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偽りの聖女編
第8話 聖女、一件落着する
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――私が深呼吸をしていると外が騒がしくなってきて、兵士を連れた身なりの良い青年……というより少年に近い貴族が入って来た。
ふと気配に気づくと、私の横にはいつの間にかセッテが片膝をついて控えていた。
「領主様をお連れしました」
「……ありがとう、いいタイミングだわ」
ユイも傭兵たちをみんな叩きのめしてニセ聖女……レリンを連れてこちらにやってくる。
兵士たちは傭兵たちを捕縛して連行していった。領主様は私の目の前にやってくると貴族の最敬礼をして頭を垂れた。
「聖女様。私はノイマイン・モンティア伯爵、当地の領主にございます。此度の件はそこの聖女様のお付きの者に全て伺いました。これは私の領主としての不手際、どう申し開けばよいのか……」
セッテは領主様の言葉に片膝をついて頭を垂れたまま小さく会釈した。
「聖女様、領主様は前領主様で在らせられたお父上を亡くされて、歳若く継がれたのですが一部の良からぬもの達に謀られていました」
セッテの調査で分かったのは、どうやら司祭長は一部の貴族をそそのかして領主様には都合のいい報告しかしておらず辻褄を合わせて好き勝手に振舞っていたという事だった。
「私が若輩の身、そして病弱なのをいい事に好き勝手にされていた様子――これも私の不徳の致すところ、どのような処分でも受けます」
年下の貴族青年に平身低頭させる趣味は無いので、表情には出さないけどちょっと困ってしまう。
「領主様、私は聖女です。遍く民の苦しみを微力ながら取り除く為に行脚しているだけです。領主様をお裁きするなどとんでもございません。然るべき所へご報告申し上げるのみです」
私は表情を変えずに涼やかにそう答えた。
「は、承知いたしました……」
そんなやりとりをしていると、ユイがニセ聖女――レリンとタムを私の前に連れて来た。レリンとタムは額を地面に擦り付ける様に平伏していた。
「聖女様……私は決して許されない事をしてしまいました。どのような罰でもお受けいたします――」
すると、タムが顔を上げた。その表情は真剣そのものだった。
「ヴェルねえ……じゃなかった、聖女さま。レリン姉ちゃんは俺たち孤児に自分の力で生きる方法を教えてくれました。聖女様だってウソをついてたのも、あの司祭長に騙されてたからで……だから!」
「タムの気持ちは嬉しいけれど……聖女様を騙ったことはいかなる理由があっても許されないわ。聖女様、どうかお裁きを――」
二人とも額を地面に擦り付ける様に頭を下げている。
「領主様、もともと彼女は我が教団の治癒魔術師ですから、処分は私にお任せして頂いてもよろしいでしょうか?」
「分かりました、お任せいたします。ただし、この司祭長ゾラーニは我が領の法に基づいて身柄を預からせて頂きますが宜しいでしょうか?」
「はい、追って教団からも連絡があるでしょう」
領主様は司祭長と傭兵達を捕らえて去っていった。
「――さて、レリンさんでしたか、タムも顔を上げてください」
「は、はい……聖女様」
タムとレリンは平伏していた上半身を起こす。
「騙されていたとはいえ、聖女を詐称して人々に偽りの儀式を行った事はこの領の人々にどう捉えられるか分かりません」
「はい……」
レリンさんは、うな垂れながら私の話を聞いている。
「しかし、貴女は孤児たちに一時的な施しではなく生活する術――自活していく手段を教えた、これはとても素晴らしい考えだと、私は感嘆しました」
「聖女様……」
レリンさんが顔を上げて私を見る。
「共に教団本部へ戻り、貴女の教育法を取り入れた孤児院を設立するように働きかけます。貴女にも是非その件で働いて頂きたいのですけれど――」
「わ、私などに勿体ないお言葉、有り難う存じます……ううう」
「この街の孤児たちは聖堂に保護するようにお願いしますから、みんなの所へ戻りましょうか?」
私はタムに向けてウィンクをした。タムの表情は明るく、本来のタムの笑顔に戻っていた。
「ありがとう……えっと、聖女さま?」
「ヴェル姉ちゃんでいいわよ?」
