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株式会社『掃除』社員 保坂早苗
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*株式会社『掃除』社員 保坂早苗*
都内某所のとあるビルの一室。
コンクリートの冷たい床に総理大臣と官房長官は転がされていた。
地球滅亡の一日前だというのによだれを垂らして寝ている。
そんな二人を囲む男女四人。
そろそろ早苗が飲ませた睡眠薬の有効時間を過ぎて一時間が経つ。
「…ニームラ、こいつら寝すぎ。起こしてあげて」
早苗がそう言うと、新村は何も言わずに総理と官房長官の元へ行くと、数回ビンタを繰り返した。
新村は細身のわりに、執事と同時にボディーガードもこなすほど屈強なのできっと恐ろしい程痛いだろう。
目をしかめて、頬のジンジンとした痛みに耐えながら起き上がる総理と官房長官。
そこで二人はやっと自分達が縄で縛られていることに気付く。
「んんっ……キツネ…?」
官房長官が、呻く。
そう、早苗たち四人はキツネの面をかぶっている。
顔を隠さねばならないのだ。
目元を隠しながらも鼻と口は隠さず残すいまどきかぶれのような、もしくは古いお稲荷様のような印象を残す面は音子いわく「『掃除』のコンセプトにピッタリ」らしい。
二人とも起きたところで新村が二人をパイプ椅子に座らせ、さらに縄で縛った。
新村が縛り終え、音子の一歩後ろに戻る。
新村が戻り、全員が配置の位置についたところで早苗が告げる。
「リーダー、準備は整いました。初めて下さい」
リーダーと呼ばれた若く、そして線の細い男はその言葉にコクリと頷き、数歩前へ出る。
「総理殿、官房長官殿、初めまして。株式会社『掃除』のリーダーです」
そう言ったリーダーは音子に目配せすると、ニコッと笑って新村とは反対側の音子の後ろに回った。
「これからうちのキャットがお二人の悪事を分かり易く説明した動画を再生しま~す。どうぞお楽しみに~」
『キャット』と呼ばれた音子は、奥の部屋からテレビを新村に運ばせて持ってきた。
「ニームラ、そこらへんで置きなさい。丁寧に、よ」
「はい、お嬢様」
新村が置いたテレビに配線をつなぐとパッと画面がつき、『恐怖!日本を支配する総理大臣と官房長官の闇!』という見出しがドンっと出て映像が始まった。
ご丁寧な説明と共に流れていく映像はどんどん流れる。
こちらもご丁寧なことに彼らの混乱がみるみるうちに顔で赤、青、白と現れた。
度の過ぎたセクハラ行為、日本資金の横領など、二人の罪がただひたすらに浮き彫りになっていく。
そして総理と官房長官がクズである決定的な証拠となったのがこれ。
二人が某国の首相と密談している動画だ。
音声が流れだす。
『アナタタチワ本当ニ戦争二協力シテ下サルンデスカ?』
片言の日本語で「戦争に協力」という単語が発せられる。
『ええ、勿論です。全く困りません。国民を兵士にしてそちらに送ってもいい。それより、本当に後ほど御国の重要な役職に就かせていただけるんでしょうね?』
今度は総理の声だ。
画面の中の首相と二人は意地汚い笑みを浮かべて笑っている。
『ハイ、戦争ニ勝ッタ暁ニハ、ソレ相応ノ立場ト権力ヲ保障シマス』
『では構いません。早速ですが契約書を整えましょう』
まるで要らなくなった玩具を売り払うように官房長官が準備を進める。
出してきた契約書類に首相と総理と官房長官がサインした。
『アリガトウゴザイマシタ。我ガ国で正シク処理サセテ頂キマス』
『いえ、こちらこそ大変良い商談をさせて頂きました』
お互いにへこへこと頭を下げつつ首相が退場したところで映像は終了。
『掃除』のメンバーは一度見たことがあるとはいえ、相変わらず衝撃的な映像だった。
三十分間、売奴売国を筆頭に二人の悪事を垂れ流した動画は二人から精神力を根こそぎ奪っていった。
「…この動画で私を脅す気か」
「いえいえ、脅す気など毛頭ありません」
ニコニコと口元に笑みを浮かべながらリーダーは続ける。
