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36.そうだねぇ、次の金平糖が
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家に帰って、鳥に礼を行った。
鳥はその羽で俺の肩を二、三度叩くと
「よい、よい」
と言って引っ込んでいった。
どうやら風呂が沸いているらしい。
夜ご飯は外で三人で食べてきたので、沸かしてくれたんだろう。
美来は
「涙流と和で先に入っちゃって下さーい」
と、布団の準備をしに行った。
「おっ風呂!おっ風呂!」
と自作の歌を歌いながら和と風呂に向かう。
「どうした涙流、今日はやけに上機嫌だな?」
「楽しいからな!」
幸せだ。
俺は今、幸せを噛み締めている。
上機嫌のままに脱衣所で服を脱いで浴室の扉を開け放つ。
ちゃぽん、と二人で湯船に入るとけむりが一気に室内中をけむらせた。
白くなった視界がまた透明になっていき…和が現れる。
「なーる」
俺の名前が囁かれる。
「なーに、和?」
俺は和の方に手を伸ばして、頬をぶにぃーっと引っ張った。
「なる、いひゃい」
「あっはは!和変な顔ー!あはは!」
あぁ、楽しいな…。
このままずーっと楽しければいいのに。
「和~っ!」
ふふふっと笑いながら、和の顔で遊ぶ。
和は「いたいぞ!」と言いながらじたばたした。
「にゃる離せっ、やめろー!」
「んーえー?何てー?」
と言いながら俺は和の頬で遊び続ける。
和は反撃だ、と言わんばかりに俺の頬を引っ張った。
お互いに変な顔。
「ちょっといつまでも遊んでないででて下さーい」
と言う美来の登場により俺らの勝負は引き分けとなった。
大急ぎで身体と頭を洗ったあと、少し湯に浸かって風呂を出る。
着替えて歯磨きをして、手を繋いで寝室に向かった。
敷かれている布団に飛び込む。
すると続いて和が横に寝転んだ。
垂れてきた横髪を和の指が掬って、耳にかけられる。
「今日は楽しかったか、涙流?」
「うん、最っ高!」
これで潔く諦めがつく。
「…ねぇ和、大切にしてね、そのピアス」
俺が和にした、最初で最後のプレゼントだ。
「あぁ、もちろん」
和のそんな言葉に微笑むと、和は
「さぁ、明かり消すぞ」
と燭台に息を吹きかける。
これで、終わりだ。
和に、最後の「おやすみ」を言って、俺らは眠りについた。
鳥はその羽で俺の肩を二、三度叩くと
「よい、よい」
と言って引っ込んでいった。
どうやら風呂が沸いているらしい。
夜ご飯は外で三人で食べてきたので、沸かしてくれたんだろう。
美来は
「涙流と和で先に入っちゃって下さーい」
と、布団の準備をしに行った。
「おっ風呂!おっ風呂!」
と自作の歌を歌いながら和と風呂に向かう。
「どうした涙流、今日はやけに上機嫌だな?」
「楽しいからな!」
幸せだ。
俺は今、幸せを噛み締めている。
上機嫌のままに脱衣所で服を脱いで浴室の扉を開け放つ。
ちゃぽん、と二人で湯船に入るとけむりが一気に室内中をけむらせた。
白くなった視界がまた透明になっていき…和が現れる。
「なーる」
俺の名前が囁かれる。
「なーに、和?」
俺は和の方に手を伸ばして、頬をぶにぃーっと引っ張った。
「なる、いひゃい」
「あっはは!和変な顔ー!あはは!」
あぁ、楽しいな…。
このままずーっと楽しければいいのに。
「和~っ!」
ふふふっと笑いながら、和の顔で遊ぶ。
和は「いたいぞ!」と言いながらじたばたした。
「にゃる離せっ、やめろー!」
「んーえー?何てー?」
と言いながら俺は和の頬で遊び続ける。
和は反撃だ、と言わんばかりに俺の頬を引っ張った。
お互いに変な顔。
「ちょっといつまでも遊んでないででて下さーい」
と言う美来の登場により俺らの勝負は引き分けとなった。
大急ぎで身体と頭を洗ったあと、少し湯に浸かって風呂を出る。
着替えて歯磨きをして、手を繋いで寝室に向かった。
敷かれている布団に飛び込む。
すると続いて和が横に寝転んだ。
垂れてきた横髪を和の指が掬って、耳にかけられる。
「今日は楽しかったか、涙流?」
「うん、最っ高!」
これで潔く諦めがつく。
「…ねぇ和、大切にしてね、そのピアス」
俺が和にした、最初で最後のプレゼントだ。
「あぁ、もちろん」
和のそんな言葉に微笑むと、和は
「さぁ、明かり消すぞ」
と燭台に息を吹きかける。
これで、終わりだ。
和に、最後の「おやすみ」を言って、俺らは眠りについた。
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