大粒の涙を流して嗚咽するレリンさんにタムが寄り添っていた――。
――ひと月後、モンティア領での後始末を終えて私は帝都の大聖堂にあるマギアス神官長の執務室に居た。
「――というわけでご報告申し上げた通り、新たな孤児院とそれを作る制度をお願いしますわ、マギアス神官長様?」
「貴女はまた何をやらかしてきたのかと思えば――聖女ヴェルメリア殿」
マギアス神官長は特大の溜め息をついてから、執務机に両肘をついて手を組んで額に当ててしかめっ面をしている。
「"たまたま"行脚した地方領で、"聖女が癒しを与えている"と聞きまして、他の聖女が来られているならご挨拶せねばと思ったのですが、なにやら私の存じ上げない方でしたので――現地の司祭長様に事情を伺っただけですわ」
私は顔色一つ変えずにご説明申し上げた。
「教団も規模が大きくなり、今回のゾラーニ司祭長の様に本分を忘れて私利私欲に走るものが出て来ているのは我ら教団の問題であり、厳しく罰せなければいけません。ですが、それは聖女である貴女の行うべきことでは――」
マギアス神官長は眉間にしわを寄せながら私を見据えて言う。
「分かりました……では、悪漢に孤児が理不尽に殴られていても、健気に暮らす孤児たちの家が放火されて逃げ遅れていても、騙されて利用された上に殺されようとしている人を見ても、マギアス神官長のお言葉に従ってただ見ている事に致します……」
私はさめざめと涙声で言う。
「あ、いや……そ、そういう事では無くてですね、ヴェルメリア殿?」
「帝国の繁栄の影で泣く弱き者たちを救いたいという思いで、読み書き算術や職業訓練を伴う孤児院は素晴らしいと思ったのですが……教団の要であるマギウス神官長が見て見ぬふりをせよと仰るのであれば致し方――」
私は沈痛な面持ちで声を震わせて喋ってみた。
「そんな事は言っていません! その孤児院の案も素晴らしいと思います――」
「マギウス神官長、ご理解頂けるのですね?! 有難う存じます、ではよしなにお願い申し上げます……では瞑想の時間ですので失礼します」
孤児院の事に触れた今が好機と強引に話を切り上げる。
「あ、ちょっとヴェルメリア殿お待ちなさい!」
――まあ、こんな感じで私は帝国中を行脚して悪党たちにも聖女の慈悲を与えるのよ……拳でね。
「偽りの聖女編」終
ふと気配に気づくと、私の横にはいつの間にかセッテが片膝をついて控えていた。
「領主様をお連れしました」
「……ありがとう、いいタイミングだわ」
ユイも傭兵たちをみんな叩きのめしてニセ聖女……レリンを連れてこちらにやってくる。
兵士たちは傭兵たちを捕縛して連行していった。領主様は私の目の前にやってくると貴族の最敬礼をして頭を垂れた。
「聖女様。私はノイマイン・モンティア伯爵、当地の領主にございます。此度の件はそこの聖女様のお付きの者に全て伺いました。これは私の領主としての不手際、どう申し開けばよいのか……」
セッテは領主様の言葉に片膝をついて頭を垂れたまま小さく会釈した。
「聖女様、領主様は前領主様で在らせられたお父上を亡くされて、歳若く継がれたのですが一部の良からぬもの達に謀られていました」
セッテの調査で分かったのは、どうやら司祭長は一部の貴族をそそのかして領主様には都合のいい報告しかしておらず辻褄を合わせて好き勝手に振舞っていたという事だった。
「私が若輩の身、そして病弱なのをいい事に好き勝手にされていた様子――これも私の不徳の致すところ、どのような処分でも受けます」
年下の貴族青年に平身低頭させる趣味は無いので、表情には出さないけどちょっと困ってしまう。
「領主様、私は聖女です。遍く民の苦しみを微力ながら取り除く為に行脚しているだけです。領主様をお裁きするなどとんでもございません。然るべき所へご報告申し上げるのみです」
私は表情を変えずに涼やかにそう答えた。
「は、承知いたしました……」
そんなやりとりをしていると、ユイがニセ聖女――レリンとタムを私の前に連れて来た。レリンとタムは額を地面に擦り付ける様に平伏していた。
「聖女様……私は決して許されない事をしてしまいました。どのような罰でもお受けいたします――」
すると、タムが顔を上げた。その表情は真剣そのものだった。
