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アリーリアがアカデミーに入学すると
リリアナ嬢と同じクラスだった
アリーリアはリリアナ嬢と一緒に
過ごす時間を大切にしている。
妃教育がどれほど大変で辛いかわかって
いたからだ。

2人は午前中の授業を終えると
王宮に戻り
アリーリアは公務をこなして
リリアナは妃教育に勤しむのだ

アリーリアが公務を終えて茶をしていると
サイラスとリリアナ嬢が歩いている
のが見えた。

仲良しね。
リリアナ嬢が笑顔でいられるのは
サイラスのおかげだわ

そう思った瞬間 ツキン…
胸の奥が痛んだ…
私は馬鹿ね、今だにあの頃の感覚を
残しているなんて…
100年よ?本当に嫌になるわ!

アリーリアはお茶を終えると自室に
戻った。

ん…

アリーリアはお茶をしている。
あれ?テーブルの上のカップがカタカタ
と音を鳴らした時だ
ダーン!! ものすごい勢いで椅子が
跳ね上がった
アリーリアは椅子から落ちると隣の木が
ユサユサと揺れた

パシーとモルダがアリーリアに被さると
ミュアは「誰か呼んで来ます」と
走り出した。

ダーン!!再び揺れた
まるで地に落ちるかの様な振動に慌てて
テーブルの脚を掴む

「きゃっ」横に揺れ始めるとパシーが
倒れた

「パシー大丈夫?」

「大丈夫で、、 ひっ、大丈夫でございます」

パシーは四つん這いになりながら
アリーリアの元に戻った

モルダは「ここは危険です」
とアリーリアを抱き上げると宮へと
走り出した

揺れてる…怖くなったアリーリアは
必死にモルダに抱きついた

「や、パシー!」

「どうされましたか?」

「え?」

「何か夢を御覧になりましたか?
まぁ汗をかいていらっしゃいますね
すぐにお拭き致します」

「私…寝ていたの?」

「はい」

「そうだったのね自分では寝ていない
つもりだったわ」

「その様な時もありますから」

パシーに拭いてもらいながら思う

夢とは思えない程に鮮明だったのよ
本当に怖かった
本当に不思議な夢だった


アカデミーでは時折サイラスに
出くわしていた。何故ならリリアナ嬢に
会いに来るからだ。

1人で来ればいいじゃない!
何でいつもガイルと一緒なのよ!

サイラスとリリアナ嬢がイチャイチャ
する隣で待たされてる私達って何?
教室に戻ろうとするとチラリと見て
無言の圧をかけてくるし
だからと言ってガイルと話す事なんて
無いもの…サイラスが何を考えているか
わからないわ

それからもずっとサイラスはリリアナ嬢
の教室に来てはイチャイチャしているし
クラスの令嬢達はサイラスやガイルを
見て、きゃぁきゃぁ言っている。

中にはガイルの側に来て
ガイルに手紙やらメモを渡す令嬢もいた

「ガイル様は今世でも大人気ですのね」

アリーリアは見ないフリをしていた。


サイラスがアカデミーを卒業すれば
リリアナ嬢との結婚が待っている。
王宮では既に準備が進んでいて
今は招待状の最終確認が行われている

サイラスとリリアナ嬢のお茶の席に
呼ばれたが…何故いる?
当然の様にサイラスの隣に座っている
ガイルに軽くイライラしてしまう

「なぁアリー、
新婚旅行ってさ、どこがいいかな?」

「え?何で私に聞くのですか?
リリアナ様と決めてくださいよ」

「あら、私もアリーにアドバイスして
もらいたいわ」

「つっ、、、」

2人揃って天然か!
アリーリアは「わかりません」と答えた

「ならばアリーは新婚旅行は相手に任せるって事?」

「そうですね。まぁ私は一生
宮から出ませんけれど」

「それは困るなぁー」

「何故です?別に2人の邪魔なんか
しませんよ。静かに公務に勤しみます」

「駄目だ、アリー
結婚も公務だと思うよ?王族の義務
だから相手を決めよう」

「チッ、、」

わかってるのよ
けれどね…誰かに裏切られるのは
うんざりだわ

「でしたら私を愛さず、干渉せず
お互いに自由でいるならば考えます」

「うーん、無理だな」

「何ですか?お兄様は
今、自分に愛する人がいるから
そう思うだけですよ」

「いやぁー だってアリーは可愛いからさ
きっと伴侶になる人はアリーに
メロメロになるよ」

は?メロメロ…何ですかそれは?

アリーリアにとって意味の無い茶の時間
が終わった。

サイラスの部屋ではガイルと2人が
話している

「なぁガイル、このままだと
進展は難しいぞ?1度話しをしたらいい」

「今の状態で何を話しても無理ですよ」

「けれどお前はアリーを思っている
んだよな?」

「勿論、けれど隣に居る事がいいのか
遠くで幸せを願うのがいいのか…」

「ハッ、まさか逃げるのか?
2人が揃って奇数な運命を辿るから
離れられない運命なのかと思ったよ」

「今はわからない」

「今は。か、まぁ本人にわからないのが
僕にわかる訳ないな」

「……」

「僕の結婚式の時に
アリーのパートナーになればいい。
父上に言っておくよ」

「いやそれはアリーの気持ちを優先する」

「うるさい!父上に伝えておく」

それからサイラスはアリーのパートナー
をガイルにしたいと陛下に申し出た

「サイラスよ
正式な場で皇女をエスコートをする
意味をわかっているのか?」

「はい」

「そうか、本人に任せたいが…
1度バドラー子息に会わせろ」

執事のパトリックは至急に手配を整えた
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