12 / 12
Chapter1 Guns and mirrors
11 和解
しおりを挟む
次の日、僕らは会うことにした。場所は例のキメダコーヒーだ。入り口の前で待っていると牧田が現れた。彼女はネイビーのスカートにサスペンダー、白いシャツ、それから白い麦わら帽子を被って現れた。やけにおしゃれな格好だな、この間とはえらい違いだ。それから暫くして橅本が現れた。彼は草色のつなぎにタンクトップ、それから無精髭を生やし青ざめた表情でやってきた。昨日はあまり眠れなかったのだろう。心中お察しします。
僕らは店内に入ると、窓側の席に座った。牧田は隣に座ると、ミルクセーキにモンブランケーキを注文した。姿勢良く上品にケーキを口元へと運んでいく。ミルクセーキを飲む姿は貴婦人のようであった。やけに意識高いな。
僕はブラックコーヒーだけにした。コーヒーはしっかりとしたコクを感じる一杯だ。橅本はアイスコーヒーとカツサンドを頼むと、それを一気に頬張り出した。凄い勢いで食べ尽くすとようやく一息ついたのだろう、昨日のことを喋り出した。
「僕らはこれからどうする?」、確かに、昨日のことでさらに上から目を付けられてしまったことは間違いない。ゲームとはいえ、上司たちを炎で処刑してしまったのだ。ただではすまないだろう。
「とりあえず職場では大人しくしておこう、でもゲームは続けた方がいいかもな」。僕の提案に牧田は黙って頷いた。昨日の騒動でゲームのプレイヤー達が勢いを得ることになった。黒服たちの行動は少し過剰であると運営側が認めたのだ。
「これを見てくれ」、僕はカバンからノートパソコンを取り出すと、データを開いて見せた。これは今日公開された新しい賞金首リストだ。1日で順位が大きく変動してしまった。今までおとなしく様子を見ていた者たちが一斉に参加してきたのだ。僕らは賞金をかけられ追われる身だ。今後は今まで以上に多くのプレイヤー達から狙われることになる。僕らはお互い顔を見合わせて頷いた。これからゲーム内では協力し合うことを約束した。
「ん、ところでこれは何だ?」橅本はデスクトップの脇に置いてあったファイルを見つけると勝手に開いてしまった。「そ、それは!」僕が慌ててファイルを閉じようとすると牧田が僕の腕を抑えて静止した。牧田のセクシーショットが画面一杯に散乱した。昨日牧田がはりつけにされていたやつも入っている。今日開発に渡す約束になっていたので準備してたやつだ。僕は事情を説明しようかと思ったが、牧田はゆっくりとカバンからトンファーを取り出すと僕の喉元にそれを押し付けて「消せ!」と静かに命令した。橅本はゴミでも見るかのような目つきで僕を哀れんでいる。「すいませんでした」、僕は頭を下げて涙目で謝った。その日から僕のコードネームには惨めな変態野郎(Girls searcher)という不名誉な称号が付加された。
僕らは店内に入ると、窓側の席に座った。牧田は隣に座ると、ミルクセーキにモンブランケーキを注文した。姿勢良く上品にケーキを口元へと運んでいく。ミルクセーキを飲む姿は貴婦人のようであった。やけに意識高いな。
僕はブラックコーヒーだけにした。コーヒーはしっかりとしたコクを感じる一杯だ。橅本はアイスコーヒーとカツサンドを頼むと、それを一気に頬張り出した。凄い勢いで食べ尽くすとようやく一息ついたのだろう、昨日のことを喋り出した。
「僕らはこれからどうする?」、確かに、昨日のことでさらに上から目を付けられてしまったことは間違いない。ゲームとはいえ、上司たちを炎で処刑してしまったのだ。ただではすまないだろう。
「とりあえず職場では大人しくしておこう、でもゲームは続けた方がいいかもな」。僕の提案に牧田は黙って頷いた。昨日の騒動でゲームのプレイヤー達が勢いを得ることになった。黒服たちの行動は少し過剰であると運営側が認めたのだ。
「これを見てくれ」、僕はカバンからノートパソコンを取り出すと、データを開いて見せた。これは今日公開された新しい賞金首リストだ。1日で順位が大きく変動してしまった。今までおとなしく様子を見ていた者たちが一斉に参加してきたのだ。僕らは賞金をかけられ追われる身だ。今後は今まで以上に多くのプレイヤー達から狙われることになる。僕らはお互い顔を見合わせて頷いた。これからゲーム内では協力し合うことを約束した。
「ん、ところでこれは何だ?」橅本はデスクトップの脇に置いてあったファイルを見つけると勝手に開いてしまった。「そ、それは!」僕が慌ててファイルを閉じようとすると牧田が僕の腕を抑えて静止した。牧田のセクシーショットが画面一杯に散乱した。昨日牧田がはりつけにされていたやつも入っている。今日開発に渡す約束になっていたので準備してたやつだ。僕は事情を説明しようかと思ったが、牧田はゆっくりとカバンからトンファーを取り出すと僕の喉元にそれを押し付けて「消せ!」と静かに命令した。橅本はゴミでも見るかのような目つきで僕を哀れんでいる。「すいませんでした」、僕は頭を下げて涙目で謝った。その日から僕のコードネームには惨めな変態野郎(Girls searcher)という不名誉な称号が付加された。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる