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4.新聞
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「っ!?」
紙には大きく『号外!学園の王子と謎の転校生が電撃結婚!?』の文字が。
うわぁ…うわぁ…!噂が広まる!嘘なのに!
その下…その下…ヘンなことは書かれてないだろうか?
いや、十分ヘンだけども!
あった!
『あぁ、はるねですか?あいつは自分では否定してますが、確実に奈良木氏にホレてますね。ぞっこんラブです。え、奈良木氏?あれは云わずもがな恋してますでしょ。婚約者て(笑)。あ、どうやら奈良木氏曰く、二人は幼馴染みなのだとか。こりゃ運命ですな。文・七草高子さん』
たーこ…!あんにゃろう…!
危険だ。このままいくと夫婦扱いでもされかねん。
ていうか下手すりゃ私が不登校になる。
たーこのかの書き方じゃ私が否定しても意味がなさそうだ。
やはりこうなったら奈良木に否定させるしか…!
するとカンカンとこの屋上へと続く梯子を登る音がした。
たーこか?いや、たーこにしては音がうるさい。
これはたーこより重い人…かなり長身の男子か?
サッ…と物陰に隠れる。
「あっ、よかった~、誰もいないや」
この声は…
「奈良木!?」
「うわぁっ!?」
しまった、声に出ていたようだ。
「えっ…おばけ?ぼ、僕おいしくないよ…!?」
いや、さすがにおばけでもお前を食べたりはしないだろ。
だがさすがに私が出ていかないとここにおばけ伝説でも出来そうだ。
「すまん奈良木、私だ」
物陰から姿を現す。
「うわぁっ!?…ってハルくんか…ってハルくん!?なんでここに!?」
「いちゃ悪いか?」
「いや、悪くないけど…」
ん?奈良木が何か持っている。
あれは…丸まった新聞?
「あっ、号外!」
奈良木に見られたら困る…。
「あぁ、コレ?はるねちゃんも見た?嬉しいよねぇ…。スクラップにしたい」
見られてた…ていうかスクラップにするほど喜ばれてる…。
なんか悪いことしてないのに罪悪感…。
「それでさぁ…この『学園の王子』ってどゆこと?」
ん~?ナンノコトカナァ?とか茶番はおいといて。
…やばい。奈良木の目が笑ってない。
「あーいやぁ…気にすることじゃ…ない…よ?奈良木には関係ないことだし…」
「いやぁ気になるじゃん?大切な人のことだし。ていうか何『奈良木』って?前みたいに『ヒーちゃん』って呼んでよ」
カツカツと奈良木が詰め寄ってくる。
踵が行き止まりのフェンスにあたった。
くそっ、これ以上下がれない!
「ねぇ、呼んでよ?」
「わ、わかった!ヒロ!ヒロって呼ぶから!それでいいだろ!?」
ダメ…か?と、そっと上をみる
奈良木…ならぬヒロが、私に覆い被さるようにフェンスに手をついている。
近い近い近い近い近い近い…!
「はぁ…はるねちゃん、それはズルいよ…」
言いながらヒロがズルズルと座り込む。
よくわからんが…セーフなのか?
「私が何かしたのか?したならすまん」
もしかして無意識のうちにスネ蹴ったりしてたか?
「いや…大丈夫。ていうか、で?学園の王子って何のことなの?」
あー、その話に戻るんですね。
「どうしても?」
「どうしても」
「絶対に?」
「絶対に」
けして譲る気のないヒロの目。
こんなしょうもないことでそんな眼力発揮すんなよ…。
「…仕方無いか…放課後体育館のステージに来い」
このままおいかけっこになるよりは…うん、仕方無い。
たーこが居なければ大丈夫なはず。
「体育館のステージ?なんで?」
キーンコーンカーンコーン…とタイミングよくチャイムが鳴る。
「ほら、チャイム鳴った!急ぐぞ!」
二人で教室に戻ってきた私たちが冷やかされたことは言うまでもない。
紙には大きく『号外!学園の王子と謎の転校生が電撃結婚!?』の文字が。
うわぁ…うわぁ…!噂が広まる!嘘なのに!
