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アホの子メイドは魔王様が好きすぎる
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私はリリーナ・ルルフォンヌ。
ダリアット王国をお治めになっている魔王様――ガロンストロフ・ローゼンベルグ様にお仕えしているしがないメイドです。
「ああっ、ガロンストロフ様、今日も素敵ですっ!」
長身で精悍なお顔立ち。
宝石のように輝く緋色の瞳。
腰まで伸ばした黒髪は艶やかで、動かれる度にサラサラと涼しげな音を鳴らしていらっしゃいます。
そして魔王である証――頭から生えた二本のツノは逞しくも優美で、思わず見惚れてしまうのです。
「リリーナ、心の声が漏れているぞ」
「きゃっ! 申し訳ございませんっ!」
ゴホン、私としたことが……!
いつもの癖で無意識のうちに喋ってしまいました。
私は手にしていたふわふわのウールダスターで、真っ赤になった顔を覆い隠します。
ガロンストロフ様はドラゴンの皮で作られた、一人掛けの豪奢なソファに腰を下ろされました。
前髪を右手で優雅にかき上げ、目を閉じてゆっくりと深呼吸をなさいます。
長いまつ毛の何と美しいこと!
「リリーナ、茶を入れてくれないか」
「はいっ! 直ちにお入れいたしますっ!」
私はぺこりと頭を下げると、書斎から急いで厨房に向かいました。
「コラッ! リリーナちゃん、廊下を走らないの!」
「はわわっ! すみませんっ!」
魔王城で働くゾンビのおばちゃんに、注意されてしまいました。
見た目は少し怖いけれど、気さくで優しいおばちゃんたち。でも仕事の時はとっても厳しいんです。もう何千回、叱られたことか。
愛するガロンストロフ様にお仕えするメイドたるもの、立ち居振る舞いにも気を使わなければ……!
そう自分に言い聞かせながら、私はルンルンスキップで厨房に向かいます。
「スキップもダメ!」
「はううっ!」
♢♢♢
「おや、リリーナちゃん、魔王様にお茶をお出しするのかい?」
「はいっ! ガロンストロフ様、すごーくお疲れのようなのですっ!」
「それなら熱々のお茶と甘いデザートを一緒にお持ちしてあげな」
厨房で働くドワーフのおばちゃんが、ゴブリンの肉を捌きながら笑顔でアドバイスしてくれました。
小柄で陽気なおばちゃんの作るお料理は本当に美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまうんです。
魔王城に来たばかりの頃は体重が増えて、仕立ててもらったメイド服がキツくなってかなり焦りました……!
今は毎朝、魔王城の周りを二十周走っているので大丈夫です。
「茶葉ヨシ! お湯ヨシ! デザートヨシ!」
「別に指差し確認までしなくてもいいんだよ」
「いえっ! ガロンストロフ様にお出しするからにはきちんと確認しなくてはいけませんっ!」
「はは、そうかい。でも肝心のティーカップを忘れてるよ」
「うきゃあっ!」
♢♢♢
お茶とデザートを乗せた銀製のトレイを両手で持ちながら、薄暗い廊下を早歩きします。
箒で掃き掃除をしているゾンビのおばちゃんにも、今度は注意されませんでした。
「ガロンストロフ様、お待たせいたしましたっ!」
ドラゴンの骨で作られた白亜色のテーブルに、ティーカップとデザートを乗せたお皿を静かに置きます。
「うむ、ご苦労であった」
猛禽類のような鋭い目つきからは想像できない優しい声音でお礼を言われ、私は身悶えしてしまいました。
「ああっ、ガロンストロフ様、とても素敵ですっ!」
「リリーナ、また心の声が漏れているぞ」
「きゃっ! 申し訳ございませんっ!」
恥ずかしさのあまり、手にしていたトレイで真っ赤になった顔を覆い隠します。
「やはりリリーナの入れた茶は美味いな」
「ありがとうございますっ!」
頭をぺこぺこ下げる私を見ながら、ガロンストロフ様は微笑まれました。
すると辺りに芳しい香りを漂わせる薔薇が、祝福するかのようにパアァッと咲き誇ったのです。
「はううっ!」
こっ、これは目の保養すぎます、ガロンストロフ様……!
