異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

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第9章

閑話・小話詰め合わせ⑮

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『こどもの日に書いたけど、出すタイミング失って眠ってた話。』
 


「時間を操る魔法…。」

幻夢の図書館で、俺は禁忌魔法の本を読んでいた。たまたま見つけたもので、時間を超えたり、時の速さを変えるなど恐ろしい内容が書かれている。
その中に、1つだけ使えそうな魔法を見つけた。『全針操作アクス・コントロール』という本の中でも1番危なくないもので、物などにかける事によって壊れたの物などを壊れる前に戻したりできるらしい。

意識を現実に戻し、試しにそばに置いてあった紙をぐしゃぐしゃにして机に置いた。そして紙に人差し指を向ける。

「えっと…『全針操作』。」

詠唱して指先を反時計回りさせると、紙はどんどん開いて綺麗な状態に戻った。 

とりあえずそれだけで満足し、その日はすぐに眠った。




「……て、…イおきて。」

「…ん?なに?」

誰かに乗っかられながら頰をツンツンされ、俺は目を覚ました。

「…誰?」

俺の目の前には、白髪の女の子が俺の顔を覗き込んでいた。どこかで見た事ある顔だ。

「…え?エレナ?」

「…うん、おはよう。」

「ええ?!」

驚いて起き上がると、その衝撃でエレナはこてんとひっくり返ってしまった。こんなに小さかったはずがない。

「な、何があったの?」

「起きたらこーなってた。」

「はぁ?!いや待って、龍の生態は謎だからたまたまか…?」

「ますたぁ。」

「あ、ロゼッ……タ?」

今度はベットの横から声がしたと思ったら、ショートヘアの女の子が俺を見上げていた。

「おはよーごさいます。」

「おはよう…じゃなくて!え、ロゼッタ?!なんで小さくなってんの?!」

「わかりません。起きたらこーなってました。」

「本日2度目…。一体どうなってるんだよ…。」

とりあえずベットから降りて2人を見比べた。明らかに小さくなっており、身長も俺より低い。3歳児くらいだろうか。

とりあえず2人と一緒に、廊下に向かおうとした。
だが、扉が少し開いていて誰かが覗き込んでいるのが見えた。可愛い着物を着ているから、俺の予想があっていればあの人しかいない。

「…紅葉か?」

「ぴゃっ?!」

「ぴゃ?」

なんだか可愛い動物みたいな声が聞こえ、紅葉はひょっこり姿を現した。紅葉もしっかり小さくなっている。

「はぁ…もうどうなってるんだ…。」

「ますたぁ。」

「はいはい、なんですか?」

目線を合わせるようにしゃがむと、ロゼッタは横に来て耳元に顔を近づけた。

「しゅき。」

「…………………。」

「うそです、だいしゅきです。」

俺はたまらず窓の方に走り、勢いよく窓を開けた。

「かっー!」

(な、何これぇ?!尊さ係数オーバー1億くらいあるよ?!狡噛さん、俺が執行対象です!ノンリーサルパラライザーでお願いしますっ!)

『可愛すぎるだろ!』と言おうとしたつもりが、あまりの可愛さに1文字しか発せなかった自分を落ち着かせ、今度こそ3人を連れて行こうとした。
だか、今度は紅葉が顔を赤くしながら手招いている。