その下…その下…ヘンなことは書かれてないだろうか?
いや、十分ヘンだけども!
あった!
『あぁ、はるねですか?あいつは自分では否定してますが、確実に奈良木氏にホレてますね。ぞっこんラブです。え、奈良木氏?あれは云わずもがな恋してますでしょ。婚約者て(笑)。あ、どうやら奈良木氏曰く、二人は幼馴染みなのだとか。こりゃ運命ですな。文・七草高子さん』
たーこ…!あんにゃろう…!
危険だ。このままいくと夫婦扱いでもされかねん。
ていうか下手すりゃ私が不登校になる。
たーこのかの書き方じゃ私が否定しても意味がなさそうだ。
やはりこうなったら奈良木に否定させるしか…!
するとカンカンとこの屋上へと続く梯子を登る音がした。
たーこか?いや、たーこにしては音がうるさい。
これはたーこより重い人…かなり長身の男子か?
サッ…と物陰に隠れる。
「あっ、よかった~、誰もいないや」
この声は…
「奈良木!?」
「うわぁっ!?」
しまった、声に出ていたようだ。
「えっ…おばけ?ぼ、僕おいしくないよ…!?」
いや、さすがにおばけでもお前を食べたりはしないだろ。
だがさすがに私が出ていかないとここにおばけ伝説でも出来そうだ。
「すまん奈良木、私だ」
物陰から姿を現す。
「うわぁっ!?…ってハルくんか…ってハルくん!?なんでここに!?」
「いちゃ悪いか?」
「いや、悪くないけど…」
ん?奈良木が何か持っている。
あれは…丸まった新聞?
「あっ、号外!」
奈良木に見られたら困る…。
「あぁ、コレ?はるねちゃんも見た?嬉しいよねぇ…。スクラップにしたい」
見られてた…ていうかスクラップにするほど喜ばれてる…。
なんか悪いことしてないのに罪悪感…。
「それでさぁ…この『学園の王子』ってどゆこと?」
ん~?ナンノコトカナァ?とか茶番はおいといて。
…やばい。奈良木の目が笑ってない。
「あーいやぁ…気にすることじゃ…ない…よ?奈良木には関係ないことだし…」
「いやぁ気になるじゃん?大切な人のことだし。ていうか何『奈良木』って?前みたいに『ヒーちゃん』って呼んでよ」
カツカツと奈良木が詰め寄ってくる。
踵が行き止まりのフェンスにあたった。
くそっ、これ以上下がれない!
「ねぇ、呼んでよ?」
「わ、わかった!ヒロ!ヒロって呼ぶから!それでいいだろ!?」
ダメ…か?と、そっと上をみる
奈良木…ならぬヒロが、私に覆い被さるようにフェンスに手をついている。
近い近い近い近い近い近い…!
「はぁ…はるねちゃん、それはズルいよ…」
言いながらヒロがズルズルと座り込む。
よくわからんが…セーフなのか?
「私が何かしたのか?したならすまん」
もしかして無意識のうちにスネ蹴ったりしてたか?
「いや…大丈夫。ていうか、で?学園の王子って何のことなの?」
あー、その話に戻るんですね。
「どうしても?」
「どうしても」
「絶対に?」
「絶対に」
けして譲る気のないヒロの目。
こんなしょうもないことでそんな眼力発揮すんなよ…。
「…仕方無いか…放課後体育館のステージに来い」
このままおいかけっこになるよりは…うん、仕方無い。
たーこが居なければ大丈夫なはず。
「体育館のステージ?なんで?」
キーンコーンカーンコーン…とタイミングよくチャイムが鳴る。
「ほら、チャイム鳴った!急ぐぞ!」
二人で教室に戻ってきた私たちが冷やかされたことは言うまでもない。
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