女性経験なしのオレ、夢に見たケモミミ様の居る世界へ転移、神にすらなれる能力をもらっていたみたいだけど、ケモミミハーレムを作ることにします。

たんぐ

文字の大きさ
上 下
102 / 127
転機

第百二話 子供たちとお出かけⅢ

しおりを挟む
 食堂に入り、それぞれが欲しいものを注文していく。

 ユフィは近くで待機していると言い、オレの席の後ろで立っていようとしたので、一緒に食べるように命令してしまった…。



「ん-!おいしい!」

「まさき兄ちゃん、これおいしいね!」



「そうか、楽しんでもらえたのなら何より」

「お酒もおいしい!」



 注文して話をしていると、すぐに料理は出てきた。

 それぞれが食事を楽しみ、ポミナはいつも通りお酒と食事をもりもり飲み食いしていた。本当に小さな体なのによく食べるよな…。その割には太っているわけじゃないし、獣人種がそもそも消費カロリーや代謝がいいのかもしれないとすら思ってしまう。



「信希さま、次はどこに行かれるのかの?なにやら用事があるとか言っておった気もするのじゃ」

「そうだね、少しアクセサリーを見たいなって思ってる」



「アクセサリー?何か特別なことでもあったかの?」

「ちょっと作りたいものがあってね」



「アクセサリーでしたら、すぐ近くの商会で取り扱っていますよ」

「じゃあそこに行ってみよう」



 オレとユリアの会話の内容を聞き、ユフィがすぐに教えてくれる。



「まぁ、急ぐわけじゃないし、時間もあるからここでしばらくゆっくりしよう?」

「「はーい」」



 そうしてしばらくの間、食堂の中で食事やデザートを楽しみつつ色々な話をして楽しんだ。



 ──。



 四人と子供二人にしては多い昼食代を支払い、オレたちは次の店に向かうことにした。



「何買うのー?」

「ん-、目当てのものがあればいいんだけど」

「…?」



 目当てのものと言っても特別な物を探しているわけじゃないから、ヨーファとカフィンに渡せるものがあれば良い。

 プレゼントという体で、二人のことを守れる魔法具を付けておければいいと考えている。だから、日常的に付けていても違和感なく、邪魔にならないようなものを探そうと思っている。

 そんな魔法具を作れるかも分からないし、アクセサリーの加工も出来るか分からないから…、一応だけど完成するまで秘密にしておこう。



「わかった!お姉ちゃんたちにプレゼントでしょ!?」

「あえっ!?」



 驚きすぎてとんでもない声が出てしまった。

 たしかにこれだけの女性と一緒に居て、これまでにアクセサリーなんてプレゼントしたことなんてなかった。そして、カフィンもオレたちが仲が良くて結婚するかもしれないというところまで知っている…。

 導き出される答えは──。



「ソ、ソウダネ…ミンナニプレゼントダヨ…」

「やっぱりぃ!」



 こんなに嬉しそうに喜んでいる子供を前に、否定することなんてできなくなってしまう…。オレは引くに引けない状況になっていく。

 つまり、誰かにアクセサリーを買うことは確定したわけで、そして一人だけにプレゼントすることなんて当然出来るわけもなくて、だから必然的に全員分のアクセサリーを購入することが決まったということだ…。



