貴方もヒロインのところに行くのね? [完]

風龍佳乃

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アカデミーが夏休みに入り
バーレンとは会っていなかったが
マデリーンは夏休みが終わったら
バーレンに返事をしよう。と
思っていた

「お父様に言った方がいいかな?」

両親は外交で他国に居た為に帰りを
待っていた

「マデリーンただいま」

「おかえりなさいお父様、お母様」

アビュータ伯爵家では
父と母はほとんどを一緒に行動し
仕事も一緒にしている
両親が留守にする時は兄のキル二ーが
屋敷を守りキル二ーが出る時は
父か母のどちらかが屋敷を守っていた

やっと帰宅した両親に自分の事を
相談する事に気は引けだが
話す事にした

「そうか、ダグラス伯爵家か…
悪くないけれどマデリーンはいいのか?
まぁ本人達がいいならば
夏休み明けにでも連れて来なさい」

「はい、お父様お母様ありがとう
ございます」

マデリーンは夏休みの間に1度だけ
登校する日にアカデミーに向かった

放課後にでもバーレンを呼んで
返事をしなくっちゃ

授業が終わったマデリーンは
門の近くでバーレンを待っていた。

「やだ、サブリナ集団が来ちゃった」

マデリーンは向きを変えて集団に
背を向けた

「あれ?マデリーンじゃない?」

サブリナだ…

「あー、サブリナ…久しぶりね」

マデリーンがサブリナと集団を見た

え?何でバーレンが居るの…

バーレンはマデリーンから視線を逸らし
下を向いた

「どうしたの?誰か待ってるの?」

マデリーンはひきつった

「うん、そうよ」

「そっかぁ、私達ね これから
レストランに行くのよ。
夏休みのお土産交換でね…
マデリーンも一緒なら楽しいのに残念!
でも たまには一緒にお茶しようね」

サブリナはマデリーンに手を振りながら
男達を連れて門から出ていった

マデリーンはサブリナと一緒に
歩いて行くバーレンの後ろ姿を見つめた

あぁ、貴方も一緒なのね…
マデリーンの頬に涙が流れた

偶然会った友人に誘われてカフェに
向かった

「何かね、サブリナ嬢の家で
バーベキューパーティーとか
湖畔ピクニックとかしていたらしいわ」

「聞いたわ、例の男友達を招待して
過ごしていたみたいね」

「今日は別荘に集まる話をしていたわ」

「そうなのね…」

友人達の会話にどうしてバーレンが
サブリナと行動を共にしていたのか
解らないが、きっと一緒に過ごして
サブリナを好きになったのね。
と思った…
そうじゃなかったら視線を逸らさない
もの…
何だか本当に疲れたわ

マデリーンはお茶を終えると早々に
帰った

「おぉ、マデリーン帰ったか
父に聞いたぞ?彼氏が出来たって?」

「……」

「よし、優しい兄が聞いてやるぞ」

キル二ーがマデリーンを部屋に誘った

「どうした?元気ないな…
彼氏と喧嘩でもしたのか?」

マデリーンはアカデミーに入学してから
サブリナという友人が出来た事。
ホルバとの関係が変わった事。
そしてバーレンがサブリナ集団に入り
マデリーンを避けた事を話した

「そうか、なぁマデリーン
お前はそのバーレンって本気だったの」

「本気って…わからないけど
何か裏切られた感があってね
正直言うと傷ついたかな」

「うーん、婚約前で良かったじゃん
もし婚約してから他の女を追ってたら
最悪だったぞ
早くわかって良かったよ」

「そうかも……だけどアカデミーに
行きづらいな」

キル二ーはマデリーンの顔を見ている

「なぁ、マデリーンって外国に
行った事無いよな?一緒に行く?」

「え?外国?」

「そう、外国って色んな人が居るんだ
国によっても色々だし…
マデリーンも外の国を見てみなよ」

「何か怖いわ」

「大丈夫だよー、俺が一緒だし
秘書もいるからさ」

「そうねえ、、1晩考えるわ」

「うん、そうしなよ」

キル二ーは父にマデリーンの事を
話していた、そしてマデリーンを
同伴させる話しもして
父は何事も経験だから…と許可を出して
いた。

マデリーンは1人考えていた

確かにサブリナは可愛いと思う
そして彼女を好きになる男は居るだろう
けれど何で私と友達をしていた人ばかりが
サブリナ集団になったのかな?
そしてサブリナ集団に入ると皆
私を避けるのよね…
はぁ、本当にめんどくさい!
どうせなら留学とかしちゃう?
そう思った

次の日

マデリーンは兄と一緒に外国に行って
みたい。と伝えた
そして留学したいとも…
両親もキル二ーも賛成し
すぐに留学先を探してくれた

父はアカデミーに留学手続きをして
くれてすぐに書類を用意してくれた

家族と話をした後
マデリーンは親しい女友達に
手紙を送り、留学する事を伝えて
キル二ーと一緒に南国に出発した

マデリーンは初めて乗る船に感動し
海をずっと見ていた。

「はぁ、来て良かった
今までのモヤモヤが消えていくわ
あんなめんどくさい人達とは
さよならだわ」

マデリーンは本来の明るさを
取り戻していった
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