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転機
第百六話 ひとりずつ
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「ずるぅぅぅい」
そう言いながら拗ねてしまったのはレストだった。
「み、みんなともこれから行こうと思ってるから…ね?」
オレとイレーナが早くに用事を済ませ戻って来て、二人でデートに出掛けてしまってしまったのが気に入らなかった様子だ。
「じゃあ、最初はレストね!?」
「ああ。そうしよう」
食事の準備をしながら、キッチンの正面にある椅子に座りながらレストは話している。
「次はボクね!」
その後ろから、流石の聴力かと思わせるようにシアンが名乗り出る。
「うん。じゃあ、この前と同じように順番でデートしよ?」
「「はーい」」
オレと出掛けたいと言ってくれるくらいに、オセロ人気は収まりつつあるようだ。
デートの相談をしていると、他のみんなも行きたい場所を話し合っているように聞こえた。それを聞いて、オレも自分の行きたい所やこの街でやっておくことを考えておこうと思った。
──。
それから、食事をして風呂に入りみんなと雑談をしてから、いつも通りに眠ることになった。
ベッドに一人でいるのが、随分久しぶりに感じる。
少しだけの疲労を感じながら、まったりとした時間のせいからかうとうとし始めていると、部屋の扉が開かれた。
「お邪魔するのじゃ」
「ユリア…?」
「となりに行っても?」
「ああ、もちろん」
イレーナやユリアと一緒に寝ることは、オレの中で違和感や緊張を生むことが無くなってきていて、自分の変化を教えられているようだった。
掛け布団を持ちあげられ、ひんやりとした空気に目を覚まされるような感覚を覚えていると、温もりを感じて再び布団の温かさに感謝する。
「どうしたの?」
「最近、別々だったのじゃ。たまには余も一緒がいいですじゃ」
そう言われると、ヨーファとカフィンが来てからユリアはどこか遠慮しているような感じだったかもしれない。
一度だけ大変なことになってはいたが、あれも少しの間だけだったしな。
「寂しかったかな…?」
「そんなことは無いのじゃ、信希さまもイレーナと一緒に居たいと思うことはないのかの?」
「ん、ん-…」
「そういうことですじゃ」
つまり、ユリアは寂しかったわけじゃなくて、今日は一緒に寝たいから来たといった感じなのか…?
「それに、信希さまも覚悟を決められたようじゃしの」
「覚悟って?」
「……」
ユリアは何も言わずに、体を密着させてオレの体温を上げていく。
「二人が居なくなって、寂しいかと思ったのですじゃ」
「あ…」
そういうことか…。
確かに寂しくはなっている…。だけど、今一緒に居るみんなですら本当に守っていけるのか疑問の残るところだ。
それに、自分が選んで決めたことだ。でもここは素直に甘えておこう…。
「ユリア、ありがとう」
「余も一緒が良いから構わないですじゃ」
「ユリアはデートで何かしたいこととか、行きたいところはある?」
「特にないのじゃ、信希さまの好きなものを教えてほしいのじゃ」
彼女は一切の迷いも無いようにそう告げてくる。
「そっか、ユリアとのデートは少し先だけど、何か考えておくよ」
「楽しみにしてますじゃ」
もう彼女の表情を見なくても、今笑っているんだろうなと想像できるくらいに、ユリアの考えていることや感じていることがその声音で分かるようになっていた。
そういえば、ユリアの好きな物をあまり知らないな…。
「何か欲しいものとかないの?」
「ん-…強いて言うなら信希さまの血ですじゃ」
「ん…いいよ?」
普段からみんなと同じ食事をしているし、ユリアが吸血鬼だということを忘れてしまう…。
彼女が望んでいるので、自分の首筋を広く見せて嚙んでもいいよと促していく。
「じゃあ失礼するのじゃ」
「……」
てっきり噛まれると思っていたのだが、彼女はオレの首にキスしたり舐めたり吸ったりしている…。
どうしてこうなった…?
「あのー、ユリアさん?」
「あむ」
話を聞いてくれるつもりもないみたいだ。
「初めて会った時のことを考えていたですじゃ」
「そういえば、襲われたのがユリアとの出会いだったね」
「完全なる不意打ちでも自分のものに出来なかったのに、今はこうすることも許されているのは、ちょっと不思議な感覚ですじゃ」
「ははっ、それもそうだね」
一向に血を吸うつもりは無いのかと思っていると、そんなことを言いだすのでどうしたものかと考えてしまう。
「ゆ、ユリア…?血はいいの?」
「……」
一体どうしたんだろうか…?
