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湯気
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「また雪が降っているの?」
エマは椅子に腰かけ、むっとした様子で窓の外の景色を一瞥する。
「もうこれで五日も降り続けているわ。いい加減、雪景色を見るのは飽きちゃった」
陰気な灰色の空からは、しんしんと雪が止めどなく降っている。
この調子では、今日も屋敷に籠らなければならないだろう。
冬も半ばに差し掛かり、日ごとに寒さを増して雪はエマを包囲した。
それに負けじと片っ端から書庫に保管されている紙の本を読み漁り、大昔の有名な映画を何十本も鑑賞した。
もちろん学業にも余念はない。
毎日、ホログラム映像による対話で必要なカリキュラムを難なくクリアし、かつて人工知能と呼ばれた専属講師から大いに褒められた。
エマの隣にはいつもユーリが居て、身の回りの世話をそつなくこなしていた。
何一つ不自由の無い、文化的で幸福な暮らし。
だが、何かが足りない。
本能的に心の底から欲する何かが。
「お嬢様、ココアをお持ちしいたしましょうか?」
エマが思い悩んでいると時、ユーリは決まって温かい飲み物を薦めた。
そうすることで得られる効果が、多少なりともエマのためになるからだと認識していたからだった。
「ええ、いただくわ」
先ほどより幾分、表情を和らげてエマは答える。
ココアはエマの大好きな飲み物だったし、自立型機械であるユーリが作るとより一層、美味しくなるのだ。
「では、少々お待ちください」
そう言い、ユーリは部屋を出た。
エマは再び外の寒々しい景色に目をやる。
小さな頃は雪が降るとはしゃいで、鼻先が真っ赤になるまで遊んでいたのに。
いつから鬱陶しいと感じるようになったのだろう?
(これが大人になるということなのかしら――?)
エマは十二歳だったが、精神面は見た目よりもずっと成長していた。
もう絵本のおとぎ話は読まないし、ぬいぐるみや人形たちとも遊ばない。
ユニコーンは森に棲んでいないし、魔女は箒に跨がって夜空を飛ばない。
ただ人は人として宇宙船に乗り、銀河の縁にいることも忘れて我が物顔で闊歩する。
そして遠くない将来、自分も同じように振る舞うことを強要されるのだ。
そう考えるとひどく落胆した。
普段は快活なエマがここまで後ろ向きな気分になるのも、全て雪のせいに違いない。
一見無害に見える白いものたちは、静かにエマと世界を隔てる壁となる。
立派な屋敷もこんな時には、ただただ孤独を増長させるだけだった。
人間はエマ一人だけ。
身の回りの世話は、ユーリがいれば事足りる。
大昔はエマが住む屋敷ほどの規模になれば、人間の使用人が大勢いたのだと聞いたことがある。
もしそうであったならば、この孤独も感じることは無いのかもしれない。
いや、ユーリはいつでも善き話し相手であるし、同時に友人であり最良の保護者でもある。
自分がこんな気持ちを抱いていると知ったら、傷つくだろうか?
(きっとそうよ、だってユーリは誰よりも人間らしいのだから――)
堂々めぐりだ。
頭の中で思考の糸が複雑に縺れ、どうにもならない。
外がこんな天気でなかったら、庭園の色鮮やかな花々を眺めながら香りを楽しめるのに。
ちょっと足を伸ばして、緑豊かな公園に行ってもいい。
そうすれば親友のアイリスに会えるかもしれないと考え、すぐに彼女は現在プロキシマにいることを思い出して、その事実に押しつぶされそうになる。
彼女はいち早く、大人の仲間入りを果たしたのだ。
エマはかけがえのない親友を取られたような気分になり、行き場の無い苛立ちと悲しみに胸が苦しくなった。
不意にドアを叩く音が室内に響いた。
「お待たせいたしました」
ユーリは規則正しい足取りで、部屋の中へと入って来た。
手に銀のトレイを持ち、白い湯気が立つマグカップを無駄のない所作でエマの目の前へと置いた。
「ありがとう」
エマはすぐには飲まず、まずはゆっくりと匂いを楽しむ。
子どもの頃から、ココアの甘ったるい香りがたまらなく好きだった。
現代では大変貴重となったカカオ豆を使っているため、あまり頻繁には飲めなかったが、普通の人の倍はその機会を得ているだろう。
心の中で感謝をしつつ、そっと一口飲んだ。
やや間があってから、エマの表情がみるみるうちに等身大の少女のものになる。
「――美味しい」
エマはマホガニー色の瞳を細め、うっとりとした様子でマグカップの中を見つめていた。
立ち上る湯気は、まるでたなびく雲のようだ。
ユーリは恭しく頭を下げる。
エマは構わず一口、また一口と飲んだ。
その度に濃厚な甘さの魅力に浸り、体の芯からぽかぽかと温かくなる。
すると不思議とすっかり気分も良くなり、前向きな気持ちになるのだった。
「寒い日に飲むココアだからこそ美味しく感じるのよね」
エマは誰かに語りかけるよう、独り言つ。
ユーリは黙って耳を傾けていた。
「ふた月でたくさんの紙の本を読んだし、前から気になっていた映画を観る時間もたっぷりあったわ。勉強だっていつもより集中することが出来たの。これが春や夏ならそうはいかないはずよね」
