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竜と虹色宝石のお姫様
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むかしむかし ある国に
ひとりの可憐な お姫様
黄金の髪の毛 ふわふわり
青く丸い瞳は きらきらで
微笑む姿に皆 つられ
国中 笑顔で溢れてた
ある時 長い眠りから
竜が目覚めて 大騒ぎ
助かりたければ 姫様を
差し出せ 宝石纏わせて
誰もが反対したけれど
心優しい姫様 洞窟へ
初めまして、こんにちは
姫様 優雅にカーテシー
口から火を吹く竜が問う
俺が怖くないのか、と
姫様 笑顔で首を横に振る
はい、怖くなどありません
ならば、これならどうだと
尻尾が巻きつき締め上げた
苦しい……意識が遠のきそう
それでも姫様 笑顔のままで
竜の体にそっと触れ
鱗が一枚 無い部分
竜のために 目を閉じる
すると身に纏った宝石が
七色輝き 虹が出た
傷の癒えた竜は翔ぶ
たくさん 虹が重なって
宝石 七色のままでいた
夜空を駆ける 竜のあと
ひとりの凛々しい青年が
呪いを解かれ 人の子に
戻ることが できたのだ
助けてくれてありがとう
華奢な姫様 抱きしめて
幾千年もの 歴史の中で
人間と魔王は戦いやめず
勇敢なる 隣国の王子様
国と愛する民を救うため
ついに魔王を 打ち負かす
けれども呪いを掛けられて
竜の姿へ変えられた
二本の角に大きな翼
広い洞窟 一面覆う
紅玉 蒼玉 翠玉
宝石 全て食い尽くし
腹が満たされ微睡んだ
長い長い 眠りの中で
やがて竜は 忘れられ
人間と人間が争い合う
眠りながら 竜は泣く
隣国 他国に攻め込まれ
地図から名前が消えてしまう
それから更に月日は流れ
世界は 平和を取り戻す
もはや誰も竜を覚えていない
眠りながら 竜はなおも泣く
ですが 王家の者にのみ
語り継がれていたのです
驚く彼は 目を見開き
寝覚めた経緯話し出す
盗人 洞窟やって来て
鱗を肉ごと剥がされた
流れ出る血は 薔薇のよう
痛みで俺は漸く起きたのだ
盗人 鱗を落とし逃げて行く
俺は咆哮を上げ 怒り狂う
どうして人間はこんなにも
愚かで救い難いのだろう?
それでも愛されたかった竜の君
真実の愛を求めて 手を伸ばす
さぞ お辛かったことでしょう
優しく 王子様の背中を撫でた
自分のために 清い涙を流す
彼女に彼は 強く心を打たれ
二人は互いに 見つめ合い
ゆっくり唇重ね 微笑んだ
ああ これは絶対に運命よ
私は一目で恋に落ちたもの
姫様 竜の時から王子様
見極め惹かれた 内面に
二人結ばれ 永遠の愛
神に大地に祝福される
それから国は ますます栄え
虹色宝石 今も燦然と輝いて
ひとりの可憐な お姫様
黄金の髪の毛 ふわふわり
青く丸い瞳は きらきらで
微笑む姿に皆 つられ
国中 笑顔で溢れてた
ある時 長い眠りから
竜が目覚めて 大騒ぎ
助かりたければ 姫様を
差し出せ 宝石纏わせて
誰もが反対したけれど
心優しい姫様 洞窟へ
初めまして、こんにちは
姫様 優雅にカーテシー
口から火を吹く竜が問う
俺が怖くないのか、と
姫様 笑顔で首を横に振る
はい、怖くなどありません
ならば、これならどうだと
尻尾が巻きつき締め上げた
苦しい……意識が遠のきそう
それでも姫様 笑顔のままで
竜の体にそっと触れ
鱗が一枚 無い部分
竜のために 目を閉じる
すると身に纏った宝石が
七色輝き 虹が出た
傷の癒えた竜は翔ぶ
たくさん 虹が重なって
宝石 七色のままでいた
夜空を駆ける 竜のあと
ひとりの凛々しい青年が
呪いを解かれ 人の子に
戻ることが できたのだ
助けてくれてありがとう
華奢な姫様 抱きしめて
幾千年もの 歴史の中で
人間と魔王は戦いやめず
勇敢なる 隣国の王子様
国と愛する民を救うため
ついに魔王を 打ち負かす
けれども呪いを掛けられて
竜の姿へ変えられた
二本の角に大きな翼
広い洞窟 一面覆う
紅玉 蒼玉 翠玉
宝石 全て食い尽くし
腹が満たされ微睡んだ
長い長い 眠りの中で
やがて竜は 忘れられ
人間と人間が争い合う
眠りながら 竜は泣く
隣国 他国に攻め込まれ
地図から名前が消えてしまう
それから更に月日は流れ
世界は 平和を取り戻す
もはや誰も竜を覚えていない
眠りながら 竜はなおも泣く
ですが 王家の者にのみ
語り継がれていたのです
驚く彼は 目を見開き
寝覚めた経緯話し出す
盗人 洞窟やって来て
鱗を肉ごと剥がされた
流れ出る血は 薔薇のよう
痛みで俺は漸く起きたのだ
盗人 鱗を落とし逃げて行く
俺は咆哮を上げ 怒り狂う
どうして人間はこんなにも
愚かで救い難いのだろう?
それでも愛されたかった竜の君
真実の愛を求めて 手を伸ばす
さぞ お辛かったことでしょう
優しく 王子様の背中を撫でた
自分のために 清い涙を流す
彼女に彼は 強く心を打たれ
二人は互いに 見つめ合い
ゆっくり唇重ね 微笑んだ
ああ これは絶対に運命よ
私は一目で恋に落ちたもの
姫様 竜の時から王子様
見極め惹かれた 内面に
二人結ばれ 永遠の愛
神に大地に祝福される
それから国は ますます栄え
虹色宝石 今も燦然と輝いて
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