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73,神様の驚き

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 モニターを眺めていた神は思わず息を飲む。

「眷属のレベルなのに祝福を付与しているなんて···有り得ない!」

 祝福は繋がりを造り、導きの道筋を与える物だ。

 それなりの力が必要だし、それはその時限りの事ではない。

 繋がりが有る限り常に微量であっても力を消費していく。

 それを不特定多数に付与するなんて、普通考えられない事だった。

 本来なら神に力を還元させる事の可能な神に仕える者達や信者達に施す物であって、こんなボランティアの様に自らの力を無尽蔵に与えるための仕組みでは無いのだ。

「あまり無茶をすると彼が存在出来なくなる···。」

 とにかく彼はイレギュラー過ぎて、彼の行動は神の想像の域を既に外れてしまっている。

 神の眷属は神族とは違い付与に特化していない。

 力を行使するのが元々の役割なのだ。

 だから必然的にこの先、綻びが生まれていくのではないだろうか?

 彼の無自覚の行動に一抹の不安を覚える。

 神がどう思おうと手を出せる訳も無いのだか、他力本願な身としては心配するしか能がない。

「お人好しで純真過ぎるよ···。若さ故なのかな?」

 神は思わず天を仰いだ。
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