が出来る素晴らしいところ」
「仕事が出来る。かぁー」
「そうね、切れ者って感じが素敵だわ」
でた…切れ者!だから暴君だって!
「そうなのね…」
「ガイル様も…タイプは違うけれど
感じ的には同じよね
やっぱりガイル様も王なのよ」
「へぇー。でもね第8夫人にならなくて
良かったわ」
「第8夫人?? あ、あれね…あれ嘘よ」
「はぁ?」
「北の話しよね?あれはサイラスが
アリーに仕掛けた話しよ。
それにパンテラ国王は今は第12夫人まで居るわ」
「嘘…」
「ふふっ、
あの頃にはアリーの相手としてガイル様にほぼ決まっていたわ」
「嘘つき…だって私
ガイルが他の人と結婚する夢を見て
だから、だから…」
「だから自分の気持ちに気づけた。
んでしょう?良かったわ」
「……」
「今が良ければいいじゃない?ね。
それに第8夫人だなんて義理母が
黙っていないわ。
そんな縁談を結んだらキャロル母が暴れているわよ」
リリアナの言う通りだ……
まんまと騙された。と気がついた
アリーリアだった
メリッサが心配そうに覗いている
「はぁ、、ごめんね、、ふぅ…」
「私は大丈夫です」
「いや、突然に我儘を言ったから…
後で怒られちゃうかしら?はぁはぁ」
「謹慎処分ぐらいですね」
「謹慎処分?」
「はい3ヶ月分の給料停止と野外活動ですね」
「え?嘘…モルダも?」
「はい、おそらく」
「……」
「もうすぐバトラー伯爵邸です」
モルダが馬を走らせバトラー家の
門番と話しをしていた
慌てた門番が門を開くと中から執事と
思われる男性が駆けつけた
「門前に到着しました」
馬車がゆっくりと停止すると
寝巻きにジャケットを羽織った伯爵が
慌てて出てきた
「皇女殿下…よく…おいでくださいました。
ゼェゼェ」
「おはようございます
早朝にごめんなさいね。ガイルは?」
「はぁい、、自室におります」
「案内して!」
「えぇ?? いや、はい。ただいまーっ」
バトラー家の使用人がガイルの部屋に
駆け込んだ
「失礼します
ただいまアリーリア皇女殿下がぁ
お見えになりました」
ガイルはベッドから飛び起きた
「はぁ?」
ガイルが慌ててシャツを羽織った時だ
「ガイル!」
アリーリアがガイルに向かって
駆け寄った。
「ガイル…」
ガイルに抱きついた
周りは困惑だらけで何が起こったのか
全くわからない
ガイルは使用人と父親に部屋から出ろ。
と手を降った
モルダとメリッサも目配せをすると
廊下に待機した。
アリーリアはガイルに抱きついたまま
しばらく動かず ガイルは黙ったまま
優しくアリーリアの腰を引き寄せた。
しばらく過ぎた後
「アリー落ち着いたかい?」
「うん…あの…ごめんね」
「いいさ、俺に会いたくなって
我慢できなくなったんだろう?」
「ちょっ、、」
「可愛いアリーいつでもおいで
君ならばいつでも歓迎するさ」
それから2人はソファーに座り
アリーは夢の話しをガイルにした
「ふっ、アリー俺が何故ここに居るのか
知っているよね
どこにも行かないよ。ずっと側に居る
だから…ウエディングドレスを
着ていたのはアリーだよ」
「そんな事言って!」
「じゃあ俺が
最高のウエディングドレスを用意しよう。
アリーに着せてあげる」
「え?」
「俺はアリーの隣で白いタキシードを着るよ。
それでいいよな」
この人はどうしてこんなにもさらりと
そんな事を言えるのだろう…
私は自分の気持ちを伝えるのに
毎回苦労しているのに…
はぁ、、私は一生ガイルには勝てない。
アリーリアはそう思った。
それからはすぐに婚約式が整い
皇帝より正式な発表がされた。
まるで急がせる様な速さで婚約式を
終えたアリーリアはガイルと共に
墓地に向かった。
綺麗だけど古い石碑
初代グラマラス帝国皇帝エドアルド
そして皇后アリーリアが眠っていた
花を手向けた2人は自分達の亡骸に
手を合わせた。
アリーリアは挙式に向けて準備を始めた
「ねぇパシー」
「何でございましょう」
「宮にはサイラスとリリアナ妃が居る
のに…
私達の部屋まで改装してここに住んで
いいのかしら?」
「そうでございますねぇ
ガイル様は婿養子でございますし
問題ございません」
「そうなのかな?」
「はい。
皇太子殿下はガイル様と皇女殿下が
お側にいらっしゃると仕事がはかどる。
と仰っておりましたね」
「え?仕事?
宮から出さない大作戦?」
「おそらくそうでございますね
サイラス様は切れ者でございますから」
は?それって切れ者じゃなくて
暴君って言うのよ…
アリーリアはため息をついた。
挙式まで半年
アリーリアはため息の毎日だった
「やっぱり駄目かもしれない」
「何がダメなの?」
「リリはサイラスのどこが好きなの?」
「どうしたのよマリッジブルーなの?」
「今、毎日のようにガイルに会うの。
あの優しくて甘い瞳に見つめられると
骨まで溶けちゃいそうで…」
ぶはっ!! リリアナは思わず茶を吹いた
「あ、サイラスがね
茶を吹いたら駄目だって言ってたわ
大丈夫?」
「ちょっと…」
リリアナは笑いが止まらない
侍女達からも「ぐほっ」と聞こえた
「いいじゃない?
ガイルはアリーが大好きでアリーも
大好きなんでしょう?問題ないわ」
「で、サイラスのどこが好きなの?」
「あぁ、、
彼の紳士的なところや優しいところ
それと仕事が出来る素晴らしいところ」
「仕事が出来る。かぁー」
「そうね、切れ者って感じが素敵だわ」
でた…切れ者!だから暴君だって!
「そうなのね…」
「ガイル様も…タイプは違うけれど
感じ的には同じよね
やっぱりガイル様も王なのよ」
「へぇー。でもね第8夫人にならなくて
良かったわ」
「第8夫人?? あ、あれね…あれ嘘よ」
「はぁ?」
「北の話しよね?あれはサイラスが
アリーに仕掛けた話しよ。
それにパンテラ国王は今は第12夫人まで居るわ」
「嘘…」
「ふふっ、
あの頃にはアリーの相手としてガイル様にほぼ決まっていたわ」
「嘘つき…だって私
ガイルが他の人と結婚する夢を見て
だから、だから…」
「だから自分の気持ちに気づけた。
んでしょう?良かったわ」
「……」
「今が良ければいいじゃない?ね。
それに第8夫人だなんて義理母が
黙っていないわ。
そんな縁談を結んだらキャロル母が暴れているわよ」
リリアナの言う通りだ……
まんまと騙された。と気がついた
アリーリアだった
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