悪役令嬢、現代日本に召喚されました!?召喚したのは私そっくりな女の子!

鈴菜

文字の大きさ
上 下
3 / 8

同じ顔の人は異世界を含めたら6人いる

しおりを挟む
調べれば調べるほど、私たちはそっくりでした。
顔の造形、体格、利き手、などなど。

「私が使った力は整えただけなので、元々伊里奈さんと私がそっくりだったのでしょうね。」

ドッペ何とかと騒ぎ立てる伊里奈さんを落ち着かせ、色々調べ終わってから出た結論がこれです。

「あ、あのぅ…あっさり話されていますけど、能力を使ったって…魔術の無い世界から来たのでは…?」

ああ、まだ何も説明していなかったわね。
自己完結してしまうのは私の悪い癖です。

「貴方が私を召喚する際に、いわゆる悪魔の力と呼ぶべきものが与えられたみたいよ。多分、本来召喚されるべき悪魔の力を私が受け継いでしまったのね。」

私の元いた世界にあった夢物語に出てくる魔術の知識と状況判断から、そう結論付けました。

こういうのって、アレでしょう?
「縁」と呼ばれるものが鍵になるそうじゃない。
私と伊里奈さんの縁は、ドッペ何とかと言うレベルでそっくりなことかしら。

「えぇ…?冷静に判断できすぎじゃありません?これ本当はガチ悪魔がウソついてる可能性あるかも…」

冷静な判断、ね。
学園でも似たようなことを言われていましたっけ。
血も涙も無い、冷血令嬢だとか。

長年過ごした婚約者から婚約解消を申し込まれても、更には婚約破棄の計画を知っても傷付かない。
嘆く暇は無いと、すぐに保身のための策を講じる。

そして今度は突然召喚された異世界で、わけも分からずいきなり得た力を他人に使っている。

なるほど、確かに冷血令嬢などと言われるのも仕方の無いことかもしれませんね。
必要のない感情を切り捨てすぎたようです。

執着は捨てました。
他人から欲深いと嘲笑れないように。
悲哀は捨てました。
過ぎたる悲しみは行動の妨げとなるから。
躊躇いも捨てました。
いちいち迷うには、判断すべきことが多いから。

ですが、誇りは持ち続けています。

「誰が悪魔、ですって?」

私は侯爵令嬢イーリス・ウェールズ。
たとえ異世界であろうと、その誇りを忘れません。

「伊里奈さんが私を疑うのであれば、私のこれまでの人生を語って差し上げましょう。その上で悪魔がウソをついているだけなのか判断してくださいな。」

それからしばらく私は語り続けました。
伊里奈さんも最初は胡散臭そうに見ていたのですが、途中からは身を乗り出して聴いていましたね。

「お互いに婚約破棄を計画!?マ!?」

「フィオネちゃん可哀想ですね…王子ざけんな。」

「他の貴族令嬢たちがフィオネちゃんいじめ過ぎるのさりげなく止めるとか、イーリス様すっご…」

そして、話を最後まで聴き終えると

「イーリス様、全然悪魔じゃなかったっすわ!むしろアレですね!よく見る良い悪役令嬢って感じ!」

まあ、誤解を解けたなら良いのですけど。

伊里奈さん、貴方のテンションの緩急怖いわ…
それと、悪役令嬢って何かしら?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

堕とされた悪役令嬢

芹澤©️
恋愛
「アーリア・メリル・テレネスティ。今日を持って貴様との婚約は破棄する。今迄のレイラ・コーストへの数々の嫌がらせ、脅迫はいくら公爵令嬢と言えども見過ごす事は出来ない。」 学園の恒例行事、夏の舞踏会場の真ん中で、婚約者である筈の第二王子殿下に、そう宣言されたアーリア様。私は王子の護衛に阻まれ、彼女を庇う事が出来なかった。

その国外追放、謹んでお受けします。悪役令嬢らしく退場して見せましょう。

ユズ
恋愛
乙女ゲームの世界に転生し、悪役令嬢になってしまったメリンダ。しかもその乙女ゲーム、少し変わっていて?断罪される運命を変えようとするも失敗。卒業パーティーで冤罪を着せられ国外追放を言い渡される。それでも、やっぱり想い人の前では美しくありたい! …確かにそうは思ったけど、こんな展開は知らないのですが!? *小説家になろう様でも投稿しています

【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」 *** ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。 しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。 ――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。  今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。  それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。  これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。  そんな復讐と解放と恋の物語。 ◇ ◆ ◇ ※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。  さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。  カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。 ※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。  選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。 ※表紙絵はフリー素材を拝借しました。

悪役令嬢を追い込んだ王太子殿下こそが黒幕だったと知った私は、ざまぁすることにいたしました!

奏音 美都
恋愛
私、フローラは、王太子殿下からご婚約のお申し込みをいただきました。憧れていた王太子殿下からの求愛はとても嬉しかったのですが、気がかりは婚約者であるダリア様のことでした。そこで私は、ダリア様と婚約破棄してからでしたら、ご婚約をお受けいたしますと王太子殿下にお答えしたのでした。 その1ヶ月後、ダリア様とお父上のクノーリ宰相殿が法廷で糾弾され、断罪されることなど知らずに……

【完結】己の行動を振り返った悪役令嬢、猛省したのでやり直します!

みなと
恋愛
「思い出した…」 稀代の悪女と呼ばれた公爵家令嬢。 だが、彼女は思い出してしまった。前世の己の行いの数々を。 そして、殺されてしまったことも。 「そうはなりたくないわね。まずは王太子殿下との婚約解消からいたしましょうか」 冷静に前世を思い返して、己の悪行に頭を抱えてしまうナディスであったが、とりあえず出来ることから一つずつ前世と行動を変えようと決意。 その結果はいかに?! ※小説家になろうでも公開中

平和的に婚約破棄したい悪役令嬢 vs 絶対に婚約破棄したくない攻略対象王子

深見アキ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・シェリルに転生した主人公は平和的に婚約破棄しようと目論むものの、何故かお相手の王子はすんなり婚約破棄してくれそうになくて……? タイトルそのままのお話。 (4/1おまけSS追加しました) ※小説家になろうにも掲載してます。 ※表紙素材お借りしてます。

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

処理中です...