「ただちょっとだけ、選んでもらいたいだけですよ」
音子が再びエンターキーを叩く。
テレビの画面が変わり、一機の飛行機か投影された。
機内の乗員乗客の様子が映し出される。
全員が寝ている。
「さて、この飛行機はアメリカ・ニューヨーク行き305号便です。この飛行機なんですが、我ら『掃除』がハイジャックさせて頂きました。乗っている皆さんのいる機内には気体状の睡眠導入剤で眠っています。全てはこの少女、キャットの手中でございます。」
リーダーの紹介で、音子が一歩前に出て首を垂れる。
不敵に笑う音子に官房長官が吠える。
「さっきからなんなんだ!」
リーダーが、ハッと怯むふりをしようとしてこけた。
はぁ、仕方ないなぁ…。
早苗はリーダーの元へ駆け寄り、起こした。
「もう、リーダーはお遊びが過ぎます」
「ごめん、ごめん、ちゃんとやるよ」
「よいしょっ」と言いながらリーダーは外れかけたキツネ面を直す。
「ははっ失礼しました。でも、わかりますよね。あくどい事を重ねに重ねて総理大臣と官房長官にまで登り詰めたお二人には。我らがなにをさせたいのか」
「わかる訳ないだろうが!エスパーじゃないんだよ、こっちは!」
イライラが溜まって破裂しそうな風船のような二人。
だがさらにリーダーは煽りを加える。
「ああ、そうでした。エスパーじゃないからこそ、お金にモノを言わせたんですもんね」
年相応を思わせる笑顔でリーダーが笑う。
「では、我らがお二人にして頂きたい事を発表しましょう!」
この質問の答えで沢山の人々の人生とその終点が決まる。
答える側ではないはずの早苗までドキドキしてくる。
「さて、我らは問います。もし、この飛行機と乗員乗客を我らの手中から救い出すことができるなら。あなたがたは救いますか?」
「勿論救おう。日本の国民だ」
鼻高々に語る総理。
バカみたい。
この間まで売奴交渉してたくせに。
哀れだ、早苗はそう思った。
「その言葉、噓偽りはありませんか?」
「ああ」
リーダーがにやりと笑う。
音子と新村は、この先の二人の姿からそっと目をそらす為にぐっと下を向いた。
「では、次の問いです。あなたがたの選択肢は二つです。悪事を世間にバラし、乗員乗客を助けるか。悪事を隠し、乗員乗客を見捨てるか。どちらを選びますか?」
身体がピリピリする。
自然に頬が朱に染まる。
鼓動が高鳴る。
まるで恋をしているみたいだ。
これだから、これだから『掃除』はやめられない。
二人はどちらを選ぶのだろうか?
「それは…」
「地球滅亡一日前ですよ?どちらを選んでもさして変わりありません」
「そうだが…」
「あっれ~?選べないんですかぁ~?」
「ぷくく」と、馬鹿にするように笑う。
すると、官房長官がすっと手を上げた。
「質問だ。ここにカメラは?」
「神に誓ってそんなものは置いていません」
総理と官房長官は顔を見合わせるとこくりと頷いた。
総理が人のよさそうな笑顔を浮かべて口を開いた。
「飛行機など、墜落してしまえばいい」
言葉と共に笑顔が汚くゆがむ。
隣で官房長官が満足そうに頷く。
「…残念です。日本の癌には、やはり死んでいただかないと。ね、キャット」
本当に残念そうに、リーダーが目をふせた。
が、その演技とは裏腹に、音子の名が冷たく呼ばれる。
冷たいながらも背中を押すような声に、音子が顔を上げる。
「…はい、リーダー」
音子は数秒パソコンをいじると、もう一度顔を伏せ、
「完了しました」
と呟いた。
見ていられず、早苗は思わず音子の頭を胸に抱く。
「さて、アメリカ・ニューヨーク行き305号便にお乗りの皆様!ご覧いただけましたでしょうか?これが日本の総理大臣と官房長官の本性です!電波は先程つながりました!拡散して、広めてください!」
「な、何故だ!?カメラはないって…!」
リーダーはすこぶる楽しげに笑っている。
「悪党が悪党の言う事を信じるなんてバカですねぇ」
「「ああああああああああああああ!」」
と、絶叫する総理と官房長官を放って、リーダーはクルリとカメラの方を向いた。
「以上、株式会社『掃除』でした~!」
