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第44話
しおりを挟む「冬馬さん、私行くね」
私はそう言いそっと体を離した。
「まだそんな事‥‥」
「私に冬馬さんは勿体ないくらいの人だよ。こんな私じゃ冬馬さんは幸せになれない」
「俺は‥‥俺はももじゃないと‥‥」
「きっといい人に出会えるよ。私と出会ったみたいに」
「お願い‥‥行かないでよ‥‥」
冬馬さんがそう言いながら私の手を握った。
「ごめん」
「‥‥最後に。最後でいいから‥‥今日は一緒に居て‥‥」
「‥‥わかった」
そして冬馬さんはゆっくりこちらを見て言った。
「シャワー行こ」
「うん」
私は最後だと思い冬馬さんの言う通りにした。
脱衣所に二人で入ると冬馬さんはゆっくり私の服を脱がした。
お互いに体を洗い、狭い浴槽に二人で浸かる。
いつもと変わらない光景なのに胸が締め付けられる。
私はとんでもない事をしたのではないかと怖くなった‥‥いっその事私がいなくなればと思うほどに。
何も言わなくてもタオルで私の体を拭いてくれて、髪を乾かしてくれて‥‥。
二人で並んで歯磨きをしてベットに入る。
私が冬馬さんに背を向けて転ぶとゆっくり腕が後ろからきて抱きしめられた。
後に引けないと思いながらも冬馬さんに抱きしめられると離れたくない自分がいる事も確かだ‥‥私の優柔不断さがみんなを不幸にするんだ。
「冬馬さん私‥‥‥」
するとその時、電話が鳴った。
私は近くに置いていたスマホに手を伸ばし画面を見ると、着信は柊生からだった。
「電話‥‥出るね」
冬馬さんに一言言い、電話に出た。
「もしもし」
「ももちゃん?いつ来れそう?」
柊生の声は明るかった。
「ごめん、今日は行けない」
「もしかして家なの?」
「うん」
「一人ではないよね」
「うん」
「そっか‥‥」
急に声のトーンが暗くなるのがわかった。
「だからごめんね」
「もしかして一緒に寝たりしないよね」
「それは‥‥」
「俺‥‥嫉妬でおかしくなりそうだよ」
「柊生‥‥」
私が返事に困っていると、それを横で聞いていた冬馬さんがいきなり電話を取り上げ、キスをしてきた。
「んっ‥‥冬馬さん‥‥」
「何も言わないで‥‥」
そう言いながら私に覆い被さると、冬馬さんは私の服を捲り上げ両手で胸を掴みながら激しく舌を這わせた。
「あっ//」
心とは裏腹に体が反応し始めた。
「もも‥‥」
「んっ‥‥冬馬さん‥‥」
私の上で冬馬さんが激しく動いている。
下から見た冬馬さんは儚げで胸がチクっとした。
そして私は柊生と電話していた事も忘れるほど冬馬さんと激しく体を重ねた。
終わってから少し冷静になりハッとしてスマホを見ると電話は切れていた。
柊生‥‥。
気になりつつも隣で寝ている冬馬さんの寝顔を見て、もう眠ってしまおうと目を瞑った。
「冬馬さんごめんね」
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