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ゴルヴェール四天王…
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ヴェルトール王国がモンゲル王国戦に勝利した事でボードル平原の戦いと名付けられた戦から数週間が経っていた。第四騎士団の兵士達は普段通りの訓練に明け暮れ、マタザは団長室で机に短い足を投げ出して左手にピーナッツをどっさり入れた皿を持ってボリボリと音を立てながら寛いでいた。
「失礼致します。マタザ団長、ネレスを連れて参りました。」
ドアを開け、筋肉隆々のサージと痩せぎすなネレスが団長室に入る。マタザは特にポージングは変えずピーナッツを鷲掴みにして口の中へと投げ入れた。
「(ボリボリ)、ほーひたへえす。ひんみんはいの…」
「マタザ様、口の中のピーナッツを呑み込んで下さい。…飛んでおります。」
マタザはサージに注意されたので机にある紅茶に手を伸ばし無造作に飲み口の中を空にする。
「ネレス、貧民街の孤児院には帰っておるのか?」
マタザに聞かれた途端に不機嫌になるネレス。
「…帰ってない。」
マタザは彼の言葉と様子を見て眉間の皺を刻む。
「お前は“シスター・レェナ”との喧嘩をまだ気にしとるのか?
何年もウジウジしおってからに…。
今は立派に我が第四騎士団の四天王を…」
「やめろよそれ、四天王って何?…国王以外が王とか名乗っていいの?」
ネレスの態度と歯に衣着せない言葉遣いにマタザはこめかみに青筋を浮かせるが、サージからも叱責されてしまう。
「マタザ団長、国内で国王以外の方が王を名乗るのはさすがに不敬罪に値します…。」
二人に説かれ“ぐぬぬ…っ”、と唸りサージとネレスを睨むマタザであったが気持ちを切り替えて話を続けた。
「ネレス、今はもう立派な騎士となり、自分で稼いだ給金で孤児院に寄付し助けておるのだ。
シスター・レェナと仲直りしても良いのではないか?
…彼女も心配しておるぞ。」
シスター・レェナ、貧民街の孤児院を切り盛りしているヴェルトール国教であるアルカナ教団の修道女であり、ネレスの幼馴染である。
レェナはアルカナ教団に入教し、年老いていた孤児院長が身体を悪くして国へ帰る事になり、新たな院長として孤児院を継いでいた。
しかし孤児院の運営資金はアルカナ教団のヴェルトール王国支部より出ており、補助金だけではギリギリの資金繰りなので足りない所をネレスが稼いで補っていた。
第四騎士団に入団していない数年前までは城下でチンピラ一味のグループに入り盗みや詐欺等の犯罪に手を染めていたネレスは犯罪で稼いでいた金を孤児院に入れていたのでそれを知ったシスター・レェナに絶交を言い渡され、孤児院から追い出されてしまっていた。
チンピラ一味も第四騎士団に皆摘発されてネレスも犯罪者として奴隷落ちする筈であったがシスター・レェナの減罪の訴えと孤児院にお金を入れてくれていたと云う証言からマタザの鶴の一声で第四騎士団へ無理矢理入団させたのである。
それからネレスは兵士の訓練を自分なりに熟したが彼のスタイルは後ろからの不意打ちや死角を狙った攻撃が多く、元犯罪者でもあったので当初は仲間から嫌われていた。
しかしマタザは彼の卑怯な戦い方を否定せずに彼に言った。
「戦は乱戦が殆どじゃ。卑怯もへったくれもないわい。死角、背後への奇襲戦法…極めてみせい、ネレス。」
今まで否定され続けていたネレスは自分を肯定してくれたマタザに感涙し…心酔する。生意気な態度と言葉遣いではあるが彼なりにマタザを傾倒していた。
そんなネレスは幼馴染であるシスター・レェナに絶縁されてから孤児院には帰っておらず、御給金の半分を孤児院に送っていた。
「レェナにどんな顔して会えばいいか分からないから行かない。」
次の瞬間、マタザの拳骨がネレスの頭をガツン!と打ち据えた。
「くだらん意地張らずにこれから孤児院行くぞ、貴様は儂の護衛だ!!」
「…な、何しに行くんだよ?」
拳骨を受けた頭を擦り仏頂面のネレスが尋ねる。
「只の慰問じゃ、最近は戦のせいで様子見に行けんかったからな。」
実はネレス入団の頃からマタザは孤児院を気にかける様になっていた。その縁から妻であるフランソワも孤児院の子供達にちょくちょく贈り物を送っていた。
「サージ、ネレスと三人程連れて孤児院行ってくるから後頼むぞ。」
「はぁ…、また自分勝手な…。了解致しました。」
そして馬車一台に騎馬二頭が用意され、マタザ一行は孤児院へと向かった。
サージは彼等を見送り、庁舎訓練場へと足を伸ばす。訓練場ではエクレア・ラプラウスが兵士達を声を張り上げながら叱咤指導をしていた。兵士達は広い訓練場で整列して腕立て伏せを繰り返していた。
「腕立て伏せ百回終えた者から宿舎へ戻って良し!