エマはくすりと笑い、残りのココアを余す事なく上品に飲み干した。
「ごちそうさま。いつも本当にありがとう、ユーリ」
エマはユーリを見つめた。
たとえ広大な屋敷にいる一人きりの人間だとしても、今は苦にならないと感じていた。
いつもユーリがそばに居て、献身的に支えてくれる。
インターネットを利用すれば専属講師と気が済むまで意見を交わせるし、その気になれば雪の中を散策してもいい。
きっと雪遊びに夢中になっている子どもや、本物そっくりに作られた犬を散歩させている人々がいるだろう。
エマは柔く降り積もった、絨毯のような新雪を踏みしめる感触を思い出すとわくわくした。
「ねえ、雪が止んだら外へ行きましょう」
ユーリはエマの心境の変化を感じ取ると、優しく微笑みながら頷いた。
「では、何か温かい飲み物を持っていきましょう」
「じゃあ……ココアがいいわ、ダメかしら?」
少し伏し目がちにユーリを見上げる。
エマなりに、わがままを言っていることは分かっていた。
「いえ、今月の蓄えはまだ残っていますのでそういたしましょう」
「本当? 嬉しい!」
エマは無邪気に笑む。
その顔にはもう不満の気配は無く、これから向かう世界への期待に満ち満ちていた。
人間というのは、スイッチを切り替えるようにこうも容易く感情が変わるものだとユーリは改めて学んだ。
もし、何かしらの不安があって感情が流れていきそうならば堰き止め、反対へと向かわせればよい。
今回はココアがその役割を果たしてくれた。
やはり人間の三大欲求である食欲へ干渉するのが、一番効果的なのかもしれない。
しばらくはこれでやり過ごせるかもしれないが、思春期の少女ほど扱いにくいものはない。
かつて小さな子どもだった主人も、多感な時期に入りつつあった。
ユーリはあとどれくらいエマのそばに居られるか詳細に知っていたが、彼の口から伝えることは許されていない。
その時が来たら、エマが一人で乗り越えるべき課題なのだ。
そうこうしているうちに、雪が降り止んだ。
結露した窓を指先で拭き外を眺めると、太陽の光を浴びてキラキラと輝く雪景色がどこまでも広がっていた。
まっさらな白銀の世界を、エマは我が物顔で闊歩するのだ。
本能的に心の底から欲していることを、まだ知らずに。
エマは椅子に腰かけ、むっとした様子で窓の外の景色を一瞥する。
「もうこれで五日も降り続けているわ。いい加減、雪景色を見るのは飽きちゃった」
陰気な灰色の空からは、しんしんと雪が止めどなく降っている。
この調子では、今日も屋敷に籠らなければならないだろう。
冬も半ばに差し掛かり、日ごとに寒さを増して雪はエマを包囲した。
それに負けじと片っ端から書庫に保管されている紙の本を読み漁り、大昔の有名な映画を何十本も鑑賞した。
もちろん学業にも余念はない。
毎日、ホログラム映像による対話で必要なカリキュラムを難なくクリアし、かつて人工知能と呼ばれた専属講師から大いに褒められた。
エマの隣にはいつもユーリが居て、身の回りの世話をそつなくこなしていた。
何一つ不自由の無い、文化的で幸福な暮らし。
だが、何かが足りない。
本能的に心の底から欲する何かが。
「お嬢様、ココアをお持ちしいたしましょうか?」
エマが思い悩んでいると時、ユーリは決まって温かい飲み物を薦めた。
そうすることで得られる効果が、多少なりともエマのためになるからだと認識していたからだった。
「ええ、いただくわ」
先ほどより幾分、表情を和らげてエマは答える。
ココアはエマの大好きな飲み物だったし、自立型機械であるユーリが作るとより一層、美味しくなるのだ。
「では、少々お待ちください」
そう言い、ユーリは部屋を出た。
エマは再び外の寒々しい景色に目をやる。
小さな頃は雪が降るとはしゃいで、鼻先が真っ赤になるまで遊んでいたのに。
いつから鬱陶しいと感じるようになったのだろう?
(これが大人になるということなのかしら――?)
エマは十二歳だったが、精神面は見た目よりもずっと成長していた。
もう絵本のおとぎ話は読まないし、ぬいぐるみや人形たちとも遊ばない。
ユニコーンは森に棲んでいないし、魔女は箒に跨がって夜空を飛ばない。
ただ人は人として宇宙船に乗り、銀河の縁にいることも忘れて我が物顔で闊歩する。
そして遠くない将来、自分も同じように振る舞うことを強要されるのだ。
そう考えるとひどく落胆した。
普段は快活なエマがここまで後ろ向きな気分になるのも、全て雪のせいに違いない。
一見無害に見える白いものたちは、静かにエマと世界を隔てる壁となる。
立派な屋敷もこんな時には、ただただ孤独を増長させるだけだった。
人間はエマ一人だけ。
身の回りの世話は、ユーリがいれば事足りる。
大昔はエマが住む屋敷ほどの規模になれば、人間の使用人が大勢いたのだと聞いたことがある。
もしそうであったならば、この孤独も感じることは無いのかもしれない。
いや、ユーリはいつでも善き話し相手であるし、同時に友人であり最良の保護者でもある。
自分がこんな気持ちを抱いていると知ったら、傷つくだろうか?
