悪役令嬢、現代日本に召喚されました!?召喚したのは私そっくりな女の子!

鈴菜

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同じ顔の人は異世界を含めたら6人いる

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調べれば調べるほど、私たちはそっくりでした。
顔の造形、体格、利き手、などなど。

「私が使った力は整えただけなので、元々伊里奈さんと私がそっくりだったのでしょうね。」

ドッペ何とかと騒ぎ立てる伊里奈さんを落ち着かせ、色々調べ終わってから出た結論がこれです。

「あ、あのぅ…あっさり話されていますけど、能力を使ったって…魔術の無い世界から来たのでは…?」

ああ、まだ何も説明していなかったわね。
自己完結してしまうのは私の悪い癖です。

「貴方が私を召喚する際に、いわゆる悪魔の力と呼ぶべきものが与えられたみたいよ。多分、本来召喚されるべき悪魔の力を私が受け継いでしまったのね。」

私の元いた世界にあった夢物語に出てくる魔術の知識と状況判断から、そう結論付けました。

こういうのって、アレでしょう?
「縁」と呼ばれるものが鍵になるそうじゃない。
私と伊里奈さんの縁は、ドッペ何とかと言うレベルでそっくりなことかしら。

「えぇ…?冷静に判断できすぎじゃありません?これ本当はガチ悪魔がウソついてる可能性あるかも…」

冷静な判断、ね。
学園でも似たようなことを言われていましたっけ。
血も涙も無い、冷血令嬢だとか。

長年過ごした婚約者から婚約解消を申し込まれても、更には婚約破棄の計画を知っても傷付かない。
嘆く暇は無いと、すぐに保身のための策を講じる。

そして今度は突然召喚された異世界で、わけも分からずいきなり得た力を他人に使っている。

なるほど、確かに冷血令嬢などと言われるのも仕方の無いことかもしれませんね。
必要のない感情を切り捨てすぎたようです。

執着は捨てました。
他人から欲深いと嘲笑れないように。
悲哀は捨てました。
過ぎたる悲しみは行動の妨げとなるから。
躊躇いも捨てました。
いちいち迷うには、判断すべきことが多いから。

ですが、誇りは持ち続けています。

「誰が悪魔、ですって?」

私は侯爵令嬢イーリス・ウェールズ。
たとえ異世界であろうと、その誇りを忘れません。

「伊里奈さんが私を疑うのであれば、私のこれまでの人生を語って差し上げましょう。その上で悪魔がウソをついているだけなのか判断してくださいな。」

それからしばらく私は語り続けました。
伊里奈さんも最初は胡散臭そうに見ていたのですが、途中からは身を乗り出して聴いていましたね。

「お互いに婚約破棄を計画!?マ!?」

「フィオネちゃん可哀想ですね…王子ざけんな。」

「他の貴族令嬢たちがフィオネちゃんいじめ過ぎるのさりげなく止めるとか、イーリス様すっご…」

そして、話を最後まで聴き終えると

「イーリス様、全然悪魔じゃなかったっすわ!むしろアレですね!よく見る良い悪役令嬢って感じ!」

まあ、誤解を解けたなら良いのですけど。

伊里奈さん、貴方のテンションの緩急怖いわ…
それと、悪役令嬢って何かしら?
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