【最弱勇者】100回目の転生

黒崎

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【後編】魔界の救済

マオ vs ドレッド

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「へへっ、これで誰にも邪魔されねぇ…決着を付けようじゃないかマオ。」
「ふっ、僕に盾突いたことを後悔すると良い!」

ドレッドは剣を抜いて斬りかかるとマオも負けじと応戦したが、ドレッドの圧倒的な攻撃力の前に為す術もなく倒れてしまう。

「くそっ!ここまでか!!」
「へへっ、じゃあな。」

そう言うとドレッドはマオの心臓めがけて剣を突き刺した。しかし、手応えがない。

「これは幻影か!?」
「報告を受けていたとおりか、所詮アースガルドの魔族の力などこんなものか。」

ドレッドの背後にマオが現れると、ドレッドの身体が黒いオーラに包まれる。

「ぐあああっ!!力が……抜けていく!!」

マオは魔法を唱えてドレッドの動きを止めると、ドレッドは膝をついて息を荒げる。

「クッ…!ハァハァ……。」
「喰らえ!暗黒球!」

強大な鉄球が現れると弱体化したドレッドのもとへと向かう。
「ふっ、勝負あったな……。」
だが、鉄球がドレッドにぶつかるとそのまま弾かれてしまった。
「何だと……!?」

突然の事態に驚いたマオはドレッドのステータスを確認する。

「物理攻撃と全属性無効のスキルだと!?こんな報告聞いてないぞ!!」

マオは取り乱すも直ぐに勇者がドレッドに与えたスキルだということに気が付く。

「勇者め、こしゃくな真似を。だが、そんなスキルは存在ごと消せば意味はない!」

マオは元素変換の魔法を唱え始めた。

「さよならだ、ドレッド将軍。」

俺はこのままやられるのか。ドレッドは観念し目を瞑る。

〖俺、大きくなったら勇者になるぜ、カッコいいだろ!〗
〖バーカ、お前みたいな脳筋な魔族が勇者になれるかよー!せいぜい騎士だろ!〗
〖んだとー!!〗

あの頃が懐かしい。回想とともに最愛の人の顔を思い浮かべると微かにほほ笑んだ。

「……勇者よ、さらばだ。」

ドレッドがそう呟くと辺り一面光に包まれた。
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