女性経験なしのオレ、夢に見たケモミミ様の居る世界へ転移、神にすらなれる能力をもらっていたみたいだけど、ケモミミハーレムを作ることにします。

たんぐ

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今とこれからと

第六十七話 神と呼ばれる者

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 神を召喚させる儀式は成功した。

 だが、オレにとってはそんなことはどうだっていい。正直な話をすれば、彼女たちの安否だけが心配だったからだ。

 ミィズとロンドゥナは消耗はしているものの、活動には問題ない程度だと言っていた。だが、一番の大役をこなしていたイレーナはそういうわけにもいかず、儀式が終わると同時に倒れてしまいそうだった。

 あの時彼女を支えるのが間に合わなかったらと思うとゾッとする…。

 これまでに作ってきた魔法具と、魔力に関する知識があったので少しだけはイレーナを楽にすることが出来てるとはいえ、やはり心配なのは変わらない。



「できるだけ話を早く終わらせてイレーナの所へ戻ってくるからな」



 すでに眠ってしまっている彼女にそう告げて、オレは彼女をこんなにしたやつらの所へ向かっていく。

 もしも、やつらが舐めたことを言ったりしてみろ…。オレは本当に容赦しないぞ。



「信希、こちらに案内させてもらった。信希もこちらへ」

「ああ、ありがとう」



 ミィズが手早くダイニングへと案内してくれているようだったので、オレは彼女の言葉通りに席に着くことにした。



「それで、彼女たちの言葉に従っていたけど、オレに用があるのか。会う必要があると聞いている。そのあたりはどうなんだ?」



「その通りだ。我々の目的は其方をこの世界へ転移させて、我々の目的と役目を果たしてほしいからだ」



「魔法神よ、まずは自己紹介からだ。林信希殿、私が創造神だ」

「そうですね、申し訳ない。私は魔法神」

「我が大陸神になる」



「知っているかも知れないが、オレは林信希だ。それは、彼女たちが言っていた御使いとやらなのか?」

「その通りだ。我々が信希殿に会うためにはもう少し長い期間が必要になると思っていたのだが、こうもあっさり彼女たちを集めてしまうなんて思いもしなかった」



「集めた…?」

「その通り。我々の使いには神に近しい存在を集めてしまう能力が備わっている」



「オレと一緒に居たいと言ってたのは彼女たちの意思ではない…とか?」

「いや、それは違うな。信希殿が出鱈目な性格であれば、そもそも我らとも会うことすらできない」



「それはよかった…」



 オレ自身に与えられた能力で、彼女たちが一緒に居てくれているのであればオレは傷つくだけでは済みそうになかったから…。それだけは本当によかった。

 そして、その女性たちだが、オレと神たちが話しているのを真剣に聞いているみたいだった。特に何かを言うわけでもなく、神に結構な口のきき方をしているオレに注意することもなく…。



「で…役目ってのは?」

「それが本題だな」



「信希殿、あなたには我々と並び神になってほしい」



「…は?」



 こいつは何を言っているんだろうか。

 オレが神になる?なぜ?普通に面倒なんですけど。ケモミミ様と居られなくなっちゃうんじゃないの?



「神になるために必要になることが多くあってな。そのために必要なことを今日伝えたいと思っている」



「いやなんだけど」

「…え?」



「だから、神になんてなりたくないって言ってるの」

「ちょ、ちょっと待ってくれっ──」



「あなたたちが居るじゃん。オレは必要ないでしょ?普通に面倒くさいし嫌だよ」

「そ、創造神…あなたからもなんとか…」



「信希殿…、まず我らの望みを聞いてくれないか?」

「どうして?面倒ごとを押し付けられそうになってるのに聞くわけないじゃん」



「お主の好きな獣人たちが居る世界へ転移させた報酬が、我々話を聞くというのはどうだろうか?」

「ぐっ…やりおる…。それならしょうがない、でも聞くだけだ。了解するわけじゃない」



「もちろんだ。我らの望みはいくつかある。先ほども言った神になってほしいというのは、この世界の人口増加が顕著になって我々だけでは手が足りなくなってきているからだ」

「なるほど」



 それって忙しいってことじゃん。どんどん嫌になっていくんだけど…。



「次に、信希には神になって一つの大陸の管理をしてもらいたい」

「大陸の管理ってのは?」



「我ら神とされる者たちはそれぞれに大陸を管理する役目がある。祈りを捧げる者たちの願いを叶えたり、災害や厄災を未然に教えたりといった感じで、その大陸の命を救うことに注力するのが主になる」

「なるほどね」



 うーわ。どんどん面倒になってくるぞ…。その祈りを捧げるっていう人物がケモミミ様ならいざ知らず…。どうせ人間だろ?そんなのごめんなんだけど。可愛くないし…。



「加えてもう一つ。信希殿の目でこの世界を見て回ってほしい。そのうえで神としてどう立ち振る舞うか決めてほしい、といったのが我らの望みになる」

「なるほど…」



「どうだろうか?今すぐにというわけではないのだが」

「正直断りたいんだけど?どうしてオレじゃなきゃダメなの?この世界で他の立派な人間にお願いすればいいじゃん」



「そういうわけにもいかない。信希殿ほどに適性のある者は、この世界で見つけることなんてできないだろう」

「適正って?」



「そもそもこの世界に住む人間たちは、満足に魔法も使うこともできないのだ」

「あんたらが教育するわけにはいかないのか?オレが教えたらイレーナ…一緒に居る白狐人族の女性は魔法を使えたぞ?」



「彼女たちは特別だよ。我らに近い存在『神に近しい者』として、人間よりも強い力を持っている」

「確かに?それもそうだな…。じゃあオレが元居た世界から、オレと同じように連れて来ればいいじゃん?オレくらいの人間だったらいっぱい居たろ?」



「それも考えは出来るが…、ここでもおぬしほどの適正持ちはいないのだ」

「本当か?出鱈目言ってるでしょ」



「お主のその根本にある『優しさ』の部分は我らにも劣らない。そのうえでこの世界に来たばかりで、あっという間に魔法を習得して既に幾度も人間や獣人の窮地を救っている。これこそが我らの言っている適正や才能の部分でもある」



 だんだんと断れない雰囲気を感じてくる…。オレの中の危険度センサーはマックスで危険信号を送り続けている。



「ちょっと待ってくれ。あなたたちにも望みがあるだろうけど、もちろんオレにも望みがある。もしもこの望みをかなえることが出来ないならオレは神になんてなることは出来ないよ」

「望みか…うむ。聞こう」



 ──。
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