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15.奇麗だったねぇ…。
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倒れていた俺は美来に助け起こされると、再び和と手を繋いで美呼様と向かい合った。
「それで…和はなんで僕と結婚しないの?僕らの婚約なんて小さな頃から決まってたでしょう?」
そう言う美呼様の目は和しか捉えていない。
和もまた、美呼様を睨みつけて「俺はお前とは結婚しない」と言った。
「なんで?」
「俺は愛する奴と結ばれたい」
愛する奴…。
やはりクラスの誰かだろうか。
だったらこんな所で俺を守っている場合じゃないのに。
「ふーん、そうなんだ」
美呼様が俺を見て怖い微笑みを浮かべた。
ゾクッとして和の後ろに隠れる。
…なんか、手が震える……。
「愛する奴と結ばれたい…ね…ふふっ、僕もそうだよ~?愛する人。和と結ばれたい」
美呼様は自分の胸の前で手を組んで、恋をした少女のような顔をした。
恐ろしいほど絵になる。
「…和の愛する人って、さ」
「喋るな美呼」
どうやら美呼様は和の好きな人を知っているようだ。
悪かったね、と微笑む美呼様。
次は美来に視線の先を移した。
「…君もだよね、美来?君の愛する人、和と同じ。そうでしょう?」
「ふえっ!?」
突然名前を呼ばれて、美来は慌てふためいた。
「いえっ、僕はまだ恋愛などは…!」
「何を言ってるの美来。お前ももう六百歳を越えた大人だろう?結婚を考えてもいい歳だ」
慌てる美来とニヤニヤする美呼様に和が
「あぁ美来?どういうことだ?」
と食って掛かる。
と、美呼様が急に手を叩いた。
「そうだ、美来!監視がてら二人と一緒に暮らしてよ!」
「え!?」
「はぁ!?」
「はい!?」
ちょっと意味がわからない。
が、俺らの混乱など知らず、美呼様は満足そうに頷くと
「じゃ、さっさと帰って」
と俺らを部屋から追い出した。
「えっ、えっ……な、何、もう俺よくわかんないんだけど…!?」
いきなり三人で暮らすとか、追い出されるとか…。
「おい美来…あいつが好きって…嘘だよな……?」
低い声で美来を責める和。
え、えへへっと笑って誤魔化している。
なんか俺だけ置き去りじゃん…やだな…。
「おい涙流っ、お前も俺と同じで美来と暮らすなんて嫌だよな!?」
「いや、全然いーけど…」
まじかよ、しかも即答…と残念がる和。
嬉しそうに美来が寄ってきた。
「いいんですか涙流。僕も一緒に暮らして」
コテンと首を傾げた。
可愛い…可愛すぎるよ美来!
「もちろん!」と言うと、美来は「やった!」と俺に抱きついた。
なんか弟が出来たみたいだ…。
お母さんといい、弟といい、可能性は無限大だな…。
が、和はどうやら美来が気に入らないらしく、ムスッとしている。
まぁ確かに、自分の家に居候が増えたら不機嫌にもなるかも…。
俺は和に駆け寄った。
「なぁ和、いいだろ?」
と、手を繋いで言った。と…
「痛っ!」「いてっ!」
「それで…和はなんで僕と結婚しないの?僕らの婚約なんて小さな頃から決まってたでしょう?」
そう言う美呼様の目は和しか捉えていない。
和もまた、美呼様を睨みつけて「俺はお前とは結婚しない」と言った。
「なんで?」
「俺は愛する奴と結ばれたい」
愛する奴…。
やはりクラスの誰かだろうか。
だったらこんな所で俺を守っている場合じゃないのに。
「ふーん、そうなんだ」
美呼様が俺を見て怖い微笑みを浮かべた。
ゾクッとして和の後ろに隠れる。
…なんか、手が震える……。
「愛する奴と結ばれたい…ね…ふふっ、僕もそうだよ~?愛する人。和と結ばれたい」
美呼様は自分の胸の前で手を組んで、恋をした少女のような顔をした。
恐ろしいほど絵になる。
「…和の愛する人って、さ」
「喋るな美呼」
どうやら美呼様は和の好きな人を知っているようだ。
悪かったね、と微笑む美呼様。
次は美来に視線の先を移した。
「…君もだよね、美来?君の愛する人、和と同じ。そうでしょう?」
「ふえっ!?」
突然名前を呼ばれて、美来は慌てふためいた。
「いえっ、僕はまだ恋愛などは…!」
「何を言ってるの美来。お前ももう六百歳を越えた大人だろう?結婚を考えてもいい歳だ」
慌てる美来とニヤニヤする美呼様に和が
「あぁ美来?どういうことだ?」
と食って掛かる。
と、美呼様が急に手を叩いた。
「そうだ、美来!監視がてら二人と一緒に暮らしてよ!」
「え!?」
「はぁ!?」
「はい!?」
ちょっと意味がわからない。
が、俺らの混乱など知らず、美呼様は満足そうに頷くと
「じゃ、さっさと帰って」
と俺らを部屋から追い出した。
「えっ、えっ……な、何、もう俺よくわかんないんだけど…!?」
いきなり三人で暮らすとか、追い出されるとか…。
「おい美来…あいつが好きって…嘘だよな……?」
低い声で美来を責める和。
え、えへへっと笑って誤魔化している。
なんか俺だけ置き去りじゃん…やだな…。
「おい涙流っ、お前も俺と同じで美来と暮らすなんて嫌だよな!?」
「いや、全然いーけど…」
まじかよ、しかも即答…と残念がる和。
嬉しそうに美来が寄ってきた。
「いいんですか涙流。僕も一緒に暮らして」
コテンと首を傾げた。
可愛い…可愛すぎるよ美来!
「もちろん!」と言うと、美来は「やった!」と俺に抱きついた。
なんか弟が出来たみたいだ…。
お母さんといい、弟といい、可能性は無限大だな…。
が、和はどうやら美来が気に入らないらしく、ムスッとしている。
まぁ確かに、自分の家に居候が増えたら不機嫌にもなるかも…。
俺は和に駆け寄った。
「なぁ和、いいだろ?」
と、手を繋いで言った。と…
「痛っ!」「いてっ!」
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