これが私のBL生活!

三月 深

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19、エスコート

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確かに私は前島先生と協力して、五人を売ったよ?

でもさ、よりによって前島先生からかの仕打ちはないんじゃない?

「門野~!早くしろよ~!」

あ、賢斗が呼んでる。

いかなきゃ。

…行きたくないなぁ!

何故こうなっているかというと…。





遡ること二十分前。

ミスタコンの選手控え室に私たちは来ていた。

五人はもうお揃いの衣装を着ていて、準備バッチリだ。

エスコート役の優と広樹は、彦根に優、弘貴に広樹が付く。

賢斗のエスコート役は前島先生が連れてくるらしい…のだが…。

あの先生に任せたら絶対にろくなことがない!

ていうかあの先生に任してろくなことがあった試しがない!

さてはて、どうなることやら…。

「門野ごめん、ちよっと腰のリボン緩めて貰っても良い?」
「あ、はいはい」

私が弘貴のリボンを結びなおしているうちに、皆もどんどん自己流に着崩していく。

うん、カッコいいからよし!

突然にガラッとドアが開く。

「皆!準備は出来たか?」

前島先生だ。

「完璧です。あとは賢斗のエスコート役を先生が連れてきてくれればいいので」

「はぁ」とため息をつきながら言うと、前島先生は「ん?」と変な顔をした。

「何言ってんだ?賢斗のエスコート役はいるじゃないか」

何を言っているんだこの人は。

この場に透明人間がいるって言うのか。

…まさか先生が?

「ほら!門野も早く着替えて!!」

時計を気にして早くしろと目で訴える先生。

わけがわからない。

「何で私が着替えるんですか?」

頭を抱える先生。

呆れたように「ふぅ…」と息をつきながら先生は私を指さした。

「お前も出るからだよ!賢斗のエスコート役は門野!」

『ケントノエスコートヤクハカドノ!』…?

何言ってんだ?


「…はぁ!?」
「はいはい着替えて~!」

衣装と一緒に着替え用の小スペースに押し込まれる。

「ちょっとミスタコンの係で女の子来てもらえる~?」

薄っぺらい壁越しに先生の声が聞こえる。

「はいはい、いかがいたしました?」
「ちょっとこれこれこういうことでね…」
「わかりました」

ん?ずかずかと女の人が近付いてくる音がする。

ついには小スペースまで入ってきよった!!

「えっ?ちょっ!あの…」
「ミスタコン開始まで時間無いので巻きでいきましょうか~!」

…え?

女の人の指がするすると体に伸びる。

「あっ!ちょっ、くすぐったい!ひゃっ!そこはっ!やめっ、んやっ!」

あっという間に服を剥ぎ取られる。

くすぐったい!!!

どうしても変な声が出てしまう。

ズボンを履いてる間にワイシャツとベストを着せられ、ネクタイを締めてもらう。

最後に髪を少しだけいじったらオーケーだ。

「前島先生~!出来ました~!」

女の人がそう言って私を押し出した。

その時、ニヤニヤと笑っている先生に酷くムカついたのと、顔を赤くしている五人を見てすごく恥ずかしかったのを覚えている。
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