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第一章

3 希望 ト 成長

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「ごほん、よむー」

「違います、お嬢様。『本を読みたいですわ』と仰ってください」

家庭教師のジーナ先生は厳しい。

「ほんを、よみたい、でしゅわ」

「はい、よく出来ました。
では本を選びましょう」

これでも、人生2周目。
通常の3歳児よりかなり優秀なお子様だと思う。

でも厳しいんだよなー。
選んでもらった本もまさかの『マナー教本・初級』だし。

「ありがと、ござましゅ、でしゅわ」

「はい。
しかし、お嬢様は公爵家の令嬢でいらっしゃいます。身分の低い者へお礼は必要ありませんわ」

えー·····

なんか格差底辺からやってきた身の上としてはツッコミどころ満載だなー。
お礼も言っちゃいけないのか


何はともあれ本を読もう!
マナー教本でも読んでみると面白いしね

この世界ではダンジョンから生まれた魔物を倒し、経験値と呼ばれる魔元素を取り込むことによってレベルが上がる。
レベルが上がる際にステータスの値が上昇するので手っ取り早く腕力や素早さを手に入れるためにはダンジョンの魔物を殺すのが1番なのだ。

しかし、技術スキルは知識と経験によって取得できるらしい。
で、知識と言えば読書だよね!という安易な理由で本を読んでいる。

スキルを獲得できたかはわからない。
ステータス見た事ないからね!

聞くところによると5歳の誕生日を以て貴族名鑑へ名前が記載され、ステータスの鑑定が解禁される。
理由は教えて貰えなかったけど多分、体力も免疫もない子供は死にやすいから5歳までは世間にお披露目しないでおこうみたいな風習だろうな。

というわけで、ぶっちゃけ5歳までヒマだから本を読んで時間をつぶ·····もとい、効果的に使おう。
3才じゃ運動は難しいし、そもそも邸から出してもらえないしな。


えーと、なになに?
『━━━━━出会い編━━━━━━
一、身分の低い者は身分の高い方を直接見てはならない。
一、身分の低い者は身分の高い方へ自ら声をかけてはならない。
一、身分の高い方を見かけたら腰を下げて目を伏せる。』

ヤのつく業界バリの上下関係じゃん!!
案外、貴族って体育会系のノリなのかな?
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