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アリーリアの混乱はまだ続いていた。
一体どういう事なの?
アリーリアは私の名前…
そしてまたアリーリア?
あの人が私の母って…
ここってどこなの?
まずは、、この国がどこなのか。
西暦何年なのか。
シャルパド王国では無い事は確かだわ
そうよ、、水や湯を侍女達が
何往復もしながら部屋に運んでいたわ
それなのに、この変な物を回すと
水や湯が貯まるんだもの…
はぁ、わからないわ
図書室で歴史を調べてみよう。
そう思っていた時
パシーから夕食を家族で取るため
準備をする事を伝えられた。
アリーリアはどう振る舞えば良いのか
不安で緊張しながら
イブニングドレスに着替え
案内されながら長い廊下を歩いた
この廊下は王族が使う住居よ。
あれ?ここはシャルパドなの?
そうだとしたらこの先に私が使っていた
部屋があるはず
アリーリアは立ち止まって振り返った
来た廊下を戻った突き当たり…
そこに…あの角を曲がったところに
寝室が、、エドアルドの前で薬を飲んだ
私が死んだ部屋があるはずだわ…
でも、私は死んだの?
ここに居るのは誰?
廊下を進むと見慣れた景色が見えた
アリーリアの身体が微かに震える
「ねぇ、パシー。あの部屋は?」
アリーリアはエドアルドの婚約者だった
時に使用していた自分の部屋を指さした
「あちらはサイラス皇太子殿下の
お部屋でございます」
「皇太子殿下?」
「はい、皇女殿下の兄上様でございます」
「あ、そうよね?」
自分の兄を知らないなんて不自然すぎる
やっちゃったかしら
「サイラス皇太子殿下は
アリーリア様の2歳年上でして
12歳でございます」
12歳の兄って事は私は10歳なのか…
そうだ!
「パシーあなたは何年勤めているの?」
「20年以上です
皇女殿下がお生れになってから
従侍女としてお仕えさせて頂いて
おります」
「そう、ありがとう」
「勿体ないお言葉でざいます」
パシーは20年以上ね
私が居た時はパシーという侍女は
いなかったと思うけど…
ダメだわ、情報が少なすぎて
どう振る舞えばいいのかわからないわ
アリーリアが緊張していた間に到着した
懐かしい…
装飾品は変わっていたが造りはそのままだった
1人寂しく
エドアルドを待った事があった
最後の頃は1人で食事をして…
アリーリアは感情が溢れ出しそうだった
「あら、アリーちゃんもう来ていたのね」
入って来たキャロルに引き戻された
椅子に座り家族が揃うのを待つ
「遅くなりました」
椅子に座ったのは兄のサイラス
見てはいけないと思いながらもチラチラ
してしまう
お母様に似ているわ。
ふぅ…とため息しか出ない
どうしよう…どうしよう…どうしよう
「待たせてしまったな」
!! 席に座った皇帝は想像よりもはるかに
若かった
「アリー
朝食はフルーツとジュースだけだと聞いた
しっかり食べなさいわかったね」
「はい」
あれ?アリーリアが返事をすると
配膳係達の動きが止まった
「何をしてる」
皇帝の声に皆が動き出した
食事が始まるとサイラスがやたらと
アリーリアを見てくる
やだわ、お兄様…作法なら完璧よ
サイラスにニコリと笑顔を向ける。が
フィッと顔を逸らされてしまった
しかしよく見ればほんのり顔が赤い
アリーリアはサイラスが照れている事に
気がついて少し嬉しかった
けれどアリーリアから話しかける事など
できずにそのまま食事を終えた
廊下にはルアーナが待っていた。
話しを聞けばルアーナは20歳で
試験に合格した時に志願して
アリーリアの侍女になったと言った。
「あの、サリーって人は居るかしら?」
「サリーですか
あ、ランドリー担当の人でしょうか」
「ランドリー?」
「はい、私と同期なんです」
サリーはあの頃私が18歳で25歳ぐらい
だったから別人ね
「そうなのね。
この後で少し歩きたいの可能かしら?」
「もちろんです。
部屋に戻ってから準備致します」
アリーリアが部屋で待っていると
ルアーナが女性騎士を連れて来た
「皇女殿下にご挨拶申し上げます。
メリッサが護衛致します」
「よろしくメリッサ」
アリーリアは思い出深い庭園に向かった
あぁ、、ここね
妃教育が辛い時はエドアルドと一緒に
お茶を飲んでいたわ…
いつの間にかモナリナに奪われて
しまったけれど…
「ねぇ、この廊下は?
どこに続いているの?」
アリーリアが知らない廊下だった
ルアーナが答える
「この先は王族の方しか入れません
後は皇帝に許可を許された者だけです」
「私は入れるのかしら?」
「もちろんです。が…
鍵は皇帝管理ですので聞いて来ますね」
ルアーナはアリーリアに頭を下げると
行ってしまった
「…… あの、、ルアーナって
個性的な人かしら?」
メリッサは
「わかりかねます。
私達は専属に指名されない限りは
専属侍女と話しをする事はございませんので」
「そうなのね」
メリッサは無口だ。
ずっと周りの気配を探りながら
いつでも剣を抜ける様にしている
あまり話しかけてはいけないな。と
アリーリアはルアーナが戻るのを
静かに待っていた
一体どういう事なの?