(きっとそうよ、だってユーリは誰よりも人間らしいのだから――)
堂々めぐりだ。
頭の中で思考の糸が複雑に縺れ、どうにもならない。
外がこんな天気でなかったら、庭園の色鮮やかな花々を眺めながら香りを楽しめるのに。
ちょっと足を伸ばして、緑豊かな公園に行ってもいい。
そうすれば親友のアイリスに会えるかもしれないと考え、すぐに彼女は現在プロキシマにいることを思い出して、その事実に押しつぶされそうになる。
彼女はいち早く、大人の仲間入りを果たしたのだ。
エマはかけがえのない親友を取られたような気分になり、行き場の無い苛立ちと悲しみに胸が苦しくなった。
不意にドアを叩く音が室内に響いた。
「お待たせいたしました」
ユーリは規則正しい足取りで、部屋の中へと入って来た。
手に銀のトレイを持ち、白い湯気が立つマグカップを無駄のない所作でエマの目の前へと置いた。
「ありがとう」
エマはすぐには飲まず、まずはゆっくりと匂いを楽しむ。
子どもの頃から、ココアの甘ったるい香りがたまらなく好きだった。
現代では大変貴重となったカカオ豆を使っているため、あまり頻繁には飲めなかったが、普通の人の倍はその機会を得ているだろう。
心の中で感謝をしつつ、そっと一口飲んだ。
やや間があってから、エマの表情がみるみるうちに等身大の少女のものになる。
「――美味しい」
エマはマホガニー色の瞳を細め、うっとりとした様子でマグカップの中を見つめていた。
立ち上る湯気は、まるでたなびく雲のようだ。
ユーリは恭しく頭を下げる。
エマは構わず一口、また一口と飲んだ。
その度に濃厚な甘さの魅力に浸り、体の芯からぽかぽかと温かくなる。
すると不思議とすっかり気分も良くなり、前向きな気持ちになるのだった。
「寒い日に飲むココアだからこそ美味しく感じるのよね」
エマは誰かに語りかけるよう、独り言つ。
ユーリは黙って耳を傾けていた。
「ふた月でたくさんの紙の本を読んだし、前から気になっていた映画を観る時間もたっぷりあったわ。勉強だっていつもより集中することが出来たの。これが春や夏ならそうはいかないはずよね」
エマはくすりと笑い、残りのココアを余す事なく上品に飲み干した。
「ごちそうさま。いつも本当にありがとう、ユーリ」
エマはユーリを見つめた。
たとえ広大な屋敷にいる一人きりの人間だとしても、今は苦にならないと感じていた。
いつもユーリがそばに居て、献身的に支えてくれる。
インターネットを利用すれば専属講師と気が済むまで意見を交わせるし、その気になれば雪の中を散策してもいい。
きっと雪遊びに夢中になっている子どもや、本物そっくりに作られた犬を散歩させている人々がいるだろう。
エマは柔く降り積もった、絨毯のような新雪を踏みしめる感触を思い出すとわくわくした。
「ねえ、雪が止んだら外へ行きましょう」
ユーリはエマの心境の変化を感じ取ると、優しく微笑みながら頷いた。
「では、何か温かい飲み物を持っていきましょう」
「じゃあ……ココアがいいわ、ダメかしら?」
少し伏し目がちにユーリを見上げる。
エマなりに、わがままを言っていることは分かっていた。
「いえ、今月の蓄えはまだ残っていますのでそういたしましょう」
「本当? 嬉しい!」
エマは無邪気に笑む。
その顔にはもう不満の気配は無く、これから向かう世界への期待に満ち満ちていた。
人間というのは、スイッチを切り替えるようにこうも容易く感情が変わるものだとユーリは改めて学んだ。
もし、何かしらの不安があって感情が流れていきそうならば堰き止め、反対へと向かわせればよい。
今回はココアがその役割を果たしてくれた。
やはり人間の三大欲求である食欲へ干渉するのが、一番効果的なのかもしれない。
しばらくはこれでやり過ごせるかもしれないが、思春期の少女ほど扱いにくいものはない。
かつて小さな子どもだった主人も、多感な時期に入りつつあった。
ユーリはあとどれくらいエマのそばに居られるか詳細に知っていたが、彼の口から伝えることは許されていない。
その時が来たら、エマが一人で乗り越えるべき課題なのだ。
そうこうしているうちに、雪が降り止んだ。
結露した窓を指先で拭き外を眺めると、太陽の光を浴びてキラキラと輝く雪景色がどこまでも広がっていた。
まっさらな白銀の世界を、エマは我が物顔で闊歩するのだ。
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