「鼻血が出ているではないか」
「すっ、すぐに拭きますでありますっ!」
メイド服のポケットからハンカチを取り出そうとすると、ガロンストロフ様がほとんど口を開けずに小声で呪文を唱えられます。
すぐさま溢れんばかりの鼻血がピタリと止まりました。
さすがガロンストロフ様、魔力も万能かつ強力です。
「まったく、リリーナといると飽きることがない」
「っ……?」
「どうして自分が此処へ来たのか、まだ思い出せないのか?」
「えっと、目が覚めたら魔王城にいて……あとは分かりませんっ!」
緋色の目を細め、私をじっと見つめられるガロンストロフ様。私の顔に何かついているのでしょうか……?
ですが、すぐさま視線をテーブルへ落とされました。
「この青色をしたデザートは――」
「はいっ! こちらはスライムのプディングになりますっ!」
「甘いのに爽やかな味わいが癖になるな」
「今朝まで生きていましたから鮮度抜群ですっ!」
魔王城の周辺には、たくさんのスライムが出現します。
見た目はとっても可愛らしいのですが意外と攻撃的で危険なため、退治したスライムは食材として美味しくいただくことを提案しました。
「なるほど、スライムを食したのは初めてだが大変美味であった」
「色によって味が違うんですっ! 赤色は辛く、青色はさっぱり、緑色は草の味がしますっ!」
食費も浮きますし、経験値まで得られるなんてスライム様様です。
「リリーナ、こちらへおいで」
プディングを食べ終えられた魔王様が、ご自身の膝をポンポンと叩かれました。
もっ、もしや膝の上に座れ、という意味でしょうか……!?
「えっと、しっ、失礼しますっ!」
私はぺこりと頭を下げてから、ゆっくりガロンストロフ様の膝へ腰を下ろしました。
やはり男性のお体は筋肉質で、とてもガッシリしていらっしゃいます。
「リリーナは良い香りがするな」
「ほえっ!?」
髪の毛をクンクンされて、嬉しいやら恥ずかしいやらで変な声が出てしまいました……!
昨日、マンドラゴラの特製エキス入りのシャンプーでしっかり洗っておいて良かったです。
ちなみにマンドラゴラに含まれる毒性は、ごく少量なら美容に効果的だということが魔術師や錬金術師によって解明されました。
お陰様で髪の毛が艶々です。
「こうしているとリリーナを連れてきた時のことを思い出す」
「? ……私をどこから連れてきたのですか?」
ガロンストロフ様はすぐにはお答えにならず、私の頭を撫でていらっしゃいます。
こ、こんなにお顔が近いのは初めてで、私、これ以上はもう……!
「どこからかって? もちろん天界からさ」
「てんかい……? 天国のことですか?」
「ああ。リリーナ、君は神の寵愛を受けた天使なのだよ」
「わっ、私が天使ですかっ!?」
天使といえば白くまばゆい二対の翼に、金色の輪っかが印象的です。
清らかで美しく、彼らの歌声を聴いた者は幸せな生涯を送れると言われています。
私みたいに、おっちょこちょいでせっかちなしがないメイド、天使であるはずがありません。
ガロンストロフ様も、ご冗談をおっしゃるユーモアをお持ちだったとは!
「さあ、お眠り」
「……スヤァ」
睡眠魔法を掛けられ、私は眠りに落ちました。
そんな私をガロンストロフ様は、愛しそうに見下ろしていらっしゃったのです。
「俺の可愛いリリーナ。決して離しはしない、永遠に」
ぼんやりとした意識の片隅で、唇に何かが触れるのを感じます。
あたたかくて柔らかな感触は、まるで――そこで私は意識を完全に手放しました。
「今夜も俺の腕の中で幸せな夢を見るのだよ。愛するリリーナ」
私は夢を見ていました。
白い翼を羽ばたかせ、どこまでも続く大空を飛ぶ夢です。
ラッパを吹こうとして、自分の部屋に忘れてきたのに気づきました。
このラッパを吹くと世界が終わると伝えられています。
大切なお役目、絶対に失敗など許されません!