新村がプツッとカメラのプラグを抜いた。
都内某所のとあるビルの一室。
コンクリートの冷たい床に総理大臣と官房長官は転がされていた。
地球滅亡の一日前だというのによだれを垂らして寝ている。
そんな二人を囲む男女四人。
そろそろ早苗が飲ませた睡眠薬の有効時間を過ぎて一時間が経つ。
「…ニームラ、こいつら寝すぎ。起こしてあげて」
早苗がそう言うと、新村は何も言わずに総理と官房長官の元へ行くと、数回ビンタを繰り返した。
新村は細身のわりに、執事と同時にボディーガードもこなすほど屈強なのできっと恐ろしい程痛いだろう。
目をしかめて、頬のジンジンとした痛みに耐えながら起き上がる総理と官房長官。
そこで二人はやっと自分達が縄で縛られていることに気付く。
「んんっ……キツネ…?」
官房長官が、呻く。
そう、早苗たち四人はキツネの面をかぶっている。
顔を隠さねばならないのだ。
目元を隠しながらも鼻と口は隠さず残すいまどきかぶれのような、もしくは古いお稲荷様のような印象を残す面は音子いわく「『掃除』のコンセプトにピッタリ」らしい。
二人とも起きたところで新村が二人をパイプ椅子に座らせ、さらに縄で縛った。
新村が縛り終え、音子の一歩後ろに戻る。
新村が戻り、全員が配置の位置についたところで早苗が告げる。
「リーダー、準備は整いました。初めて下さい」
リーダーと呼ばれた若く、そして線の細い男はその言葉にコクリと頷き、数歩前へ出る。
「総理殿、官房長官殿、初めまして。株式会社『掃除』のリーダーです」
そう言ったリーダーは音子に目配せすると、ニコッと笑って新村とは反対側の音子の後ろに回った。
「これからうちのキャットがお二人の悪事を分かり易く説明した動画を再生しま~す。どうぞお楽しみに~」
『キャット』と呼ばれた音子は、奥の部屋からテレビを新村に運ばせて持ってきた。
「ニームラ、そこらへんで置きなさい。丁寧に、よ」
「はい、お嬢様」
新村が置いたテレビに配線をつなぐとパッと画面がつき、『恐怖!日本を支配する総理大臣と官房長官の闇!』という見出しがドンっと出て映像が始まった。
ご丁寧な説明と共に流れていく映像はどんどん流れる。
こちらもご丁寧なことに彼らの混乱がみるみるうちに顔で赤、青、白と現れた。
度の過ぎたセクハラ行為、日本資金の横領など、二人の罪がただひたすらに浮き彫りになっていく。
そして総理と官房長官がクズである決定的な証拠となったのがこれ。
二人が某国の首相と密談している動画だ。
音声が流れだす。
『アナタタチワ本当ニ戦争二協力シテ下サルンデスカ?』
片言の日本語で「戦争に協力」という単語が発せられる。
『ええ、勿論です。全く困りません。国民を兵士にしてそちらに送ってもいい。それより、本当に後ほど御国の重要な役職に就かせていただけるんでしょうね?』
今度は総理の声だ。
画面の中の首相と二人は意地汚い笑みを浮かべて笑っている。
『ハイ、戦争ニ勝ッタ暁ニハ、ソレ相応ノ立場ト権力ヲ保障シマス』
『では構いません。早速ですが契約書を整えましょう』
まるで要らなくなった玩具を売り払うように官房長官が準備を進める。
出してきた契約書類に首相と総理と官房長官がサインした。
『アリガトウゴザイマシタ。我ガ国で正シク処理サセテ頂キマス』
『いえ、こちらこそ大変良い商談をさせて頂きました』
お互いにへこへこと頭を下げつつ首相が退場したところで映像は終了。
『掃除』のメンバーは一度見たことがあるとはいえ、相変わらず衝撃的な映像だった。
三十分間、売奴売国を筆頭に二人の悪事を垂れ流した動画は二人から精神力を根こそぎ奪っていった。
「…この動画で私を脅す気か」
「いえいえ、脅す気など毛頭ありません」
ニコニコと口元に笑みを浮かべながらリーダーは続ける。
「ただちょっとだけ、選んでもらいたいだけですよ」
音子が再びエンターキーを叩く。
テレビの画面が変わり、一機の飛行機か投影された。
機内の乗員乗客の様子が映し出される。
全員が寝ている。
