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王都
第二十七話 女性陣の密会Ⅱ 閑話(インターミッション)
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「それでユリアさん、お昼頃に言ってたのはどうでした?」
「ああ、間違いないのじゃ。どこぞの馬の骨が嗅ぎまわっておる」
「ふむ、やはりか。大方フォレストバジリスクの件しかないじゃろうが」
「そうですね…。ワタシが感じたのは『殺意』ではなく『観察』の様な感覚だったのですが、どう感じました?」
「うむ、間違いないじゃろう。余も同じ意見じゃ」
「信希が狙われてるの?」
「やっつけるぅ?」
「シアンさんとレストさんとポミナさんにも知っておいてもらいましょう。この国に来て、信希がフォレストバジリスクの討伐をしてから誰かが『信希のことを嗅ぎまわって』います。でも、敵意のようではないですし、信希だったら襲われても平気かもしれませんが、ワタシたちが標的になった時には対処できなくなるかもしれないので、みんなで対策を考えていたんです」
「むむぅぅ…」
「そ、そんなことに…」
「誰だかわからないのぉ?」
「それなりの手練れのようですので、専門で仕事をしている人か魔法関係の能力持ちかもしれないです」
「難しいものよな、下手に手を出せば国と事を構えることになるかもしれん」
「国…ミィズさんは、その説があり得ると思いますか?」
「十分にな」
ワタシたちだけで、この問題を解決できるだろうか…。信希に相談した方がよさそうだけど、信希はワタシたちのことになると暴走してしまう可能性が高い…。
もしも、そんなことになったら人間である信希は、この世界で生き辛くなってしまう。
「どうしましょう…」
「イレーナが悩むとは珍しいのじゃ」
「対処は出来ますけど、どれも信希が生きにくくなるのではないかと…」
「確かにな、信希の力は強大すぎる。この世界では異端も異端、国が相手にならば囲いたくなるのは当然よ」
「ロンドゥナさん…。もしもそうなったら信希は…?」
「さぁ、どうなることやら。王族や貴族なんてのは表では面良く、裏では恐ろしく。どこの者でもそんな感じじゃの?」
「です…よね」
「下手をしたら、ワシらを盾に信希を脅せばどんなことにも使えてしまうわけじゃの」
「ミィズさん!そんなことをっ─」
「でも事実じゃろ」
ワタシは何も言い返せない。
本当の事だ、シルバーウルフの件でもそうだった。
他のみんなの強さを理解しているわけじゃないけど、もしも王族絡みだった場合に国の精鋭たちを相手にして、全員を守りながら戦闘をするなんて今のワタシには不可能だ。
「信希さまにお知らせするほかないのじゃ、ケモミミ様を守るためなら全力を使ってくれるじゃろうが、逆を言えば「どうして教えてくれなかった」という状況になった時、信希さまに顔向けできなくなってしまう」
「それは、そうですけど…」
「イレーナは、信希が『人間の生活圏で生活したい』と考えているのかしら?」
「それもあります…」
「イレーナよ、それはワシらが決めることじゃないよなぁ」
「信希には悲しい思いをしてほしくないんです…」
「イレーナおねーちゃん?」
レストさんが俯くワタシの顔を覗き込んでくる。
ワタシは自分の弱さをここまで惨めに感じたことはない…。
「なればこそじゃ、既にヤツらが動いている以上、仕掛けてくるものと考え信希にどうするか決めてもらうのが早ければ早いほど良いはずじゃ」
「そうですね。明日の朝、信希に話してみましょう」
ワタシも覚悟を決める。
何があっても、信希に胸を張ってついて行けるように─。
「ああ、間違いないのじゃ。どこぞの馬の骨が嗅ぎまわっておる」
「ふむ、やはりか。大方フォレストバジリスクの件しかないじゃろうが」
「そうですね…。ワタシが感じたのは『殺意』ではなく『観察』の様な感覚だったのですが、どう感じました?」
「うむ、間違いないじゃろう。余も同じ意見じゃ」
「信希が狙われてるの?」
「やっつけるぅ?」
「シアンさんとレストさんとポミナさんにも知っておいてもらいましょう。この国に来て、信希がフォレストバジリスクの討伐をしてから誰かが『信希のことを嗅ぎまわって』います。でも、敵意のようではないですし、信希だったら襲われても平気かもしれませんが、ワタシたちが標的になった時には対処できなくなるかもしれないので、みんなで対策を考えていたんです」
「むむぅぅ…」
「そ、そんなことに…」
「誰だかわからないのぉ?」
「それなりの手練れのようですので、専門で仕事をしている人か魔法関係の能力持ちかもしれないです」
「難しいものよな、下手に手を出せば国と事を構えることになるかもしれん」
「国…ミィズさんは、その説があり得ると思いますか?」
「十分にな」
ワタシたちだけで、この問題を解決できるだろうか…。信希に相談した方がよさそうだけど、信希はワタシたちのことになると暴走してしまう可能性が高い…。
もしも、そんなことになったら人間である信希は、この世界で生き辛くなってしまう。
「どうしましょう…」
「イレーナが悩むとは珍しいのじゃ」
「対処は出来ますけど、どれも信希が生きにくくなるのではないかと…」
「確かにな、信希の力は強大すぎる。この世界では異端も異端、国が相手にならば囲いたくなるのは当然よ」
「ロンドゥナさん…。もしもそうなったら信希は…?」
「さぁ、どうなることやら。王族や貴族なんてのは表では面良く、裏では恐ろしく。どこの者でもそんな感じじゃの?」
「です…よね」
「下手をしたら、ワシらを盾に信希を脅せばどんなことにも使えてしまうわけじゃの」
「ミィズさん!そんなことをっ─」
「でも事実じゃろ」
ワタシは何も言い返せない。
本当の事だ、シルバーウルフの件でもそうだった。
他のみんなの強さを理解しているわけじゃないけど、もしも王族絡みだった場合に国の精鋭たちを相手にして、全員を守りながら戦闘をするなんて今のワタシには不可能だ。
「信希さまにお知らせするほかないのじゃ、ケモミミ様を守るためなら全力を使ってくれるじゃろうが、逆を言えば「どうして教えてくれなかった」という状況になった時、信希さまに顔向けできなくなってしまう」
「それは、そうですけど…」
「イレーナは、信希が『人間の生活圏で生活したい』と考えているのかしら?」
「それもあります…」
「イレーナよ、それはワシらが決めることじゃないよなぁ」
「信希には悲しい思いをしてほしくないんです…」
「イレーナおねーちゃん?」
レストさんが俯くワタシの顔を覗き込んでくる。
ワタシは自分の弱さをここまで惨めに感じたことはない…。
「なればこそじゃ、既にヤツらが動いている以上、仕掛けてくるものと考え信希にどうするか決めてもらうのが早ければ早いほど良いはずじゃ」
「そうですね。明日の朝、信希に話してみましょう」
ワタシも覚悟を決める。
何があっても、信希に胸を張ってついて行けるように─。
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