中二な僕がささやかな祝福で生き延びる方法

うさみん

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20,初戦闘

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 狼の体格は2m程だろうか?

 こんな小屋では籠城戦に持ち込んでも、いずれは侵入されてしまうだろう。

 だとしても真っ正面から戦った所で、勝ち目は全く無い事は確実だ。

 1匹づつ確実に倒さなければならないが、魔物のパワーは侮れない。

 失敗はそのまま死に繋がる。

 どうしても、恐怖がぬぐいきれない。

 手も足も小刻みに震える。  

「どうする?どうしたらいい?」

 後戻りは出来ない。

 覚悟を決めた。


 40㎝サイズの落とし戸風の窓の下にミニテーブルを移動させる。

 ドアからの異音が激しくなってきた。

 残された時間は余りない。

 音を立てないように、そっと10㎝開き、隙間に布を挟み込む。

 素早くミニテーブルの下に潜り込み、壁とミニテーブルの隙間に火掻き棒を挿し込む。

 火掻き棒のその下を斧の腹で支え、足裏が斧の腹に来るようにさらにその下に潜り込む。

 勝負は一瞬だ。

 窓に気付かせる様に大声を出す。

「こっちだ!来てみろ!!」

 ズガン!!!

 恐ろしい音がして、狼の鼻面が狭い隙間に捩じ込まれた。

 狼は激しく頭を振りながら窓の隙間に頭を突っ込んでくる。

 頭が綺麗に窓に入り、首の所で落ちる戸に挟まれた。

 その瞬間、体のバネを使い渾身の力で、足裏を押し上げた。

 ギャワワン!!

 火掻き棒は狙い通り顎下から頭蓋内に向けて突き刺さる。

 狼は滅茶苦茶に暴れた後、急に事切れた。


 

 

 

 







 

 

    
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