「あっ──」

「どうしたの?」



「ううん。良い物があればいいなと思っただけ」

「早く行こっ!?」



 そうしてオレたちは食事をした店から歩いて数分の所にある、宝石やアクセサリーを取り扱っている店にやってきた。

 店の中は綺麗で厳かな感じだった、自分たちの一行がここに来るには少しだけ場違いだなと思わされた。



「ヨーファ、カフィン?ここでは騒いだらダメだよ?ちゃんといい子にしてたら晩御飯にお肉たっぷりのご飯を作るからね?」

「わかった!」

「うんっ!いい子にしてる!」



 それからも二人はオレの側を離れずに、この店がどういったところなのかを理解しているみたいにオレの望んでいる通りに行動してくれた。



「信希さま?あまり無理をなさる必要はないのじゃ」

「ん?何のこと?」



「カフィンの言葉で後に引けなくなっておるのでは?」

「あ、あー、大丈夫だよ。それから、そろそろちゃんとしないといけないと思っていたし、むしろ都合がいいっていうか」

「むむ…?」



 ユリアはオレが何を言っているのか理解できない様子だ。

 だけど、今はこれでいい。変にユリアだけ知っているのもおかしいし、まだ自分の中で答えを出せているわけでもないからな。



「カフィンが買うとしたら、どんなのが欲しい?」

「んー…。難しい…」



「そうだよね、可愛いのとカッコイイのだったら?」

「可愛いのがいい!」



「ヨーファは?」

「カッコイイのかな…」



 一応だけど確認して欲しいものがないか確認してみるが、この子たちには難しい質問だったかもしれない。

 自分の親たちが日常的に身に付けたり、こういうお店に来ていないと興味すら持っていない年頃だからな。



 オレは二人が身に付けていてもおかしくない程度のネックレスを二つ購入することにした。

 ヨーファのために選んだ物は、カッコイイ鳥のような細工が施されているネックレスを。

 カフィンには、目立ちすぎないくらいの小さな花をあしらった飾りが繋がれているネックレスを。



「うん。これにしよう」

「これだけ?」



「ああ。みんなのやつは注文しようと思ってるんだ」

「ここにあるのじゃダメなの?」



「ダメじゃないけど、せっかくならお揃いの方が良くない?」

「よく分かんない…」



「ははっ、そっか。カフィンももうちょっと大きくなると分かるかもね」

「むぅ…」



 オレの言っている意味が分からないのが悔しいのか、小さな頬を膨らませているカフィンはとても可愛らしい。



「じゃあ買ってくるね」

「はーい」



 カフィンはこの店にどんなものがあるのか見ているようだった。



「ここってアクセサリーの注文とかもできるかな?」

「出来ますよ。加工場の状況にもよりますから、かなり時間を頂戴することになるかもしれませんが…」



「うん。それなら問題ないね、サイズは全部一緒でいいから、この世界でそこそこ価値のある金属で指輪をお揃いで九つ作ってくれ」

「九つですね、かしこまりました。一応見本になりそうなのはこのあたりですが」



 店員がそう言いながら、ショーケースに並んでいる高価な指輪を勧めてくる。



「なるほど、ここにある物なら作れるってことかな?」

「ええ、その通りです」



 並べられているものは結婚用の物が多く、オレが望んでいる物に近いものだった。

 その中には、元居た世界でも見たことの無いような装飾品が並んでいる。金属であるのはすぐに理解できるのに、本体の色のせいで全くの別物に見えるのだから不思議だ。



「じゃあ、この青みがかっているやつにしてくれる?」

「かしこまりました。こちらでしたら、二週間ほどで作れると思います」



「うん、分かったよ。代金も先に渡しておくね?」

「かしこまりました。証明書を発行しますので、二週間後に受付で渡してもらえればすぐにお渡しできるように準備しておきます」



「うん。ありがとうね」



 一応これでこの日に予定していた用事は全部終わった。



「他に行きたいところはない?」

「お酒ぇ…」



「はいはい、まだ残ってるから」



 ポミナはお酒を飲んではいるけど、出会った頃のように泥酔することは少くなった。助かっているのかは微妙だけど…。でも、この世界での少ない楽しみを奪うのは良くないよな。体調のことも心配だが…。



「余は特にないのじゃ、強いて言うならご飯の買い出しかの?」

「そうだね、今日の晩飯の分も買っておこう」



 大人しくなっていたヨーファとカフィンを見ると、少しだけ眠たそうにしていた。



「眠い?」

「う、うぅん?」



 静かな店内で大人しくするように言われて、その前にはご飯も食べているし眠たくなるのはしょうがないよな。



「一旦馬車に戻ろうか、それから買い出しに行こう」

「それがよいのじゃ」



 そして、一度馬車に戻ってから子供たちをみんなに任せて、オレたちは食材の買い出しにいくことになった。



 ──。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...