「ヴェルねえ……じゃなかった、聖女さま。レリン姉ちゃんは俺たち孤児に自分の力で生きる方法を教えてくれました。聖女様だってウソをついてたのも、あの司祭長に騙されてたからで……だから!」
「タムの気持ちは嬉しいけれど……聖女様を騙ったことはいかなる理由があっても許されないわ。聖女様、どうかお裁きを――」
二人とも額を地面に擦り付ける様に頭を下げている。
「領主様、もともと彼女は我が教団の治癒魔術師ですから、処分は私にお任せして頂いてもよろしいでしょうか?」
「分かりました、お任せいたします。ただし、この司祭長ゾラーニは我が領の法に基づいて身柄を預からせて頂きますが宜しいでしょうか?」
「はい、追って教団からも連絡があるでしょう」
領主様は司祭長と傭兵達を捕らえて去っていった。
「――さて、レリンさんでしたか、タムも顔を上げてください」
「は、はい……聖女様」
タムとレリンは平伏していた上半身を起こす。
「騙されていたとはいえ、聖女を詐称して人々に偽りの儀式を行った事はこの領の人々にどう捉えられるか分かりません」
「はい……」
レリンさんは、うな垂れながら私の話を聞いている。
「しかし、貴女は孤児たちに一時的な施しではなく生活する術――自活していく手段を教えた、これはとても素晴らしい考えだと、私は感嘆しました」
「聖女様……」
レリンさんが顔を上げて私を見る。
「共に教団本部へ戻り、貴女の教育法を取り入れた孤児院を設立するように働きかけます。貴女にも是非その件で働いて頂きたいのですけれど――」
「わ、私などに勿体ないお言葉、有り難う存じます……ううう」
「この街の孤児たちは聖堂に保護するようにお願いしますから、みんなの所へ戻りましょうか?」
私はタムに向けてウィンクをした。タムの表情は明るく、本来のタムの笑顔に戻っていた。
「ありがとう……えっと、聖女さま?」
「ヴェル姉ちゃんでいいわよ?」
大粒の涙を流して嗚咽するレリンさんにタムが寄り添っていた――。
――ひと月後、モンティア領での後始末を終えて私は帝都の大聖堂にあるマギアス神官長の執務室に居た。
「――というわけでご報告申し上げた通り、新たな孤児院とそれを作る制度をお願いしますわ、マギアス神官長様?」
「貴女はまた何をやらかしてきたのかと思えば――聖女ヴェルメリア殿」
マギアス神官長は特大の溜め息をついてから、執務机に両肘をついて手を組んで額に当ててしかめっ面をしている。
「"たまたま"行脚した地方領で、"聖女が癒しを与えている"と聞きまして、他の聖女が来られているならご挨拶せねばと思ったのですが、なにやら私の存じ上げない方でしたので――現地の司祭長様に事情を伺っただけですわ」
私は顔色一つ変えずにご説明申し上げた。
「教団も規模が大きくなり、今回のゾラーニ司祭長の様に本分を忘れて私利私欲に走るものが出て来ているのは我ら教団の問題であり、厳しく罰せなければいけません。ですが、それは聖女である貴女の行うべきことでは――」
マギアス神官長は眉間にしわを寄せながら私を見据えて言う。
「分かりました……では、悪漢に孤児が理不尽に殴られていても、健気に暮らす孤児たちの家が放火されて逃げ遅れていても、騙されて利用された上に殺されようとしている人を見ても、マギアス神官長のお言葉に従ってただ見ている事に致します……」
私はさめざめと涙声で言う。
「あ、いや……そ、そういう事では無くてですね、ヴェルメリア殿?」
「帝国の繁栄の影で泣く弱き者たちを救いたいという思いで、読み書き算術や職業訓練を伴う孤児院は素晴らしいと思ったのですが……教団の要であるマギウス神官長が見て見ぬふりをせよと仰るのであれば致し方――」
私は沈痛な面持ちで声を震わせて喋ってみた。
「そんな事は言っていません! その孤児院の案も素晴らしいと思います――」
「マギウス神官長、ご理解頂けるのですね?! 有難う存じます、ではよしなにお願い申し上げます……では瞑想の時間ですので失礼します」
孤児院の事に触れた今が好機と強引に話を切り上げる。
「あ、ちょっとヴェルメリア殿お待ちなさい!」
――まあ、こんな感じで私は帝国中を行脚して悪党たちにも聖女の慈悲を与えるのよ……拳でね。
「偽りの聖女編」終
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