ゆっくり休みたまえ!」
汗をダラダラと垂らしながら一人…また一人と立ち上がり宿舎へと戻って行く。エクレアは腕を組み、「お疲れ様です!」…と帰宅の挨拶をしていく兵士達を見送る。
「ん、お疲れ様。」
「エクレア様、団長が孤児院へと出掛けられました。
兵士達が皆帰られましたらエクレア様もどうぞ御自宅へ…」
「サージ殿、宜しければ手合せを一本、お願いできますか?」
「手合せ…ですか、分かりました。では用意をしています。」
そう言ってサージはロングソード型の木剣を手にし、エクレアは騎馬槍を模した木の槍を握る。
「…では、始めましょう。」
「遠慮は致しませんよ、エクレア様。」
サージは木剣を構え、エクレアも右腕で振り回す木槍の分厚く布が巻かれた切っ先をサージに向け、突進。サージは動かないまま木剣で木槍を当て右へと流し、エクレアにカウンターの上段斬りを繰り出すが何とエクレアは突き出した木槍を引き戻して長柄で上段斬りを防御、しかし崩された態勢だったので斬撃の勢いは殺せずそのまま地面に叩き落された。
(くっ、なかなかの剛剣、流石は斬撃巨人!)
斬撃巨人とはサージの戦場での二つ名である。敵は畏怖を込めて彼をこの異名で呼んでいた。
(片腕で伸び切った槍を引き戻し防御とは、この荒技を木槍ではなく騎馬槍でもやってのけるのだから女性ながら柔剛両道な騎士だ!)
エクレアは中性的な女性ではあるが戦場ではフルプレートメイルを身に着け馬に跨り騎馬槍を振るう。男顔負けな重騎士である。
細腕ではあるが女性ながらに腕力はマタザよりもあり、サージには敵わずと第四騎士団の二番手である。
そして戦槌狂女と呼ばれ恐怖されているノエリー。戦場には出た事はないが最早第四騎士団の中ではこの三人以外敵なしのネレスがマタザ・ゴルヴェールが育てた四人衆…四天王なのである。
…第四騎士団だけに…。
「失礼致します。マタザ団長、ネレスを連れて参りました。」
ドアを開け、筋肉隆々のサージと痩せぎすなネレスが団長室に入る。マタザは特にポージングは変えずピーナッツを鷲掴みにして口の中へと投げ入れた。
「(ボリボリ)、ほーひたへえす。ひんみんはいの…」
「マタザ様、口の中のピーナッツを呑み込んで下さい。…飛んでおります。」
マタザはサージに注意されたので机にある紅茶に手を伸ばし無造作に飲み口の中を空にする。
「ネレス、貧民街の孤児院には帰っておるのか?」
マタザに聞かれた途端に不機嫌になるネレス。
「…帰ってない。」
マタザは彼の言葉と様子を見て眉間の皺を刻む。
「お前は“シスター・レェナ”との喧嘩をまだ気にしとるのか?
何年もウジウジしおってからに…。
今は立派に我が第四騎士団の四天王を…」
「やめろよそれ、四天王って何?…国王以外が王とか名乗っていいの?」
ネレスの態度と歯に衣着せない言葉遣いにマタザはこめかみに青筋を浮かせるが、サージからも叱責されてしまう。
「マタザ団長、国内で国王以外の方が王を名乗るのはさすがに不敬罪に値します…。」
二人に説かれ“ぐぬぬ…っ”、と唸りサージとネレスを睨むマタザであったが気持ちを切り替えて話を続けた。
「ネレス、今はもう立派な騎士となり、自分で稼いだ給金で孤児院に寄付し助けておるのだ。
シスター・レェナと仲直りしても良いのではないか?
