中二な僕がささやかな祝福で生き延びる方法

うさみん

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3,前途多難

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 意識が戻ると、木々に囲まれたなだらかな場所に倒れていた。


 周囲を眺めても木と背丈ほどの茂みがある位で、目ぼしい物は何も無い。


「ここ、何処だ?」

 声に出してももちろん誰も答える者は居ない。


「転生したのか?」


 とりあえず自身の今の状況を把握する事にした。
 
「身体的に何か変化はないみたいだ。」

 身体に触れてみても馴染みのある自分の身体のようだ。


「剣と魔法の世界って言ってたけど、たゆとう水の精霊よ我の言霊を道しるべにその力を顕現せよ!」


 何も起こらない。


「術式違うかな?」

 思いつく限りの呪文や魔方陣を試してみたが、何も起こらない。
 


「中二病炸裂弾で終了か。」

 思わずガッカリしたが、現状把握を継続させる。


「持ち物は無し。服は学生服にスニーカー。情報も無し。何だか無理ゲーっぽい?」


 とにかく、情報収集しないといけない。

「人探さないと!」


 迷子にならないように小石を拾い、地面に印を刻む。


「太陽が、右から左に移動しているから、東があっちで北がこっち。」

 文明は南側に派生しやすく、北になるほど保守的傾向が強くなるから、よそ者でも受け入れられる可能性の高い南側を捜索するのがセオリーかな?自前の知識でこれからの予定を模索する。


「とりあえず、日没迄に人探ししないと水も食料も武器も雨露しのぐ宿も無いこの状況は不味い。」



 そう、歩き回って既に日没。

 真っ暗な森のなかで途方に暮れる。


「お腹すいた。喉も乾いた。」

 疲れもピークで座り込む。


「少なくとも五時間は歩いたのに、水音すらしないし、生き物すら出会わないなんて!何これ?」


 嫌な予感しかしない。

「やっぱり無理ゲーかも。」
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