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Lv.3『提出期限』

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私は委員長だ。このクラスの提出物を集めて担任の中村先生に提出しなきゃいけないのに、このクラスは未提出者が多くて困る。たとえば、私から廊下側にななめ3つ先の席のマイ。まったく提出してこない。今日出せって言ったのに…。マイと仲の良いシュウだってノートちゃんと提出してた…はず。うん、やっぱり提出してる。なんか…マイの絵ばっかりだけど。

俺にはしなければならないことがある。それはマイの提出ノートを提出させることだ。マイは出来てるって言ってるが、絶対あり得ない。あいつが提出物を終わらせる訳がない。ていうかこの間頭良いシオリに見せてもらおうとしてたろ?あいつは確かに俺の元カノのアヤネの親友だからって…そううまくはいかないだろ。アヤネは俺のななめ前の席だけど…今でもギスギスしてるし。

私は頭良いってよく言われるけど、本当に頭良いのはアヤネ。男の趣味は悪いけどね。昔シュウと付き合ってたって聞いたときはびっくりした。だってあいつ、後ろの席のマイと授業中も休み時間もずっとイチャイチャしてるんだもん。よりによってあんなやつと付き合ってたなんて…。やっぱりアヤネと仲良くなって正解。アヤネはまだ私を親友だと思ってるけど…アヤネは私が貰うから。

僕は宣言する。絶対にノートを提出しません!何故かっつうと、僕のノートはシュウでいっぱいだから。僕の趣味は絵を描くこと。だからノートはシュウの絵でいっぱい。シュウを描くとどうしてもシュウの元カノのアヤネが目に入るけど、アヤネのことはシオリがギラギラした目で右ななめ前の席から狙ってるし大丈夫でしょ。それより怖いのはミサ。あいつ委員長だからって僕のこと睨みすぎ。中村先生の一番近くの席からノートを狙ってる。おぉ、怖い。

※この彼、彼女は計四人です。
一区切りずつのセリフも、一人一人が話しているものです。
同一人物であることはあり得ません。
席順は以下の通りです。
この世界の如何なる恋愛、友情も許された世界でのお話です。
また、中村先生は教壇に居ることが前提です。
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