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17 学園祭開幕
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本日はいよいよ学園祭当日です。
生徒会指揮をグリフォン様から代わってからは問題も特に無かったと思われます。
元々生徒会の皆様は優秀ではあったので、それぞれに適した仕事を振るとしっかりこなしてくれました。
特にグリフォン様には驚かされましたね。失礼ながら彼には生徒会長を務める能力は無いと判断していましたが、マリアさんが隣に居る時は想像以上の仕事ぶりを見せてくださいました。
ジークハルト兄様曰く、能力だけは確かに高いのだが発揮できる時とできない時の落差が酷い、そうです。
もう1人生徒会で大活躍してくださったのはアルビオン殿下です。私が来てからはすっかり私の知る殿下に戻られ、完璧な仕事ぶりを見せてくださいました。
お2人や他の生徒会の皆様のおかげで、
「フェルミア様ー!レンファスト王国から来られた方々のご案内終わりました!」
マリアさんの希望していたと言う、当日の来訪者対応を一部任せられるようになりました。
隣国レンファスト王国は言語に僅かな違いこそありますが、マナーがほぼ同じです。
なので学園祭準備の隙間時間で、レンファスト王国の来訪者対応は任せても大丈夫な程度に教育しました。
「ありがとうございます。本日レンファスト王国から来られる方は以上ですね。お疲れ様でした。」
「いえ。私のわがままに付き合っていただいて本当にありがとうございました!」
「ふふ、貴方のそれはわがままと言いませんよ。自分が選んだ仕事に熱意を持つのは誇るべきことです。」
私の言葉に感極まった様子で大きくお辞儀をし、彼女は他の生徒会業務を探しに行きました。
本当に可愛らしくて、真面目で、私とは違って確かな熱を感じさせる方ですね、貴方は。
そんな貴方だから殿下も惹かれたのでしょう。
やがて昼を過ぎ、学園祭も中盤になりました。
私もさすがに朝から働き詰めで疲れてきたので休める場所を求め歩いています。
「ヒュードリック様の研究所なら休めるでしょうか。留守の場合は出直しましょう。」
あの方のことですから、ボクの研究所を休憩所代わりにするなと文句を言われるでしょうけどね。
そうして歩いていると近くから笑い声が聞こえてきました。この辺りは…生徒会所有の庭園ですね。
私は身を潜めこっそりと笑い声の主を探すと、マリアさんと見慣れぬ男性がいました。
いえ、よく見ると男性の方は変装です。
黒い髪はウィッグのようですし、メガネは目を隠すためのものでしょう。何と言うか変装と分かってしまう変装、といった感じがします。
「今日はお疲れ様、マリア。」
この声は…アルビオン殿下です。
どうやら私はお2人の密会に遭遇したようですね。
これが私たちの未来を大きく変化させた学園祭当日の最初のイベント。
私が殿下とマリアさんを応援すると決めた時です。
生徒会指揮をグリフォン様から代わってからは問題も特に無かったと思われます。
元々生徒会の皆様は優秀ではあったので、それぞれに適した仕事を振るとしっかりこなしてくれました。
特にグリフォン様には驚かされましたね。失礼ながら彼には生徒会長を務める能力は無いと判断していましたが、マリアさんが隣に居る時は想像以上の仕事ぶりを見せてくださいました。
ジークハルト兄様曰く、能力だけは確かに高いのだが発揮できる時とできない時の落差が酷い、そうです。
もう1人生徒会で大活躍してくださったのはアルビオン殿下です。私が来てからはすっかり私の知る殿下に戻られ、完璧な仕事ぶりを見せてくださいました。
お2人や他の生徒会の皆様のおかげで、
「フェルミア様ー!レンファスト王国から来られた方々のご案内終わりました!」
マリアさんの希望していたと言う、当日の来訪者対応を一部任せられるようになりました。
隣国レンファスト王国は言語に僅かな違いこそありますが、マナーがほぼ同じです。
なので学園祭準備の隙間時間で、レンファスト王国の来訪者対応は任せても大丈夫な程度に教育しました。
「ありがとうございます。本日レンファスト王国から来られる方は以上ですね。お疲れ様でした。」
「いえ。私のわがままに付き合っていただいて本当にありがとうございました!」
「ふふ、貴方のそれはわがままと言いませんよ。自分が選んだ仕事に熱意を持つのは誇るべきことです。」
私の言葉に感極まった様子で大きくお辞儀をし、彼女は他の生徒会業務を探しに行きました。
本当に可愛らしくて、真面目で、私とは違って確かな熱を感じさせる方ですね、貴方は。
そんな貴方だから殿下も惹かれたのでしょう。
やがて昼を過ぎ、学園祭も中盤になりました。
私もさすがに朝から働き詰めで疲れてきたので休める場所を求め歩いています。
「ヒュードリック様の研究所なら休めるでしょうか。留守の場合は出直しましょう。」
あの方のことですから、ボクの研究所を休憩所代わりにするなと文句を言われるでしょうけどね。
そうして歩いていると近くから笑い声が聞こえてきました。この辺りは…生徒会所有の庭園ですね。
私は身を潜めこっそりと笑い声の主を探すと、マリアさんと見慣れぬ男性がいました。
いえ、よく見ると男性の方は変装です。
黒い髪はウィッグのようですし、メガネは目を隠すためのものでしょう。何と言うか変装と分かってしまう変装、といった感じがします。
「今日はお疲れ様、マリア。」
この声は…アルビオン殿下です。
どうやら私はお2人の密会に遭遇したようですね。
これが私たちの未来を大きく変化させた学園祭当日の最初のイベント。
私が殿下とマリアさんを応援すると決めた時です。
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