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予感
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未玖とヨクサルは上空から、暗澹たる気持ちで荒廃した大地を見下ろしていた。
愛するクロが知性を失い、忌むべき幻獣と化してしまったことに嘆き悲しみ、ヨクサルの背中に顔を埋める。
「ああ、クロ……」
「未玖さん……」
追い打ちをかけるようにダニールまでいなくなり、どうしていいのか分からず寒空の中、身を寄せ合う。
(父様は雷神の元へ行かれましたが、なぜ僕たちに別れを告げたのでしょうか?)
幼いヨクサルにとって、神とはどういう性質を持っているのか分かりかねていた。
ダニールの確固たる決意も、純真な二人には考えが及ばない。
「……ごめんね、ヨクサル。赤ちゃんがいるのに」
「いえ、元気に動いているので平気です」
未玖が涙を拭きながら顔を上げる。
ヨクサルはお腹に悪魔の子を宿していた。
(ご主人様……)
地獄で巡り合った悪魔、ジョシュアとの子ども。
暴力的な行為ばかりだったが、今でも彼のことを深く愛している。
最期に彼が見せた安らかな笑顔を、ヨクサルは永遠に忘れないだろう。
(何があってもこの子を守ると誓います。だから……どうか天国から見守っていてください)
我が子であるクロの変容に哀しむ未玖の気持ちに同情し、己の無力さに打ちひしがれそうになる。
だが母性に目覚めたヨクサルは、以前よりも心持ちが逞しくなっていた。
(僕が未玖さんを支えなければいけません)
父親のダニールに言われた通り、どんなに寒くとも地上へは降りずにいようと決める。
しかしそれが意味するのは、ヨルムンガンドとクロの死闘をただ傍観するしかない、という事だ。
(クロさんを助けたいけれど、僕一人の力では……)
「きゃあっ!!」
思念していると強風に煽られた。
ヨクサルは燃える翼を懸命に羽ばたかせる。
「未玖さん、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう」
未玖は振り落とされまいと、ヨクサルのか細い背中にしがみ付く。
ダニールの血を引くのに、ダニールとはどこか違う背中。
彼が不死鳥では珍しい天馬との混血だからだろうか。
(ダニール、早く帰ってきて――)
祈るように呟き、目を閉じる。
弱々しい炎に優しく包まれ、未玖は束の間、不安から解放された。
♢♢♢
幻獣フェンリルに跨るダニールは大槌を左手に持ち、地獄で戦うヨルムンガンドとクロを止めるために向かっていた。
雷神に手懐けられていただけあって、迫り来る稲妻をフェンリルは跳ねるように避け、雷雲の中を駆けて行く。
やがて雷雲を抜けると、鈍色の空が荒れ果てた地上を陰々と覆っていた。
吹雪を燃える翼で溶かし、フェンリルの視界を遮らないようにする。
(未玖とヨクサルは無事だろうか)
聞き分けのいいヨクサルだ。
自分の言い付けを守り、上空で留まっているだろう。
ダニールは二人が生き残ってくれることを強く願う。
その為には一刻も早く、ヨルムンガンドとクロを倒さなければ。
(すまない、未玖。クロを助けるにはこの方法しかないのだ)
ダニールは大槌の柄を握りしめた。
右腕はフェンリルに噛み切られたため、欠損している。
不死身であっても欠損した部位を再生するには一度、死ぬ必要があった。
(死ぬ時の痛みは、数え切れないほど経験しても慣れるものではない)
地獄で何千年も悪魔に仕えていた際、気まぐれに嬲り殺されたり残虐極まりない拷問の末に命を落としていた。
また自ら生んだ悪魔の子に無理やり犯され、内臓破裂で死亡したりと惨たらしい有様だった。
(ヨクサルにあんな思いをさせないために――)
不死鳥も悪魔になると知った今、ダニールは複雑な心境だ。
未玖の赦しを得ていなければ、自分もイーサンやファロムのように悪魔となっていたかもしれない。
本来、不死鳥は仲間をとても大切にする。
イーサンは少し変わっていたが、いつも他の不死鳥を気遣っていた。
双子の弟であるファロムとは長い間会っていなかったが、離別前と変わらず愛していた。
(この世に悪魔さえ存在しなければ――いや、悪魔に魂を売り渡した僕たちがいけなかったのだ)
自問自答していると時期に、大きくひび割れた大地から地獄の様子を窺うことができた。
二匹の大蛇が本能の赴くままに、互いの息の根を止めようと巨体を絡ませ合い、鋭い牙で皮膚を食い千切り、瘴気を吐き出している。
「グルルルル……」
ヨルムンガンドの姿を認めたフェンリルが、低い唸り声を上げた。
「君も兄弟と会うのは随分と久しぶりじゃないのかい?」
フェンリルの柔らかな背中をそっと撫でる。
幻獣同士、言葉を交わさずとも分かり合うことができた。
ダニールもフェンリルも長兄だ。
種族は違えど、弟や妹を想う気持ちは同じであった。
「世界を救うために、これから君の弟を倒さなければならない。僕を殺したければこの場で噛み殺せばいいのだよ」
フェンリルは返事をしない。
ひたすら凍空を走り抜ける。
「ふたりを討ったら、僕たちも共に逝こう」
最早この世界に幻獣は必要ないのだ。
雷神との契約で心臓を捧げるダニールは、長い苦しみからようやく逃れられると安堵し、切ない笑みを微かに浮かべた。
「――唸れ、大槌」
左手に持った大槌が赤い炎を纏う。
同時にダニールとフェンリルの体が巨大化する。
「……ダニール?」
遠くで何かが変わる気配を察知した未玖が、辺りを見渡した。
嫌な予感がする。とてつもなく嫌な予感が。
愛するクロが知性を失い、忌むべき幻獣と化してしまったことに嘆き悲しみ、ヨクサルの背中に顔を埋める。
「ああ、クロ……」
「未玖さん……」
追い打ちをかけるようにダニールまでいなくなり、どうしていいのか分からず寒空の中、身を寄せ合う。
(父様は雷神の元へ行かれましたが、なぜ僕たちに別れを告げたのでしょうか?)
