貴方もヒロインのところに行くのね? [完]

風龍佳乃

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「あ、ホルバ!」
マデリーンは幼なじみを見つけた

ランチに誘おうかとホルバに駆け寄った
のだがホルバは少し怪訝な顔をすると
マデリーンに言った

「あー、何か用?」

「ランチでもどうかな?って」

「あのさ俺達ってそういう仲じゃないし
幼なじみとか友人とかってさ…
もうやめよう」

「え?」

「だからさ、サブリナとか皆が一緒なら
いいけどね」

また、サブリナかぁー

「わかったわ、もう誘わない」

マデリーンはホルバの前を通り過ぎた

ホルバは幼い頃から互いの屋敷で
遊んで育った仲だった。それなのに…

マデリーンがアカデミーに入学すると
1人の令嬢が声をかけてきた。
それがサブリナだった
活発なマデリーンに比べると
サブリナは少しおっとりとしていて
放っておけないタイプではある。
だからマデリーンは自分の友人達を
サブリナに紹介したのだが
いつからか男友達はサブリナを優先して
マデリーンとの付き合いに距離を作った

「まさかホルバまでとは…」

マデリーンはサブリナを警戒していて
今はサブリナに声もかけていなかった

「ま、いいか」

女友達とランチをしていると
何やら男達の甘い声が聞こえてきた
振り返るとサブリナを取り囲む男達が
必死にアピールしている様だ

「場所変えましょう」

友人の言葉に同意した
マデリーンは席を立った

「マデリーン!」

サブリナに呼び止められてしまった

サブリナがマデリーンに向かって
走り出すと周りの男達は(危ない)と
サブリナを引き止めた
そして(お前が来いよ)という視線を
マデリーンに向ける

「何?」

「もう、、マデリーン居なくなっちゃった
から探したのよ?」

「ん…だから何か用?」

「一緒にランチをしたかったの」

「ごめんなさい友人と済ませたの」

「えぇー、私とじゃ嫌だった?」

「そんな事は無いけれど
サブリナには別の友人が居るじゃない」

「そんな、、寂しいわ」

はぁ、それで私が貴女と居たら
男達が(どっか行け)って顔をするのよ

「機会があったらしましょう」

マデリーンはサブリナに背を向けると
友人と一緒に場所を移動した

「マデリーン大丈夫?顔が怖いわよ?」

「大丈夫よ」

「まぁ、わかるけれどね」

ランチを終えたマデリーンは教室に
向かった

ガシッ !

マデリーンは突然 腕を掴まれた
振り返るとホルバが立っている

「はぁマデリーン。さっきの態度は何?
サブリナが寂しそうだったよ
ランチをしなかったからって
彼女に当るなよ」

むかっ!マデリーンはちょっと切れた

「何言ってんの?私と貴方はランチを
する様な仲じゃないわ
何で貴方とランチ出来ないと彼女に
当るのよ?貴方と私は他人よ?
もう、、幼なじみでもないし
ちゃんと友人もやめるわ」

マデリーンはホルバの手を払うと
教室に入った

ふぅ、
何なのアレは?本当にめんどくさいわ。って言うか迷惑よ

マデリーンは毎日のように
こんな日を過ごして疲れていた

「あーあっ、何か楽しい事は
ないかなぁー」

「お嬢様、最近お疲れですものね」

使用人のミーナが心配してくれている

「ちょっとね」

「色々ですね?愚痴を言いたくなったら
いつでも聞きますよ」

「ありがとうミーナ……
そうだ! これからは私の許可無く
ホルバを屋敷に入れないでね。
まぁお父様とかに用事があるなら
別だけど」

「まぁ喧嘩ですか?」

「違うわ、、私達ね幼なじみも友人も
止めたのよ。それだけ」

「あらまぁ、、執事に伝えても?」

「うん、そうして」

それからしばらくは煩わしい男達とも
めんどくさいサブリナとも
関わらずに過ごしていたが
そんなマデリーンに声をかけてきたのは
バーレンという人だった

「マデリーン嬢 初めまして僕はバーレン
ダグラス伯爵家だよ」

「初めましてバーレン、
アビュータ伯爵家のマデリーンです」

「うん、良かったら友達にならない?
と言っても急には無理かな?
まずは今度ランチでもどうかな?」

マデリーンは警戒している
何故ならサブリナ目当てならば
断りたいからだ

「うーん、サブリナ目当てならば
本人に声をかけてほしいわ
私は今、彼女とほとんど一緒に居ないから」

「え?違うよ、、マデリーンって
いつも元気でいいな。って思ってて…
何かごめんマデリーンがそう思っちゃうとか思わなかったよ」

「違うなら…私こそごめんなさい
そうね、今度ランチしましょう」

「ありがとう、じゃあ また声をかけるね」

「じゃねバーレン」

そしてマデリーンはバーレンと
食事をしたり街に出て買い物をする
仲になっていった

アカデミーでは2人は付き合っている。
と噂が広まっていた。

「マデリーン」

「何?バーレン」

「あのさ僕達さ…その…付き合っている
って噂をされているの知ってるかな?」

「あぁー、うん知ってるわ
バーレンが迷惑ならば2人で会うの
止めるわ」

「違うよ、そうじゃなくてさ
マデリーンが良ければ婚約とかを
前提にきちんと付き合わない?
もちろん親に紹介してさ…
考えておいてよ」

「私…でいいの?」

「嫌なら言わないさ、
マデリーン きちんと考えて」

「ありがとう、ちゃんと考えるね」

「うん、待ってる」

それからマデリーンは婚約や結婚について考えている

優しくて思いやりのある人がいいわ
バーレンは…うん大丈夫そうかな?

そう思っていた
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