急いで部屋に戻るため羽ばたこうとして、誰かに捕まってしまいました。
背が高く、頭には二本の雄々しい立派なツノが生えています。
(この方はもしかして――)
しかしお顔が見えることはありませんでした。
荒々しくも情熱的に、唇を奪われてしまったのです。
神様からの穏やかな愛しか知らない私は、一瞬で恋に落ちました。
美しい翼の羽は抜け落ち、金色の輪っかは消失し、天使としての記憶を全て無くしたのです。
ガロンストロフ様からの溺れてしまいそうな愛によって、私は生かされています。
他の天使たちがラッパを吹くその日まで。
――おそらく目覚めたら、またしても忘れていることでしょう。
「むにゃむにゃ……ガロンストロフ様……愛していま、す……」
ダリアット王国をお治めになっている魔王様――ガロンストロフ・ローゼンベルグ様にお仕えしているしがないメイドです。
「ああっ、ガロンストロフ様、今日も素敵ですっ!」
長身で精悍なお顔立ち。
宝石のように輝く緋色の瞳。
腰まで伸ばした黒髪は艶やかで、動かれる度にサラサラと涼しげな音を鳴らしていらっしゃいます。
そして魔王である証――頭から生えた二本のツノは逞しくも優美で、思わず見惚れてしまうのです。
「リリーナ、心の声が漏れているぞ」
「きゃっ! 申し訳ございませんっ!」
ゴホン、私としたことが……!
いつもの癖で無意識のうちに喋ってしまいました。
私は手にしていたふわふわのウールダスターで、真っ赤になった顔を覆い隠します。
ガロンストロフ様はドラゴンの皮で作られた、一人掛けの豪奢なソファに腰を下ろされました。
前髪を右手で優雅にかき上げ、目を閉じてゆっくりと深呼吸をなさいます。
長いまつ毛の何と美しいこと!
「リリーナ、茶を入れてくれないか」
「はいっ! 直ちにお入れいたしますっ!」
私はぺこりと頭を下げると、書斎から急いで厨房に向かいました。
「コラッ! リリーナちゃん、廊下を走らないの!」
「はわわっ! すみませんっ!」
魔王城で働くゾンビのおばちゃんに、注意されてしまいました。
見た目は少し怖いけれど、気さくで優しいおばちゃんたち。でも仕事の時はとっても厳しいんです。もう何千回、叱られたことか。
愛するガロンストロフ様にお仕えするメイドたるもの、立ち居振る舞いにも気を使わなければ……!
そう自分に言い聞かせながら、私はルンルンスキップで厨房に向かいます。
「スキップもダメ!」
「はううっ!」
♢♢♢
「おや、リリーナちゃん、魔王様にお茶をお出しするのかい?」
「はいっ! ガロンストロフ様、すごーくお疲れのようなのですっ!」
「それなら熱々のお茶と甘いデザートを一緒にお持ちしてあげな」
厨房で働くドワーフのおばちゃんが、ゴブリンの肉を捌きながら笑顔でアドバイスしてくれました。
小柄で陽気なおばちゃんの作るお料理は本当に美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまうんです。
魔王城に来たばかりの頃は体重が増えて、仕立ててもらったメイド服がキツくなってかなり焦りました……!
今は毎朝、魔王城の周りを二十周走っているので大丈夫です。
「茶葉ヨシ! お湯ヨシ! デザートヨシ!」
「別に指差し確認までしなくてもいいんだよ」
「いえっ! ガロンストロフ様にお出しするからにはきちんと確認しなくてはいけませんっ!」
「はは、そうかい。でも肝心のティーカップを忘れてるよ」
「うきゃあっ!」
♢♢♢
お茶とデザートを乗せた銀製のトレイを両手で持ちながら、薄暗い廊下を早歩きします。
箒で掃き掃除をしているゾンビのおばちゃんにも、今度は注意されませんでした。
「ガロンストロフ様、お待たせいたしましたっ!」
ドラゴンの骨で作られた白亜色のテーブルに、ティーカップとデザートを乗せたお皿を静かに置きます。
「うむ、ご苦労であった」
猛禽類のような鋭い目つきからは想像できない優しい声音でお礼を言われ、私は身悶えしてしまいました。
「ああっ、ガロンストロフ様、とても素敵ですっ!」
「リリーナ、また心の声が漏れているぞ」
「きゃっ! 申し訳ございませんっ!」
恥ずかしさのあまり、手にしていたトレイで真っ赤になった顔を覆い隠します。
「やはりリリーナの入れた茶は美味いな」
「ありがとうございますっ!」
頭をぺこぺこ下げる私を見ながら、ガロンストロフ様は微笑まれました。
すると辺りに芳しい香りを漂わせる薔薇が、祝福するかのようにパアァッと咲き誇ったのです。
「はううっ!」
こっ、これは目の保養すぎます、ガロンストロフ様……!
