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名乗り口上2
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一夜明けると、響は一躍時の人となっていた。
会う人、会う人声を掛けられる。
「兄ちゃん、昨日は大活躍したらしいじゃないか!」
誰とも知らぬ人に背中を叩かれる。
どういう話になっているのか知れないが、町行く人に笑顔を向けられる。
広場近くの空き地の傍で、4~5人の子供達にまとわりつかれて空き地に連れていかれた。
「父ちゃんを助けてくれたんでしょ?ありがとう!」
どうやら助けたあの3人組が噂の出所らしい。
昨日酒場で、助け出された時の話を町の人たちに話し続け、家でも涙ながらに語ったらしい。
新参者なので珍しさから直ぐに俺の事が伝わったようだ。
喜んでいいのか悪いのか···判断に困る。
話が跳躍して厄介事に巻き込まれると、本職の仕事処では無くなるかも知れない。
あくまでも俺は、清掃人だ。
英雄視されても困る。
「父ちゃんの話では、かっこよく現れて颯爽と助け出したって聞いたよ!すごいよね!」
子供の純粋な賛辞に少し照れる。
「わ~すごいね~!かっこよくってどんな感じ!?」
「教えてよ!お兄ちゃん!!」
次々と子供達にねだられ、俺はついつい調子に乗ってしまった。
「そうだな···かっこよくか···。」
少し考えて戦隊ヒーロー物を思い浮かべる。
子供の夢を壊すのもあれだからとサービス精神を遺憾無く発揮させる。
空き地に有った石造りの段差に飛び乗ると道具袋からモップを取り出す。
そして構えて飛び降りるとポーズを決める。
調子に乗りついでに名乗り口上を付けたのがいけなかった。
「御呼びとあらば即参上!モンスタースイーパー響、見参!」
戦隊ヒーロー物の主人公の如く、格好をつけ笑う。
「わ~!!すご~い!!!」
子供達に超絶にうけた。
その場でやった一回限りの事が瞬く間に子供達に伝播した。
しまった!と後悔したが、後の祭りで子供達はなりきってポーズを決めセリフを口にする。
俺は、慌ててその場を逃げるように後にした。
変なイメージを植え付けてしまったと、本当に恥ずかしかった。
会う人、会う人声を掛けられる。
「兄ちゃん、昨日は大活躍したらしいじゃないか!」
誰とも知らぬ人に背中を叩かれる。
どういう話になっているのか知れないが、町行く人に笑顔を向けられる。
広場近くの空き地の傍で、4~5人の子供達にまとわりつかれて空き地に連れていかれた。
「父ちゃんを助けてくれたんでしょ?ありがとう!」
どうやら助けたあの3人組が噂の出所らしい。
昨日酒場で、助け出された時の話を町の人たちに話し続け、家でも涙ながらに語ったらしい。
新参者なので珍しさから直ぐに俺の事が伝わったようだ。
喜んでいいのか悪いのか···判断に困る。
話が跳躍して厄介事に巻き込まれると、本職の仕事処では無くなるかも知れない。
あくまでも俺は、清掃人だ。
英雄視されても困る。
「父ちゃんの話では、かっこよく現れて颯爽と助け出したって聞いたよ!すごいよね!」
子供の純粋な賛辞に少し照れる。
「わ~すごいね~!かっこよくってどんな感じ!?」
「教えてよ!お兄ちゃん!!」
次々と子供達にねだられ、俺はついつい調子に乗ってしまった。
「そうだな···かっこよくか···。」
少し考えて戦隊ヒーロー物を思い浮かべる。
子供の夢を壊すのもあれだからとサービス精神を遺憾無く発揮させる。
空き地に有った石造りの段差に飛び乗ると道具袋からモップを取り出す。
そして構えて飛び降りるとポーズを決める。
調子に乗りついでに名乗り口上を付けたのがいけなかった。
「御呼びとあらば即参上!モンスタースイーパー響、見参!」
戦隊ヒーロー物の主人公の如く、格好をつけ笑う。
「わ~!!すご~い!!!」
子供達に超絶にうけた。
その場でやった一回限りの事が瞬く間に子供達に伝播した。
しまった!と後悔したが、後の祭りで子供達はなりきってポーズを決めセリフを口にする。
俺は、慌ててその場を逃げるように後にした。
変なイメージを植え付けてしまったと、本当に恥ずかしかった。
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