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第二十二話
しおりを挟むそれからまたこうきと会うようになり、その度に自己嫌悪に陥っていた。
自分を肯定できるものが私にはなかった。
それでもあおいや竜也くんの為にも生きてかないとと踏ん張る事が出来た。
でもやっぱりそう上手くはいかないもので、こうきと何回か会っているうちに言い訳や嘘も適当になってくる。
竜也くんはいい人、裏切ったら罰が当たる。
携帯を返してもらってから今まで見られる事なかった携帯を見られたのだ。
最初の方はこまめに消していたLINEも、だんだんとまとめて消すようになっていた。
「れいは本当に頭大丈夫か?」
「ごめんなさい」
「学習しないやつだな」
「でもね、竜也くんも浮気してたでしょ」
私はつい言ってしまった。
「は?してないけど」
「じゃあこれ誰?」
私は写真を見せた。
「あぁ、この時ね、これバイトの子。店長に頼まれ事で一緒に買い出し行ってただけ」
「え、そうなの?」
「嘘つくわけないじゃん、れいでもあるまいし」
「ごめんなさい」
「あおいがいるから別れるわけにはいかないし、今回の事は許してやるから、今の仕事も辞めて家にいな?」
「えっ、それは‥‥」
「なに?別れるつもり?」
「そうじゃないけど、仕事はやめたくない。せっかく慣れてきたのに」
「せっかく慣れてきたのに、自分のせいじゃん?」
「‥‥うん」
「俺かなり優しいと思うけど?普通離婚だよ?こんな何回も浮気されて」
「そうだよね‥‥」
「それと携帯も没収ね」
また前の生活に逆戻りだ。
自業自得と言えばそれまでだが、竜也くんとあの女本当に浮気じゃないのか?そればかり気になっていた。うまく誤魔化したつもりだろうけど女の勘ってすごいらしい。
あおいは保育園を退所する事になり、一日中一緒にいる事になった。
しかし、何気に楽しかった。
赤ちゃんの時と違って、遊べる事も増えたしぐずっても回避の方法はいくらでもあった。なんだ意外と私大丈夫じゃんって思っていた。
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