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活動拠点を考える

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 ギルドへと戻る道すがら、響は考え込んでいた。

『取り敢えず、借金は無くなったが、所持金が心許ない。出来るなら、もう少し依頼を受けてから、今日の宿屋を決めたい。それに、今後の活動方針を決めていかなくてはならないだろう。』


「ハインツさん、おすすめの宿屋はありますか?出来るだけお安い所が有り難いのですが·······。」


 前を歩くハインツに声を掛けて見た。


「小さな町だから、生憎と宿屋は1件しかない。しかし良心的な所だから、素泊まり一泊で小銀貨3枚だ。食事は別料金になるが、味は保証するぞ。」


 ハインツは振り向くと答えてくれた。


「そうなんですね。ついでにもうひとつ教えて下さい。これからこの町を拠点に活動しようと考えて居るのですが、独身者用の安い住居の相場はどのくらいですか?」


 続けてハインツに問い掛ける。

 ハインツは、歩く速度を落として響と並んで歩きながら、顎に手を当てて考える。


「そうだな······最安値で言えば、只帰って寝るだけの部屋なら1アイ(1ヵ月)銀貨3枚から、台所付きだと銀貨4枚から、台所とトイレ付きなら銀貨5~6枚から、台所とトイレと風呂付きなら金貨1枚からだな。後、敷金や礼金も少なくとも3ヵ月分上乗せで必要だから、それなりの出費になると思うぞ。」


「そんなに詳しくありがとうございます。資金集めの参考にさせてもらいます。」


 嬉しくて思わず笑顔になった響に、つられてハインツも笑う。
 

「この町で分からない事が有れば、遠慮せずに何時でも聞きに来い。」 


 胸元を叩いて言いきるハインツは、頼もしかった。

 2人はギルドに到着すると、入り口をくぐった。





 
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