アリーリアは私の名前…
そしてまたアリーリア?
あの人が私の母って…
ここってどこなの?
まずは、、この国がどこなのか。
西暦何年なのか。
シャルパド王国では無い事は確かだわ
そうよ、、水や湯を侍女達が
何往復もしながら部屋に運んでいたわ
それなのに、この変な物を回すと
水や湯が貯まるんだもの…
はぁ、わからないわ
図書室で歴史を調べてみよう。
そう思っていた時
パシーから夕食を家族で取るため
準備をする事を伝えられた。
アリーリアはどう振る舞えば良いのか
不安で緊張しながら
イブニングドレスに着替え
案内されながら長い廊下を歩いた
この廊下は王族が使う住居よ。
あれ?ここはシャルパドなの?
そうだとしたらこの先に私が使っていた
部屋があるはず
アリーリアは立ち止まって振り返った
来た廊下を戻った突き当たり…
そこに…あの角を曲がったところに
寝室が、、エドアルドの前で薬を飲んだ
私が死んだ部屋があるはずだわ…
でも、私は死んだの?
ここに居るのは誰?
廊下を進むと見慣れた景色が見えた
アリーリアの身体が微かに震える
「ねぇ、パシー。あの部屋は?」
アリーリアはエドアルドの婚約者だった
時に使用していた自分の部屋を指さした
「あちらはサイラス皇太子殿下の
お部屋でございます」
「皇太子殿下?」
「はい、皇女殿下の兄上様でございます」
「あ、そうよね?」
自分の兄を知らないなんて不自然すぎる
やっちゃったかしら
「サイラス皇太子殿下は
アリーリア様の2歳年上でして
12歳でございます」
12歳の兄って事は私は10歳なのか…
そうだ!
「パシーあなたは何年勤めているの?」
「20年以上です
皇女殿下がお生れになってから
従侍女としてお仕えさせて頂いて
おります」
「そう、ありがとう」
「勿体ないお言葉でざいます」
パシーは20年以上ね
私が居た時はパシーという侍女は
いなかったと思うけど…
ダメだわ、情報が少なすぎて
どう振る舞えばいいのかわからないわ
アリーリアが緊張していた間に到着した
懐かしい…
装飾品は変わっていたが造りはそのままだった
1人寂しく
エドアルドを待った事があった
最後の頃は1人で食事をして…
アリーリアは感情が溢れ出しそうだった
「あら、アリーちゃんもう来ていたのね」
入って来たキャロルに引き戻された
椅子に座り家族が揃うのを待つ
「遅くなりました」
椅子に座ったのは兄のサイラス
見てはいけないと思いながらもチラチラ
してしまう
お母様に似ているわ。
ふぅ…とため息しか出ない
どうしよう…どうしよう…どうしよう
「待たせてしまったな」
!! 席に座った皇帝は想像よりもはるかに
若かった
「アリー
朝食はフルーツとジュースだけだと聞いた
しっかり食べなさいわかったね」
「はい」
あれ?アリーリアが返事をすると
配膳係達の動きが止まった
「何をしてる」
皇帝の声に皆が動き出した
食事が始まるとサイラスがやたらと
アリーリアを見てくる
やだわ、お兄様…作法なら完璧よ
サイラスにニコリと笑顔を向ける。が
フィッと顔を逸らされてしまった
しかしよく見ればほんのり顔が赤い
アリーリアはサイラスが照れている事に
気がついて少し嬉しかった
けれどアリーリアから話しかける事など
できずにそのまま食事を終えた
廊下にはルアーナが待っていた。
話しを聞けばルアーナは20歳で
試験に合格した時に志願して
アリーリアの侍女になったと言った。
「あの、サリーって人は居るかしら?」
「サリーですか
あ、ランドリー担当の人でしょうか」
「ランドリー?」
「はい、私と同期なんです」
サリーはあの頃私が18歳で25歳ぐらい
だったから別人ね
「そうなのね。
この後で少し歩きたいの可能かしら?」
「もちろんです。
部屋に戻ってから準備致します」
アリーリアが部屋で待っていると
ルアーナが女性騎士を連れて来た
「皇女殿下にご挨拶申し上げます。
メリッサが護衛致します」
「よろしくメリッサ」
アリーリアは思い出深い庭園に向かった
あぁ、、ここね
妃教育が辛い時はエドアルドと一緒に
お茶を飲んでいたわ…
いつの間にかモナリナに奪われて
しまったけれど…
「ねぇ、この廊下は?
どこに続いているの?」
アリーリアが知らない廊下だった
ルアーナが答える
「この先は王族の方しか入れません
後は皇帝に許可を許された者だけです」
「私は入れるのかしら?」
「もちろんです。が…
鍵は皇帝管理ですので聞いて来ますね」
ルアーナはアリーリアに頭を下げると
行ってしまった
「…… あの、、ルアーナって
個性的な人かしら?」
メリッサは
「わかりかねます。
私達は専属に指名されない限りは
専属侍女と話しをする事はございませんので」
「そうなのね」
メリッサは無口だ。
ずっと周りの気配を探りながら
いつでも剣を抜ける様にしている
あまり話しかけてはいけないな。と
アリーリアはルアーナが戻るのを
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