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第四話
しおりを挟むちょうど同じ時期、かおりと遊べない時があり、違う友達のさやかと遊んでいた。
さやかの家はうちから近いから徒歩で行ける。
さやかは男友達がとても多くいつも違う人と遊んでいた。
私がさやかの部屋でくつろいでいると、当たり前だが、遊びに行こうと言われた。
「もちろん行くよね?」
「うん、いいよ」
退屈していた私はさやかと出掛ける事にした。
待ち合わせは近所にあるコンビニだ。
私たちが待っていると、ブーンと音を立てながら駐車場に入ってくるセダン。
駐車場に斜めに止め、窓を開けて声をかけてくる。
「乗らないのー?」
「乗る乗る~」
ノリノリで車に走るさやか。
私もついて行き、後ろに乗り込む。
「おじゃまします」
私が言うと、運転席の人が、
「礼儀正しいな」
そう言った。
これが最初の会話だった。
さやかの紹介で、運転席の人がりゅうと、助手席の人がやまとって名前らしい。
りゅうとは22歳らしい、やまとは後輩らしいが何歳か覚えていない。
私たちはどこへ行くでもなく、その辺をブラブラとドライブをしていた。
さやかはよく喋るし明るい。
私以外の三人で盛り上がっている。
ミラー越しにりゅうとが見ていた事は気付いていたが、私は窓の外をボケーっと眺めていた。
その日は主にドライブをしていた。
私はその時も無意識にこうきの事を考えていた。もやもやする、早く返事を聞きたい、ダメならダメだと早く言って欲しい。
そんな事を考えるばかりで、会話にあまり入らなかった。きっと私は愛想もない空気の読めない子だと思われてるんだろうなーっと思っていた。
りゅうとは地元では有名人らしい。
ドライブをしている途中も知り合いを見つけては、窓を開けてよく話しかけていたが、みんな頭をペコペコ下げていた。
そんなにこの人怖がられてるんだ。
そのくらいにしか思っていなかった。
帰り際、私はりゅうとに連絡先を聞かれ、交換する事に。
それからというもの、こうきとりゅうと、交互に遊ぶ日々を過ごしていた。
正直こうきは終始煮え切らない態度だった為、りゅうとと遊ぶ方が楽しかった。
りゅうとといると、自分も大人になった気がしていた。
最初の方はドライブばかりしていたが、いつの間にかりゅうとの家でのんびり過ごす事が増えていた。
りゅうとはこうきと違って、遊ぶ時は大体私だけを誘ってくれた。
りゅうとは一人暮らしだ。
その日もりゅうとの家で映画を見て過ごしていた。
りゅうとはお酒をとてもたくさん飲むようで、いつも家にいる時は飲んでいる。
眠くなったのかベットに転んだりゅうとは私にこっち来て、と誘った。
私は心の中で、あーやるんだろうな。
と思っていた。
りゅうとに言われるがまま横に転ぶと、腕枕をされ、後ろから抱きついてきた。
私は別にどっちでも良かった、好きでも嫌いでもなく、ただ一緒にいて楽しければそれでいいと思ってたからだ。
「俺の女になる?」
正直そんなセリフを言われたのははじめてで、すこし笑いそうになった。
「うーん、今はいいかな」
適当に流しておこう、その時はそう思っていた。りゅうとは悪い人ではないし、一緒にいて飽きない、でも特別好きな感情は抱けなかった。
「わかった」
「あっさりだね」
「しつこくしても嫌われるだけだろ」
確かにそうだ、まるで自分に言われているかのようだった。
結局やることはなく、そのままりゅうとは眠ってしまった。
正直やりもくだけのやつが多い中、りゅうとは違うのかな、それとも今日は眠たかっただけなのかな。そんな事を考えながらりゅうとの寝顔を見る。
目鼻立ちはハッキリしているし、背も高い、お金も持っている。こうきと比べると見た目も中身も大人だ。
でも14歳の私には釣り合わないと思った。
朝になり家まで送ってもらう。
りゅうとの家からは車で10分もかからない。自転車でも来れる距離だ。
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