貴方もヒロインのところに行くのね? [完]

風龍佳乃

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時は過ぎてマデリーンが卒業するまで
後半年になった
南国に来てから色々と学べた
マデリーンはこのまま南国に残って
嫁いでもいいかなぁ?と考えていた

そうマデリーンが思い浮かべていたのは
ヒューランだ
厳しいけれど優しい人だし何よりも
教養と知識。紳士的な振る舞いには
いつもキュンとさせられてしまう

「やだ、どうしよう…
プロポーズとかされたら…
ふふふふふふっ」

マデリーンは1人 妄想を膨らませていた

そんな時、兄キル二ーから手紙が届いた

マデリーン元気かな?
もうすぐ帰国の準備をしなさいとね
予定では卒業式の1週間後だよ
こちらの成人パーティーに間に合わなく
なるからさ。
そうだ成人のドレス等は母上が
準備してくれるから心配しないでくれ
では近くそちらに向かう


はぁ?成人パーティー…忘れていたわ

成人式には病気や不幸がない限り
参加の義務がある。何故ならば
王家主催だからだ。

帰国するのかぁ…
ずっと会っていない友人達も
変わったんだろうなぁ
話しはしたいけれど会いたくない人も
いるし…な

成人パーティーが終わったら
また南に来ればいいのか!
ふふふっ
幸せいっぱいなマデリーンだった


キル二ーが迎えに来る日
マデリーンは港で待っていた
再会した2人は最初にヒューランを
紹介されたレストランに向かった

「ほう、マデリーンは随分と雰囲気が
変わったな」

「そう?自分ではわからないけれど」

「いや妹じゃなければ口説くよ」

「は?馬鹿なの?」

「そのぐらい綺麗になったって意味」

「はいはい、ありがとう」

「あ、そうだ婚約したんだよ」

「えーっ! あ、そうかキル二ーは
20歳だもんねぇ、どんな人?」

「帰ったら紹介するよ」

「やだ楽しみだわ」

「お前も成人パーティーで探さないとな」

「まぁ、私は急いでないわ。ふふふ」

「ヒューランはまだか?」

「来るの?」

「呼んだ」

「そうなのね」

キル二ーが手を挙げた

「こっち!」

マデリーンは満面の笑顔で振り返る

「?!」

ヒューランは女性と一緒だった

「ごめん、待たせてしまったな。
あ、紹介するね 彼女は婚約者の
ソーニャだ」

「遅れてごめんなさいソーニャです。
貴女がマデリーン嬢ね
彼から話しは聞いているわ
帰国前に会えて嬉しいわ」

「あ、あ、あ
どうもマデリーンですぅ…どうもぉー
ソーニャ様初めましてぇー」

マデリーンは固まった。

そして聞けば
ソーニャとヒューランを結んだのは
アホな兄貴でマデリーンが南に来る
直前に婚約したそうだ

だったら先に言って?
勝手にヒューランに恋心を抱いてさ、
私、、馬鹿みたいじゃない?
だいたいさ、失恋して他国に来て
素敵な男性を紹介されたらね
そこからラブロマンスが始まって
キュンキュンしちゃってからの
ハッピーエンドじゃないの?
くっそー!

マデリーンの初恋は終わった
淡い期待も終わった

さ、早く帰国しよう!

マデリーンはそう思った


南の卒業式は早い

ここの卒業式ではみんなでお揃いの
制服を着る
何故ならばこの日に着ている制服を
見た住民は祝いとして
店でお金を取らないのが決まりなのだ
つまり卒業生は1日 無料で生活が
出来る

しかしマデリーンは どうでも良かった
初恋が惨めに砕けて
挙句サーニャもいい人で
ヒューランとお似合い……
やってられない!もう来ないもん!

卒業式が終わるとすぐに帰国準備を
始めた


マデリーン南国から出発


「結婚式にはキル二ーと一緒に来てね」

爽やかに告げるヒューランに複雑な
感情を持った。

はぁ、学園の卒業を喜ぶよりも
貴方からの卒業の方が堪えるわよ…

ヒューランに今までの礼を伝えると
マデリーンはキル二ーと一緒に
船に乗り込んだ

見送りに来てくれた
ヒューランとサーニャに手を振った

さよなら…私の初恋 !


マデリーンは小さくなっていく
南国に別れを告げた


マデリーンが帰国してからは
成人パーティーの準備に忙しくしていた

親しくしていた友人達に帰国を知らせる
手紙を送ると
友人達の卒業の日にアビュータ家で
会う事になった


アカデミーの卒業

友人達は卒業式の後でアビュータに
集まり
マデリーンはみんなの卒業を祝った

「お帰りマデリーン、随分と
雰囲気が変わったのね」

「本当にびっくりしたわ綺麗になったわ」

「マデリーン婚約者はいるの?
求婚者が殺到するわね」

友人達はマデリーンの成長に驚いた

「ありがとう 婚約者は居ないわ
成人パーティーで探さなきゃ皆は?」

友人達はそれぞれ相手を見つけたらしい

「そう良かったわね誰が最初に
結婚をするかしらね」

マデリーンは嬉しくて微笑んだ

それからマデリーンが留学してからの
事を色々と聞いたマデリーンは
サブリナの話しを聞いて
複雑な気持ちになってしまった
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