「さて、この飛行機はアメリカ・ニューヨーク行き305号便です。この飛行機なんですが、我ら『掃除』がハイジャックさせて頂きました。乗っている皆さんのいる機内には気体状の睡眠導入剤で眠っています。全てはこの少女、キャットの手中でございます。」
リーダーの紹介で、音子が一歩前に出て首を垂れる。
不敵に笑う音子に官房長官が吠える。
「さっきからなんなんだ!」
リーダーが、ハッと怯むふりをしようとしてこけた。
はぁ、仕方ないなぁ…。
早苗はリーダーの元へ駆け寄り、起こした。
「もう、リーダーはお遊びが過ぎます」
「ごめん、ごめん、ちゃんとやるよ」
「よいしょっ」と言いながらリーダーは外れかけたキツネ面を直す。
「ははっ失礼しました。でも、わかりますよね。あくどい事を重ねに重ねて総理大臣と官房長官にまで登り詰めたお二人には。我らがなにをさせたいのか」
「わかる訳ないだろうが!エスパーじゃないんだよ、こっちは!」
イライラが溜まって破裂しそうな風船のような二人。
だがさらにリーダーは煽りを加える。
「ああ、そうでした。エスパーじゃないからこそ、お金にモノを言わせたんですもんね」
年相応を思わせる笑顔でリーダーが笑う。
「では、我らがお二人にして頂きたい事を発表しましょう!」
この質問の答えで沢山の人々の人生とその終点が決まる。
答える側ではないはずの早苗までドキドキしてくる。
「さて、我らは問います。もし、この飛行機と乗員乗客を我らの手中から救い出すことができるなら。あなたがたは救いますか?」
「勿論救おう。日本の国民だ」
鼻高々に語る総理。
バカみたい。
この間まで売奴交渉してたくせに。
哀れだ、早苗はそう思った。
「その言葉、噓偽りはありませんか?」
「ああ」
リーダーがにやりと笑う。
音子と新村は、この先の二人の姿からそっと目をそらす為にぐっと下を向いた。
「では、次の問いです。あなたがたの選択肢は二つです。悪事を世間にバラし、乗員乗客を助けるか。悪事を隠し、乗員乗客を見捨てるか。どちらを選びますか?」
身体がピリピリする。
自然に頬が朱に染まる。
鼓動が高鳴る。
まるで恋をしているみたいだ。
これだから、これだから『掃除』はやめられない。
二人はどちらを選ぶのだろうか?
「それは…」
「地球滅亡一日前ですよ?どちらを選んでもさして変わりありません」
「そうだが…」
「あっれ~?選べないんですかぁ~?」
「ぷくく」と、馬鹿にするように笑う。
すると、官房長官がすっと手を上げた。
「質問だ。ここにカメラは?」
「神に誓ってそんなものは置いていません」
総理と官房長官は顔を見合わせるとこくりと頷いた。
総理が人のよさそうな笑顔を浮かべて口を開いた。
「飛行機など、墜落してしまえばいい」
言葉と共に笑顔が汚くゆがむ。
隣で官房長官が満足そうに頷く。
「…残念です。日本の癌には、やはり死んでいただかないと。ね、キャット」
本当に残念そうに、リーダーが目をふせた。
が、その演技とは裏腹に、音子の名が冷たく呼ばれる。
冷たいながらも背中を押すような声に、音子が顔を上げる。
「…はい、リーダー」
音子は数秒パソコンをいじると、もう一度顔を伏せ、
「完了しました」
と呟いた。
見ていられず、早苗は思わず音子の頭を胸に抱く。
「さて、アメリカ・ニューヨーク行き305号便にお乗りの皆様!ご覧いただけましたでしょうか?これが日本の総理大臣と官房長官の本性です!電波は先程つながりました!拡散して、広めてください!」
「な、何故だ!?カメラはないって…!」
リーダーはすこぶる楽しげに笑っている。
「悪党が悪党の言う事を信じるなんてバカですねぇ」
「「ああああああああああああああ!」」
と、絶叫する総理と官房長官を放って、リーダーはクルリとカメラの方を向いた。
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新村がプツッとカメラのプラグを抜いた。
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