57 / 111
57,対悪霊戦
しおりを挟む
ゴーストは光属性の魔法と火属性の魔法が有効だ。
近付かれると分が悪い。
俺は襲い来るゴーストを避けながら対抗する為の魔法を構築する。
俺はファイアを重ね掛けしながら、ウィングで空気を送り込み炎を大きくしていく。
最後の仕上げにヒールを不随して、聖なる炎を造り出す。
ゆらゆらと動き回るゴーストに併せて炎を操るのには苦心したが、何とか当てることが出来てゴーストが炎に包まれ断末魔を上げる。
いまいち、不恰好な戦いになってしまった。
何とか良い方法は無いかと思案していると、次の反応があった。
慌てて小さな結界を展開させ、その中にファイアの重ね掛けを限界まで行う。
ウィングで空気を送り込み中を圧縮させ、ヒールを不随し聖なる炎を結界の中で維持させる。
それを急いで複数造り出すと、ゆらりと視界に先刻とは違う影が現れた。
黒いフードに包まれた半透明の姿、想像通りレイスだ。
流石にゴーストの様には行かない。
俺は油断なく構えたつもりだったが、レイスが体の側を掠める度に僅かに魂を喰われているのに気付く。
自分に掛けていた結界が、魔法を使った影響で微かに綻んでいるようだ。
覚えたての魔法なので、未熟なのは仕方無いが、今のこの状況は不味い。
掴まれたら魂が確実に喰われる。
死ぬ気で避けながらレイスの隙を狙おうとするが、上手くいかない。
何度も身を翻し、少しずつ喰われて消耗して来始めた。
鈍る動きをレイスが見逃す筈もない。
とうとう腕を掴まれ、喰われていく。
俺もチャンスを逃さず、至近距離でレイスに結界に包まれた炎を押し付け、結界を解除する。
圧縮された炎が弾けレイスを瞬時に包み込む。
俺は腕を振り払い、レイスから距離を取った。
レイスは炎に包まれ燃え尽きてゆく、俺の捨て身の戦法は成功したが、俺は油断していた。
悪霊は全部で3体居たのだ····。
戦闘に気を取られた隙に残りの1体が近付いて居たのに気付けなかった。
たった今、ゴーストの腕が俺の体を貫く。
「ぐああぁぁっ!」
俺は恥も外聞もなく呻いて、苦し紛れにゴーストに残りの炎を押し付けた。
結界が弾けゴーストが火だるまになって俺から離れた。
俺は片膝を着くと喰われた部分に、手を触れる。
穴の空いた体に意識を集中させ、魂を薄く伸ばし穴を塞ぐ。
食われ過ぎたのは分かって居た。
ふらつきながら窓から二人が眠る部屋へ戻ると、意識を失い倒れてしまった。
近付かれると分が悪い。
俺は襲い来るゴーストを避けながら対抗する為の魔法を構築する。
俺はファイアを重ね掛けしながら、ウィングで空気を送り込み炎を大きくしていく。
最後の仕上げにヒールを不随して、聖なる炎を造り出す。
ゆらゆらと動き回るゴーストに併せて炎を操るのには苦心したが、何とか当てることが出来てゴーストが炎に包まれ断末魔を上げる。
いまいち、不恰好な戦いになってしまった。
何とか良い方法は無いかと思案していると、次の反応があった。
慌てて小さな結界を展開させ、その中にファイアの重ね掛けを限界まで行う。
ウィングで空気を送り込み中を圧縮させ、ヒールを不随し聖なる炎を結界の中で維持させる。
それを急いで複数造り出すと、ゆらりと視界に先刻とは違う影が現れた。
黒いフードに包まれた半透明の姿、想像通りレイスだ。
流石にゴーストの様には行かない。
俺は油断なく構えたつもりだったが、レイスが体の側を掠める度に僅かに魂を喰われているのに気付く。
自分に掛けていた結界が、魔法を使った影響で微かに綻んでいるようだ。
覚えたての魔法なので、未熟なのは仕方無いが、今のこの状況は不味い。
掴まれたら魂が確実に喰われる。
死ぬ気で避けながらレイスの隙を狙おうとするが、上手くいかない。
何度も身を翻し、少しずつ喰われて消耗して来始めた。
鈍る動きをレイスが見逃す筈もない。
とうとう腕を掴まれ、喰われていく。
俺もチャンスを逃さず、至近距離でレイスに結界に包まれた炎を押し付け、結界を解除する。
圧縮された炎が弾けレイスを瞬時に包み込む。
俺は腕を振り払い、レイスから距離を取った。
レイスは炎に包まれ燃え尽きてゆく、俺の捨て身の戦法は成功したが、俺は油断していた。
悪霊は全部で3体居たのだ····。
戦闘に気を取られた隙に残りの1体が近付いて居たのに気付けなかった。
たった今、ゴーストの腕が俺の体を貫く。
「ぐああぁぁっ!」
俺は恥も外聞もなく呻いて、苦し紛れにゴーストに残りの炎を押し付けた。
結界が弾けゴーストが火だるまになって俺から離れた。
俺は片膝を着くと喰われた部分に、手を触れる。
穴の空いた体に意識を集中させ、魂を薄く伸ばし穴を塞ぐ。
食われ過ぎたのは分かって居た。
ふらつきながら窓から二人が眠る部屋へ戻ると、意識を失い倒れてしまった。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。
さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。
許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。
幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。
(ああ、もう、)
やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。
(ずるいよ……)
リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。
こんな私なんかのことを。
友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。
彼らが最後に選ぶ答えとは——?
⚠️好みが非常に分かれる作品となっております。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる