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新たなる依頼3

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 「それならば依頼を受けさせて貰いますが、現場まではこの町からどのくらい掛かりますか?」


 アイシャは少しほっとした表情で頭を下げた。


「ありがとうございます。本当に感謝します。ヒビキ!精霊の森はこの町から東に馬で5~6ゴウ(日)掛かる場所にあります。そして試しの祠は精霊の森をさらに東に抜けた所にある切り立った崖に入り口があり、恐らく姉もその近辺に居るものと思われます。精霊の森を抜けるのに1ゴウ(日)掛かるとして片道おおむね7ゴウ(日)程でしょうか···。」


 馬と言われて響は表情を曇らせる。

 流石に乗馬の経験はないし、直ぐに乗れるようになるものでも無いだろう。

 しかし徒歩となると、かなりの時間のロスになることは必須だ。

 移動手段については、少し考えなければいけないだろう。


「すみません、アイシャさん。馬には乗ったことが無いので、移動手段については後で相談させて下さい。それとお姉さんの名前と簡単な特徴を教えて頂けませんか?探すときの参考にしますから···。」


 この世界には写真は存在しないので、絵姿を描いた物か魔法を使って投影して見せるか、言葉で特徴を伝えるかするしか無いらしい。


「姉はキルシィと言う名で、私と良く似ています。そして眼鏡を掛けています。それと同行者は何時も連れていません。彼女は瘴気の影響を研究している学者で、最近は瘴気に耐性の有る植物収集を行っています。ですからもしかすると姉のいる場所は瘴気の影響が少なからずも有る可能性がありますから注意して下さい。」


 そういえば、エリスの所でも瘴気の話が出たのを思い出す。

 言葉から良いものではない事は判るが明確に知っている訳ではない。


「瘴気とはどんなものですか?専門的な事までは分からないので、教えて頂けませんか?」


 それとなくアイシャに尋ねてみる。


「瘴気とは闇の穢れです。我々の身心を蝕み、いずれは死をもたらします。そして、魔物や魔族達には逆に力を与えてしまう厄介な物です。大規模な瘴気の汚染は今の所有りませんが、遥か東の領には魔の森と呼ばれる瘴気の濃い森が存在します。」


 取り合えず、瘴気に関しては掃除で何とかなるだろうと響は考えた。


「分かりました。ありがとうございます。」


 お礼を言いながら、そういえばアイシャに伝え忘れていた事が有るのを思い出す。


 
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