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プロローグ
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私イーリスはウェールズ侯爵家の長女に生まれ、その家格と私自身の魅力によって自国の第一王子ルーカス殿下の婚約者に選ばれました。
お互い自分の身分や義務を理解していたこともあり、すんなり受け止め問題無く過ごせていたと思います。
問題が起きてしまったのは、順調に親交を深めていき学園に通う年齢になった頃。
殿下が平民の少女に惚れてしまわれました。
「イーリス。申し訳ないのだが、私は君ではなく彼女を好きになってしまった。婚約解消しよう。」
私としてもルーカス殿下の如く無責任な方と結婚するのは嫌なので受け入れたかったのですけれどね。
実家が許してくださいませんでした。
「侯爵家の令嬢が、たかが平民の娘に負けて王子との婚約を解消するなどあってはならん。」
私はルーカス殿下の心を取り戻すよう努力することを命令され、また殿下の寵愛を受けた少女は私の実家を筆頭とした貴族から攻撃されるようになりました。
この事に激怒された殿下の怒りの矛先は、なぜか私。
「穏便に婚約解消で済ませようと言っているのに君はどうして受け入れてくれないんだ!?」
元はと言えば貴方の浮気が原因ですのに。
そのまま私たちの関係は修復されることなく、一方で殿下と平民の少女の関係は急速に進みました。
観察していくうちに2人を破局させるのは無理そうだと諦めた私は浮気の証拠をかき集めました。
せめて、殿下が有責の婚約破棄にするために。
この調査過程で多くのことを知りました。
殿下も私が有責で婚約破棄を計画していたこと。
渦中の少女・フィオネは殿下と結婚する意思をあまり持っておらず、殿下の独断専行ぎみだったこと。
彼女に同情した私は1つの決心をしました。
私が殿下との婚約破棄を成立させた暁には、フィオネさんに心ばかりの手助けをすることを。
実家が攻撃した罪滅ぼしも兼ねまして。
そうして迎えた卒業パーティ。
「イーリス・ウェールズ。私の大切なフィオネに君がこれまでしてきた所業は、全て知っている!君のような女は王妃に相応しくない!婚約破棄だ!」
殿下は物語の主人公気取りなのでしょうかね。
困惑を顔に浮かべたフィオネさんの肩を抱きながら、大勢の前で婚約破棄を宣言してきました。
こちらは穏便に済ませるつもりでしたのに。
そっちがその気なら、と私が反撃をしようとした瞬間足元に奇怪な文字が並んだ円陣が現れました。
そして円陣が光り輝き、私は消えました。
「やった…成功……!って、あれ!?」
何でしょう、随分と騒がしいですわね。
目を開けると、奇怪な格好をした同年代らしき少女が私を覗き込んでいました。
それから私は自分が横に倒れていることに気が付き、身体をゆっくりと起き上がらせます。
起き上がった私を見て、少女は…
「アナタが私の召喚した悪魔ですか?」
「…は?」
そんな失礼な質問をしてくるのでした。
お互い自分の身分や義務を理解していたこともあり、すんなり受け止め問題無く過ごせていたと思います。
問題が起きてしまったのは、順調に親交を深めていき学園に通う年齢になった頃。
殿下が平民の少女に惚れてしまわれました。
「イーリス。申し訳ないのだが、私は君ではなく彼女を好きになってしまった。婚約解消しよう。」
私としてもルーカス殿下の如く無責任な方と結婚するのは嫌なので受け入れたかったのですけれどね。
実家が許してくださいませんでした。
「侯爵家の令嬢が、たかが平民の娘に負けて王子との婚約を解消するなどあってはならん。」
私はルーカス殿下の心を取り戻すよう努力することを命令され、また殿下の寵愛を受けた少女は私の実家を筆頭とした貴族から攻撃されるようになりました。
この事に激怒された殿下の怒りの矛先は、なぜか私。
「穏便に婚約解消で済ませようと言っているのに君はどうして受け入れてくれないんだ!?」
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そのまま私たちの関係は修復されることなく、一方で殿下と平民の少女の関係は急速に進みました。
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「イーリス・ウェールズ。私の大切なフィオネに君がこれまでしてきた所業は、全て知っている!君のような女は王妃に相応しくない!婚約破棄だ!」
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そっちがその気なら、と私が反撃をしようとした瞬間足元に奇怪な文字が並んだ円陣が現れました。
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目を開けると、奇怪な格好をした同年代らしき少女が私を覗き込んでいました。
それから私は自分が横に倒れていることに気が付き、身体をゆっくりと起き上がらせます。
起き上がった私を見て、少女は…
「アナタが私の召喚した悪魔ですか?」
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そんな失礼な質問をしてくるのでした。
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