「信希さま…」
「ん?」
「余たちはずっとお傍に置いてもらえるのかの…?」
「え?どういうこと…?」
「メイドのユフィは戻されたのじゃろ…?」
そのことか…。みんなに詳しく説明していたわけじゃなかったな。
どう伝えたものかと思案していると、それは突然やってきた──
「信希さま!お慕い申しておりますじゃ。奴隷で構いません、余をずっとお傍に…」
「ユリア…」
彼女の言葉と抱き着いて震える小さな体に、自分の中で何かが切れるような感覚を覚えた。
「んんっ!!」
自分の口の中を噛み、首を噛まれている時よりも強い痛みに耐えながら、彼女の口の中に血液を流し込んでいく。
「ユリア、オレはみんなのことが好きだし、離れ離れになるなんて考えられないよ…」
「お、お許しを…」
血を吸っている時、彼女にどんな効果があったのかなんて、今のオレには考えている余裕はなかった。
いつもとは違うキスの味がいつも通りに戻るまで、自分の欲望を彼女に押し付けてこれでもかと自分の愛を伝える。
「こんなことが出来るのはユリアにだけだよ」
「……信希さま…」
それから、自分たちがどういうことになったのか分からなくなってしまうほどに互いを求めあった。
──。
そう言いながら拗ねてしまったのはレストだった。
「み、みんなともこれから行こうと思ってるから…ね?」
オレとイレーナが早くに用事を済ませ戻って来て、二人でデートに出掛けてしまってしまったのが気に入らなかった様子だ。
「じゃあ、最初はレストね!?」
「ああ。そうしよう」
食事の準備をしながら、キッチンの正面にある椅子に座りながらレストは話している。
「次はボクね!」
その後ろから、流石の聴力かと思わせるようにシアンが名乗り出る。
「うん。じゃあ、この前と同じように順番でデートしよ?」
「「はーい」」
オレと出掛けたいと言ってくれるくらいに、オセロ人気は収まりつつあるようだ。
デートの相談をしていると、他のみんなも行きたい場所を話し合っているように聞こえた。それを聞いて、オレも自分の行きたい所やこの街でやっておくことを考えておこうと思った。
──。
それから、食事をして風呂に入りみんなと雑談をしてから、いつも通りに眠ることになった。
ベッドに一人でいるのが、随分久しぶりに感じる。
少しだけの疲労を感じながら、まったりとした時間のせいからかうとうとし始めていると、部屋の扉が開かれた。
「お邪魔するのじゃ」
「ユリア…?」
「となりに行っても?」
「ああ、もちろん」
イレーナやユリアと一緒に寝ることは、オレの中で違和感や緊張を生むことが無くなってきていて、自分の変化を教えられているようだった。
掛け布団を持ちあげられ、ひんやりとした空気に目を覚まされるような感覚を覚えていると、温もりを感じて再び布団の温かさに感謝する。
「どうしたの?」
「最近、別々だったのじゃ。たまには余も一緒がいいですじゃ」
そう言われると、ヨーファとカフィンが来てからユリアはどこか遠慮しているような感じだったかもしれない。
一度だけ大変なことになってはいたが、あれも少しの間だけだったしな。
「寂しかったかな…?」
「そんなことは無いのじゃ、信希さまもイレーナと一緒に居たいと思うことはないのかの?」
「ん、ん-…」
「そういうことですじゃ」
つまり、ユリアは寂しかったわけじゃなくて、今日は一緒に寝たいから来たといった感じなのか…?
「それに、信希さまも覚悟を決められたようじゃしの」
「覚悟って?」
「……」
ユリアは何も言わずに、体を密着させてオレの体温を上げていく。
「二人が居なくなって、寂しいかと思ったのですじゃ」
「あ…」
そういうことか…。
確かに寂しくはなっている…。だけど、今一緒に居るみんなですら本当に守っていけるのか疑問の残るところだ。
それに、自分が選んで決めたことだ。でもここは素直に甘えておこう…。
「ユリア、ありがとう」
「余も一緒が良いから構わないですじゃ」
「ユリアはデートで何かしたいこととか、行きたいところはある?」
「特にないのじゃ、信希さまの好きなものを教えてほしいのじゃ」
彼女は一切の迷いも無いようにそう告げてくる。
「そっか、ユリアとのデートは少し先だけど、何か考えておくよ」
「楽しみにしてますじゃ」
もう彼女の表情を見なくても、今笑っているんだろうなと想像できるくらいに、ユリアの考えていることや感じていることがその声音で分かるようになっていた。
そういえば、ユリアの好きな物をあまり知らないな…。
「何か欲しいものとかないの?」
「ん-…強いて言うなら信希さまの血ですじゃ」
「ん…いいよ?」
普段からみんなと同じ食事をしているし、ユリアが吸血鬼だということを忘れてしまう…。
彼女が望んでいるので、自分の首筋を広く見せて嚙んでもいいよと促していく。
「じゃあ失礼するのじゃ」
「……」
てっきり噛まれると思っていたのだが、彼女はオレの首にキスしたり舐めたり吸ったりしている…。
どうしてこうなった…?
「あのー、ユリアさん?」
「あむ」
話を聞いてくれるつもりもないみたいだ。
「初めて会った時のことを考えていたですじゃ」
「そういえば、襲われたのがユリアとの出会いだったね」
「完全なる不意打ちでも自分のものに出来なかったのに、今はこうすることも許されているのは、ちょっと不思議な感覚ですじゃ」
「ははっ、それもそうだね」
一向に血を吸うつもりは無いのかと思っていると、そんなことを言いだすのでどうしたものかと考えてしまう。
「ゆ、ユリア…?血はいいの?」
「……」
一体どうしたんだろうか…?
「信希さま…」
「ん?」
「余たちはずっとお傍に置いてもらえるのかの…?」
「え?どういうこと…?」
「メイドのユフィは戻されたのじゃろ…?」
そのことか…。みんなに詳しく説明していたわけじゃなかったな。
どう伝えたものかと思案していると、それは突然やってきた──
「信希さま!お慕い申しておりますじゃ。奴隷で構いません、余をずっとお傍に…」
「ユリア…」
彼女の言葉と抱き着いて震える小さな体に、自分の中で何かが切れるような感覚を覚えた。
「んんっ!!」
自分の口の中を噛み、首を噛まれている時よりも強い痛みに耐えながら、彼女の口の中に血液を流し込んでいく。
「ユリア、オレはみんなのことが好きだし、離れ離れになるなんて考えられないよ…」
「お、お許しを…」
血を吸っている時、彼女にどんな効果があったのかなんて、今のオレには考えている余裕はなかった。
いつもとは違うキスの味がいつも通りに戻るまで、自分の欲望を彼女に押し付けてこれでもかと自分の愛を伝える。
「こんなことが出来るのはユリアにだけだよ」
「……信希さま…」
それから、自分たちがどういうことになったのか分からなくなってしまうほどに互いを求めあった。
──。
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