幼いヨクサルにとって、神とはどういう性質を持っているのか分かりかねていた。
ダニールの確固たる決意も、純真な二人には考えが及ばない。
「……ごめんね、ヨクサル。赤ちゃんがいるのに」
「いえ、元気に動いているので平気です」
未玖が涙を拭きながら顔を上げる。
ヨクサルはお腹に悪魔の子を宿していた。
(ご主人様……)
地獄で巡り合った悪魔、ジョシュアとの子ども。
暴力的な行為ばかりだったが、今でも彼のことを深く愛している。
最期に彼が見せた安らかな笑顔を、ヨクサルは永遠に忘れないだろう。
(何があってもこの子を守ると誓います。だから……どうか天国から見守っていてください)
我が子であるクロの変容に哀しむ未玖の気持ちに同情し、己の無力さに打ちひしがれそうになる。
だが母性に目覚めたヨクサルは、以前よりも心持ちが逞しくなっていた。
(僕が未玖さんを支えなければいけません)
父親のダニールに言われた通り、どんなに寒くとも地上へは降りずにいようと決める。
しかしそれが意味するのは、ヨルムンガンドとクロの死闘をただ傍観するしかない、という事だ。
(クロさんを助けたいけれど、僕一人の力では……)
「きゃあっ!!」
思念していると強風に煽られた。
ヨクサルは燃える翼を懸命に羽ばたかせる。
「未玖さん、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう」
未玖は振り落とされまいと、ヨクサルのか細い背中にしがみ付く。
ダニールの血を引くのに、ダニールとはどこか違う背中。
彼が不死鳥では珍しい天馬との混血だからだろうか。
(ダニール、早く帰ってきて――)
祈るように呟き、目を閉じる。
弱々しい炎に優しく包まれ、未玖は束の間、不安から解放された。
♢♢♢
幻獣フェンリルに跨るダニールは大槌を左手に持ち、地獄で戦うヨルムンガンドとクロを止めるために向かっていた。
雷神に手懐けられていただけあって、迫り来る稲妻をフェンリルは跳ねるように避け、雷雲の中を駆けて行く。
やがて雷雲を抜けると、鈍色の空が荒れ果てた地上を陰々と覆っていた。
吹雪を燃える翼で溶かし、フェンリルの視界を遮らないようにする。
(未玖とヨクサルは無事だろうか)
聞き分けのいいヨクサルだ。
自分の言い付けを守り、上空で留まっているだろう。
ダニールは二人が生き残ってくれることを強く願う。
その為には一刻も早く、ヨルムンガンドとクロを倒さなければ。
(すまない、未玖。クロを助けるにはこの方法しかないのだ)
ダニールは大槌の柄を握りしめた。
右腕はフェンリルに噛み切られたため、欠損している。
不死身であっても欠損した部位を再生するには一度、死ぬ必要があった。
(死ぬ時の痛みは、数え切れないほど経験しても慣れるものではない)
地獄で何千年も悪魔に仕えていた際、気まぐれに嬲り殺されたり残虐極まりない拷問の末に命を落としていた。
また自ら生んだ悪魔の子に無理やり犯され、内臓破裂で死亡したりと惨たらしい有様だった。
(ヨクサルにあんな思いをさせないために――)
不死鳥も悪魔になると知った今、ダニールは複雑な心境だ。
未玖の赦しを得ていなければ、自分もイーサンやファロムのように悪魔となっていたかもしれない。
本来、不死鳥は仲間をとても大切にする。
イーサンは少し変わっていたが、いつも他の不死鳥を気遣っていた。
双子の弟であるファロムとは長い間会っていなかったが、離別前と変わらず愛していた。
(この世に悪魔さえ存在しなければ――いや、悪魔に魂を売り渡した僕たちがいけなかったのだ)
自問自答していると時期に、大きくひび割れた大地から地獄の様子を窺うことができた。
二匹の大蛇が本能の赴くままに、互いの息の根を止めようと巨体を絡ませ合い、鋭い牙で皮膚を食い千切り、瘴気を吐き出している。
「グルルルル……」
ヨルムンガンドの姿を認めたフェンリルが、低い唸り声を上げた。
「君も兄弟と会うのは随分と久しぶりじゃないのかい?」
フェンリルの柔らかな背中をそっと撫でる。
幻獣同士、言葉を交わさずとも分かり合うことができた。
ダニールもフェンリルも長兄だ。
種族は違えど、弟や妹を想う気持ちは同じであった。
「世界を救うために、これから君の弟を倒さなければならない。僕を殺したければこの場で噛み殺せばいいのだよ」
フェンリルは返事をしない。
ひたすら凍空を走り抜ける。
「ふたりを討ったら、僕たちも共に逝こう」
最早この世界に幻獣は必要ないのだ。
雷神との契約で心臓を捧げるダニールは、長い苦しみからようやく逃れられると安堵し、切ない笑みを微かに浮かべた。
「――唸れ、大槌」
左手に持った大槌が赤い炎を纏う。
同時にダニールとフェンリルの体が巨大化する。
「……ダニール?」
遠くで何かが変わる気配を察知した未玖が、辺りを見渡した。
嫌な予感がする。とてつもなく嫌な予感が。
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