貴方もヒロインのところに行くのね? [完]

風龍佳乃

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「マデリーン、久しぶりだね
君に会ったら、会えたら話したい事が
たくさんあったのに…
いざ会うと上手く話せないな…
元気だった?」

「えぇ、元気だったわよ
バーレンも元気そうで良かったわ」

「うん、、南国に居たんだね」

「えぇ」

「わかっていたら、、迎えに行ったよ」

「バーレン…私達は……」

「マデリーン、僕は終わってないんだ
あれからずっと…
勝手なのはわかっている。 
だけど だけどさ、僕はずっと待ってた
何故ならば君からの返事をまだ
聞いていないから」

真っ直ぐマデリーンを見つめる瞳に
嘘は感じない

「そうね、、返事出来なかったわね」

「マデリーン君は知っていた?
あの時、僕はサブリナに誘われて
ついて行ってしまった…けれど
サブリナに惹かれた事なんか無い
僕はずっと君だけを想っていたから」

「そうだとしても
あの時、私はとても傷ついたわ
全てを忘れたかった…
だから国を離れたのよ」

「ごめんマデリーン僕は未熟だった
不器用だった。認めるよ」

「そうね、お互いに未熟だったわね」

「マデリーン、、もう1度
チャンスをくれないかな?
もし君が殺したいぐらいに僕を
恨んでいるなら…いや恨んでいいから」

「ん?恨んでいいの?」

「いや、恨まないで欲しいけれど
友人からでもいいから許して欲しい
そして婚約して結婚して欲しい」

「ねぇバーレン?
ちょっと欲張りじゃない?」

「そうかな」

「かなり…ね」

友人に戻れるかわからない
それにバーレンをパートナーとして
見れるかなんて未知の感情だ
マデリーンは返事に困った

「マデリーンと向き合いたいんだ
今の君を知りたいんだ
そして今の僕を見て、知って欲しい」

「ふぅ、バーレンはかなり身勝手ね」

「ごめんマデリーン
困らせる事はわかっているんだけど
伝えないと後悔するから」

「うん、、バーレンの気持ちはわかったわ
でもね少し時間をちょうだい」

「もちろんだよ
僕には考える時間はたくさんあったけど
マデリーンは違うからね」

「ありがとう。今度は浮気しないで
待っていて…必ず返事をするから」

「あぁ、マデリーンありがとう
誰よりも愛してるよ」

「?? バーレン!返事を勝手に決めないで
Noって言う事も考えておいて」

「待ってるよ。どんな返事でもね」

2人がテラスから戻った頃には
会場を後にした人達もいて
だいぶ静かになっていた

「マデリーン嬢と話しをさせて頂き
ありがとうございました」

「あぁマデリーンが決める事だ」

バーレンはキル二ーに頭を下げると
会場を後にした

「随分と長かったな」

「ごめんなさい待ちくたびれたわよね」

「友人達も待っていたがさっき帰った」

「そうなのね 手紙を書くわ」

「よし俺たちも帰るぞ」

「そうね帰りましょお腹空いちゃったわ」

馬車に揺られながらキル二ーは
マデリーンに声をかけた

「なんか吹っ切れた顔してるな」

「え?そうかな」

「いい話しだったのか?
ならばいいけど」

「いい話しか わからないけれど
話しをしたのって随分と前だったし
あの時、返事をしないまま南国に
行っちゃったから…」

「で、返事したのか」

「まだよ…少し時間をもらったわ」


キル二ーの言う通り翌日から
求婚状が届く様になり
お父様が、、というよりも執事達が
忙しくなってしまった。

「お嬢様、、凄いですね」

「きゃぁ私もこんな感じで
求婚状をもらってみたいです」

なんか楽しそうだからいいか。
そう思った

しばらくしてマデリーンはバーレンを
誘った

「ランチしませんか?予定を聞かせて」

2時間後

「お嬢様、、お客様です」

「誰かしら?約束の予定は聞いていない
けれど」

「それが、、バーレン様です」

「?」

手紙がすぐに配達されたとしても
そんなに早く届かないんじゃない?

マデリーンは慌てて支度を終え
バーレンに会った

「お待たせしてしまいましたね」

「急に来た僕がいけないんだ」

「えっと…手紙は?」

「読んだよ だから来たんだ」

?? 誘った以上はこちらの責任だもの…

チラリと時計を見れば午前11時だ

今日これからって事ね?

「少し待って欲しいわ」

「もちろんさ」

マデリーンは昼食は外で済ますと
厨房に伝えるとバーレンの馬車へと
乗り込んだ。
バーレンがマデリーンを
誘ったのは「あの頃」一緒に歩いた
商店街だった

あの頃、、一緒に来ていたレストラン
変わらないな…変わったのは私達の関係
ね、先生の話しやテストの内容やら
たわいもない話しが楽しかったのよね

バーレンはマデリーンが好きだった
料理を迷う事が無く注文していく

そんなバーレンを見ながら複雑な
気持ちになっていた

彼は本当に私を好きなのだろうか?
彼を信じていいのだろうか?

私は?彼が好きなのだろうか

まだ…わからないわ



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