…彼女も心配しておるぞ。」
シスター・レェナ、貧民街の孤児院を切り盛りしているヴェルトール国教であるアルカナ教団の修道女であり、ネレスの幼馴染である。
レェナはアルカナ教団に入教し、年老いていた孤児院長が身体を悪くして国へ帰る事になり、新たな院長として孤児院を継いでいた。
しかし孤児院の運営資金はアルカナ教団のヴェルトール王国支部より出ており、補助金だけではギリギリの資金繰りなので足りない所をネレスが稼いで補っていた。
第四騎士団に入団していない数年前までは城下でチンピラ一味のグループに入り盗みや詐欺等の犯罪に手を染めていたネレスは犯罪で稼いでいた金を孤児院に入れていたのでそれを知ったシスター・レェナに絶交を言い渡され、孤児院から追い出されてしまっていた。
チンピラ一味も第四騎士団に皆摘発されてネレスも犯罪者として奴隷落ちする筈であったがシスター・レェナの減罪の訴えと孤児院にお金を入れてくれていたと云う証言からマタザの鶴の一声で第四騎士団へ無理矢理入団させたのである。
それからネレスは兵士の訓練を自分なりに熟したが彼のスタイルは後ろからの不意打ちや死角を狙った攻撃が多く、元犯罪者でもあったので当初は仲間から嫌われていた。
しかしマタザは彼の卑怯な戦い方を否定せずに彼に言った。
「戦は乱戦が殆どじゃ。卑怯もへったくれもないわい。死角、背後への奇襲戦法…極めてみせい、ネレス。」
今まで否定され続けていたネレスは自分を肯定してくれたマタザに感涙し…心酔する。生意気な態度と言葉遣いではあるが彼なりにマタザを傾倒していた。
そんなネレスは幼馴染であるシスター・レェナに絶縁されてから孤児院には帰っておらず、御給金の半分を孤児院に送っていた。
「レェナにどんな顔して会えばいいか分からないから行かない。」
次の瞬間、マタザの拳骨がネレスの頭をガツン!と打ち据えた。
「くだらん意地張らずにこれから孤児院行くぞ、貴様は儂の護衛だ!!」
「…な、何しに行くんだよ?」
拳骨を受けた頭を擦り仏頂面のネレスが尋ねる。
「只の慰問じゃ、最近は戦のせいで様子見に行けんかったからな。」
実はネレス入団の頃からマタザは孤児院を気にかける様になっていた。その縁から妻であるフランソワも孤児院の子供達にちょくちょく贈り物を送っていた。
「サージ、ネレスと三人程連れて孤児院行ってくるから後頼むぞ。」
「はぁ…、また自分勝手な…。了解致しました。」
そして馬車一台に騎馬二頭が用意され、マタザ一行は孤児院へと向かった。
サージは彼等を見送り、庁舎訓練場へと足を伸ばす。訓練場ではエクレア・ラプラウスが兵士達を声を張り上げながら叱咤指導をしていた。兵士達は広い訓練場で整列して腕立て伏せを繰り返していた。
「腕立て伏せ百回終えた者から宿舎へ戻って良し!
ゆっくり休みたまえ!」
汗をダラダラと垂らしながら一人…また一人と立ち上がり宿舎へと戻って行く。エクレアは腕を組み、「お疲れ様です!」…と帰宅の挨拶をしていく兵士達を見送る。
「ん、お疲れ様。」
「エクレア様、団長が孤児院へと出掛けられました。
兵士達が皆帰られましたらエクレア様もどうぞ御自宅へ…」
「サージ殿、宜しければ手合せを一本、お願いできますか?」
「手合せ…ですか、分かりました。では用意をしています。」
そう言ってサージはロングソード型の木剣を手にし、エクレアは騎馬槍を模した木の槍を握る。
「…では、始めましょう。」
「遠慮は致しませんよ、エクレア様。」
サージは木剣を構え、エクレアも右腕で振り回す木槍の分厚く布が巻かれた切っ先をサージに向け、突進。サージは動かないまま木剣で木槍を当て右へと流し、エクレアにカウンターの上段斬りを繰り出すが何とエクレアは突き出した木槍を引き戻して長柄で上段斬りを防御、しかし崩された態勢だったので斬撃の勢いは殺せずそのまま地面に叩き落された。
(くっ、なかなかの剛剣、流石は斬撃巨人!)
斬撃巨人とはサージの戦場での二つ名である。敵は畏怖を込めて彼をこの異名で呼んでいた。
(片腕で伸び切った槍を引き戻し防御とは、この荒技を木槍ではなく騎馬槍でもやってのけるのだから女性ながら柔剛両道な騎士だ!)
エクレアは中性的な女性ではあるが戦場ではフルプレートメイルを身に着け馬に跨り騎馬槍を振るう。男顔負けな重騎士である。
細腕ではあるが女性ながらに腕力はマタザよりもあり、サージには敵わずと第四騎士団の二番手である。
そして戦槌狂女と呼ばれ恐怖されているノエリー。戦場には出た事はないが最早第四騎士団の中ではこの三人以外敵なしのネレスがマタザ・ゴルヴェールが育てた四人衆…四天王なのである。
…第四騎士団だけに…。
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