「鼻血が出ているではないか」
「すっ、すぐに拭きますでありますっ!」
メイド服のポケットからハンカチを取り出そうとすると、ガロンストロフ様がほとんど口を開けずに小声で呪文を唱えられます。
すぐさま溢れんばかりの鼻血がピタリと止まりました。
さすがガロンストロフ様、魔力も万能かつ強力です。
「まったく、リリーナといると飽きることがない」
「っ……?」
「どうして自分が此処へ来たのか、まだ思い出せないのか?」
「えっと、目が覚めたら魔王城にいて……あとは分かりませんっ!」
緋色の目を細め、私をじっと見つめられるガロンストロフ様。私の顔に何かついているのでしょうか……?
ですが、すぐさま視線をテーブルへ落とされました。
「この青色をしたデザートは――」
「はいっ! こちらはスライムのプディングになりますっ!」
「甘いのに爽やかな味わいが癖になるな」
「今朝まで生きていましたから鮮度抜群ですっ!」
魔王城の周辺には、たくさんのスライムが出現します。
見た目はとっても可愛らしいのですが意外と攻撃的で危険なため、退治したスライムは食材として美味しくいただくことを提案しました。
「なるほど、スライムを食したのは初めてだが大変美味であった」
「色によって味が違うんですっ! 赤色は辛く、青色はさっぱり、緑色は草の味がしますっ!」
食費も浮きますし、経験値まで得られるなんてスライム様様です。
「リリーナ、こちらへおいで」
プディングを食べ終えられた魔王様が、ご自身の膝をポンポンと叩かれました。
もっ、もしや膝の上に座れ、という意味でしょうか……!?
「えっと、しっ、失礼しますっ!」
私はぺこりと頭を下げてから、ゆっくりガロンストロフ様の膝へ腰を下ろしました。
やはり男性のお体は筋肉質で、とてもガッシリしていらっしゃいます。
「リリーナは良い香りがするな」
「ほえっ!?」
髪の毛をクンクンされて、嬉しいやら恥ずかしいやらで変な声が出てしまいました……!
昨日、マンドラゴラの特製エキス入りのシャンプーでしっかり洗っておいて良かったです。
ちなみにマンドラゴラに含まれる毒性は、ごく少量なら美容に効果的だということが魔術師や錬金術師によって解明されました。
お陰様で髪の毛が艶々です。
「こうしているとリリーナを連れてきた時のことを思い出す」
「? ……私をどこから連れてきたのですか?」
ガロンストロフ様はすぐにはお答えにならず、私の頭を撫でていらっしゃいます。
こ、こんなにお顔が近いのは初めてで、私、これ以上はもう……!
「どこからかって? もちろん天界からさ」
「てんかい……? 天国のことですか?」
「ああ。リリーナ、君は神の寵愛を受けた天使なのだよ」
「わっ、私が天使ですかっ!?」
天使といえば白くまばゆい二対の翼に、金色の輪っかが印象的です。
清らかで美しく、彼らの歌声を聴いた者は幸せな生涯を送れると言われています。
私みたいに、おっちょこちょいでせっかちなしがないメイド、天使であるはずがありません。
ガロンストロフ様も、ご冗談をおっしゃるユーモアをお持ちだったとは!
「さあ、お眠り」
「……スヤァ」
睡眠魔法を掛けられ、私は眠りに落ちました。
そんな私をガロンストロフ様は、愛しそうに見下ろしていらっしゃったのです。
「俺の可愛いリリーナ。決して離しはしない、永遠に」
ぼんやりとした意識の片隅で、唇に何かが触れるのを感じます。
あたたかくて柔らかな感触は、まるで――そこで私は意識を完全に手放しました。
「今夜も俺の腕の中で幸せな夢を見るのだよ。愛するリリーナ」
私は夢を見ていました。
白い翼を羽ばたかせ、どこまでも続く大空を飛ぶ夢です。
ラッパを吹こうとして、自分の部屋に忘れてきたのに気づきました。
このラッパを吹くと世界が終わると伝えられています。
大切なお役目、絶対に失敗など許されません!
急いで部屋に戻るため羽ばたこうとして、誰かに捕まってしまいました。
背が高く、頭には二本の雄々しい立派なツノが生えています。
(この方はもしかして――)
しかしお顔が見えることはありませんでした。
荒々しくも情熱的に、唇を奪われてしまったのです。
神様からの穏やかな愛しか知らない私は、一瞬で恋に落ちました。
美しい翼の羽は抜け落ち、金色の輪っかは消失し、天使としての記憶を全て無くしたのです。
ガロンストロフ様からの溺れてしまいそうな愛によって、私は生かされています。
他の天使たちがラッパを吹くその日まで。
――おそらく目覚めたら、またしても忘れていることでしょう。
「むにゃむにゃ……ガロンストロフ様……愛していま、す……」
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