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60,神を体現する者
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完全に回復出来たので、まず奇跡の為の仕込みを準備することにした。
小さな結界の中に水蒸気とヒールを詰めたものを大量に作り、それをウィングを込めた結界の中に封じ込めた物を幾つも作る。
さらにそれを纏める為に結界の中に入れて、町の空に均等に配置する。
ある程度時間を掛けて仕込みの準備が済むと、人通りの多い時間帯を目安に人目を避けて町の中心の塔にこっそり登り、塔の屋根の上に立つ。
町全体から見えるように、今度は映し出す場所の高度を上げて魔法を使う。
町が広いので映し出す時間は長めにしておく。
町からざわめきが聞こえ、あちらこちらで空に注目して居るのが分かる。
映し出した姿が消え光の粒子になると同時に、町中に配置した結界を一斉に解除していく。
町中が煌めきと同時に歓喜や驚愕の声に包まれる。
流石に立て続けに魔力を使いすぎて、姿を正常に保てない程疲弊していた。
塔の上で白く揺らめくその姿はとても神秘的に、彼の存在に気付いた一部の者達には映った。
塔の中で少し休憩して、姿を戻すと人目を避けながら双子の家に戻る。
「お兄ちゃん、おかえり。」
双子は神妙な顔でそっと抱き付いてきた。
「お兄ちゃんの力をいっぱい感じたよ。」
「お兄ちゃんが皆に幸せを届けてくれたのね。」
流石に双子にはばれているようだ。
俺は口許に指をあてる。
「リル、リロ···。それは俺達だけの秘密にしておいてくれ。今日の事は神様の奇跡なんだよ。」
俺の言葉に双子は俺の顔をまじまじと見詰める。
「お兄ちゃんが神様?」
「いや···。神様の使いの様な者かな?」
俺の返事に双子は納得出来なかったようだ。
「違うわ!お兄ちゃんが神様よ!」
「たとえ誰がなんて言っても、僕達にとっては神様はお兄ちゃんだけなんだから!」
「「ねーっ!」」
双子は決定事項にしてしまうと嬉しそうに両脇に収まる。
俺はため息をつきながら双子を見詰める。
少し言い辛かったが、決意して口を開く。
「この町での役目が済んだから、もうお別れしないといけないんだ。」
双子は寂しそうに頷く。
「お兄ちゃんとは魂の繋がりが出来たから、離れていてもお兄ちゃんを感じる事が出来る。」
「だから···寂しいけど、大丈夫よ!」
俺は双子を抱き締める。
「ありがとう。二人のお蔭で色々助けられた。二人が居なかったら俺はここには居なかったかもしれない。役目が果たせたのも二人のお蔭だよ。」
何か御礼をしたくて少し考え、俺は小さな結界を二つ作る。
その中にありったけの俺の想いを込めた魂の一部を封じ込める。
「二人の幸せを願って創ったから御守りとして持っててくれるかな?」
キラキラと光輝く珠を、二人に渡す。
「すごい!お兄ちゃんと一緒で暖かい力を感じるよ!」
「絶対に一生大事にするね!ありがとう!」
二人の瞳から涙が零れた。
二人を優しく宥めながら、ライルが戻るまで双子の部屋で待つことにした。
お世話になったのでせめて、ライルに挨拶をしてから町を出ようと思ったのだ。
小さな結界の中に水蒸気とヒールを詰めたものを大量に作り、それをウィングを込めた結界の中に封じ込めた物を幾つも作る。
さらにそれを纏める為に結界の中に入れて、町の空に均等に配置する。
ある程度時間を掛けて仕込みの準備が済むと、人通りの多い時間帯を目安に人目を避けて町の中心の塔にこっそり登り、塔の屋根の上に立つ。
町全体から見えるように、今度は映し出す場所の高度を上げて魔法を使う。
町が広いので映し出す時間は長めにしておく。
町からざわめきが聞こえ、あちらこちらで空に注目して居るのが分かる。
映し出した姿が消え光の粒子になると同時に、町中に配置した結界を一斉に解除していく。
町中が煌めきと同時に歓喜や驚愕の声に包まれる。
流石に立て続けに魔力を使いすぎて、姿を正常に保てない程疲弊していた。
塔の上で白く揺らめくその姿はとても神秘的に、彼の存在に気付いた一部の者達には映った。
塔の中で少し休憩して、姿を戻すと人目を避けながら双子の家に戻る。
「お兄ちゃん、おかえり。」
双子は神妙な顔でそっと抱き付いてきた。
「お兄ちゃんの力をいっぱい感じたよ。」
「お兄ちゃんが皆に幸せを届けてくれたのね。」
流石に双子にはばれているようだ。
俺は口許に指をあてる。
「リル、リロ···。それは俺達だけの秘密にしておいてくれ。今日の事は神様の奇跡なんだよ。」
俺の言葉に双子は俺の顔をまじまじと見詰める。
「お兄ちゃんが神様?」
「いや···。神様の使いの様な者かな?」
俺の返事に双子は納得出来なかったようだ。
「違うわ!お兄ちゃんが神様よ!」
「たとえ誰がなんて言っても、僕達にとっては神様はお兄ちゃんだけなんだから!」
「「ねーっ!」」
双子は決定事項にしてしまうと嬉しそうに両脇に収まる。
俺はため息をつきながら双子を見詰める。
少し言い辛かったが、決意して口を開く。
「この町での役目が済んだから、もうお別れしないといけないんだ。」
双子は寂しそうに頷く。
「お兄ちゃんとは魂の繋がりが出来たから、離れていてもお兄ちゃんを感じる事が出来る。」
「だから···寂しいけど、大丈夫よ!」
俺は双子を抱き締める。
「ありがとう。二人のお蔭で色々助けられた。二人が居なかったら俺はここには居なかったかもしれない。役目が果たせたのも二人のお蔭だよ。」
何か御礼をしたくて少し考え、俺は小さな結界を二つ作る。
その中にありったけの俺の想いを込めた魂の一部を封じ込める。
「二人の幸せを願って創ったから御守りとして持っててくれるかな?」
キラキラと光輝く珠を、二人に渡す。
「すごい!お兄ちゃんと一緒で暖かい力を感じるよ!」
「絶対に一生大事にするね!ありがとう!」
二人の瞳から涙が零れた。
二人を優しく宥めながら、ライルが戻るまで双子の部屋で待つことにした。
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