「な、何かな?」

「…ちょっと待ってね。」

そう呟くと、紅葉は俺の頰に軽く口づけをし、タンスの陰に隠れた。ただ、隠れると言ってもチョッパーのように完全な丸見え状態なのだが。

「もうダメ…いつものお菓子グータラ娘はどこに行ったの…?お兄さん語彙力のないオタクになっちゃいそうだよ。」

「レイーお腹すいたー。」

「あ、急がないとな。」

平常運転のエレナに意識を戻され、3人を連れて食堂に向かった。


「レイさまー!」
「レイさま。」

扉をあけて、俺はもう何も言えなかった。扉の前には、ケモ耳の可愛い少女と、凛とした執事の子供が立っていた。

「リゼと…シュティレか?」

「はい!」
「おはようございます。」

「もうなんか驚かなくなってきたな…。」

「あるじ。」

「うわっ?!」

今度は俺の背後にミニスサノオがおり、俺の肩までよじ登ってきた。

「おぶれ。」

「はい?!なんでこの人こんな偉そうなの?!」

「早くしてくれ。」

「ずるいです!私もおんぶして欲しいです。」

「……妾も。」

「私もー!」

「あ〝ぁ…!一旦ストップ!」
 
スサノオをおろし、全員を静かにさせてキッチンに向かった。


「あ、レイ様。おはよーございます。」

「おはようっす。」

厨房には、ラキとリトが可愛いエプロンをつけて料理をしようとしていた。
ただ、体はちっこいのに大きな包丁を握ろうとしていて見ているこっちが怖くなる。

「仕方ない…。」

俺はその場で即席の多人数用ベビーカートを造った。保育園なんかでたまに見かける、子供が何人も乗っているアレだ。
それに小さくなっていた屋敷の使用人たちも含め、全員を乗せた。人数が多いので、結局カートは2台になってしまったがとりあえず2台のカードを引っ張っていった。


「う、嘘でしょ?」

「嘘なんかじゃないです。おはようございます、レイ様。」

領主邸に着くと、小さくなったソフィがいた。ただ、なぜかソフィは子供サイズではなく15歳くらいにまで若返ったようだ。

「朝起きたらこうなっていたんです。こんな事できるの、レイ様くらいしかいませんよね?」

「いやー…俺もわかんないんだけどね。とりあえず、どっかの宿でみんなの朝ごはんを作ってもらってくる。」  

「私も手伝います。」

「助かるよ、ありがとう。」

「べ、別にレイ様のためなんかじゃないんですからね!私もお腹が空いているので、たまたまですから!」

「えー…なんでそんなツンデレっ娘になってんの?御坂美琴ちゃんみたいになってない?」

「いいから行きますよ!」

ツンデレソフィに言われ、近くの宿に向かって俺達ははカートを押し始めた。なんだか周りの視線がすごい気がするが、気にしない事にした。


「食べさせてー!」
「レイー!」

「はいはい、ちょっと待ってね。」

もう大騒ぎだった。
近くにあった宿の食堂エリアの半分は、一瞬で保育園お昼の時間に様変わりした。初めて保育士さんの大変さがわかった気がする。

「ますたぁ、あーんしてください。」

「え、えぇ…。」

「わ、妾も…。」

「あるじ、私は肉をしょもうする。」

「ティア、あとは全部任せた。」

「ちょっ、現実逃避しないでくださいよ!」

起きてから1時間しか経っていないのに、普段の倍疲れている。子育て…恐るべし。世ののお母様方、いつもご苦労様です。


結局、朝ごはんを終えてすぐに屋敷に帰り、みんなを元に戻してこの1件は終わった。


~その日の夜~
寝る前に、ロゼッタがこそこそ俺の部屋にやってきた。

「マスター、子供は何人欲しいですか?」

「ちょっと、その話題は今勘弁…。10歳で、子育ての大変さ実感しちゃったから…。」

「むー。」

10年後、自分には子供はいるのだろうと考えながら答えるとロゼッタに頬をつねられた。



PSYCHO-PASSサイコパス』(アニメ)
舞台は2112年の日本。そこでは『シュビラシステム』により、人間の心理状態や性格の傾向を数値化することに成功していた。人間はその数字を『PSYCHO-PASS』と呼び、その数値を指標として生活していた。
犯罪に関する数値は『犯罪係数』と呼ばれ、一定値を超えるとセラピーを受ける必要がある。数値を大幅に超えると、犯罪者予備軍いわゆる『潜在犯』と認定され、社会からの隔離・治療または排除の対象となる…。

1期の主人公は狡噛慎也(CV.関智一さん)、ヒロインは常守朱(CV.花澤香菜さん)です。
本当にオススメのアニメです!かなり細かく100年後が描かれていて、人々の考え方などや心理描写も巧みに描かれていると思います。良かってらネットで調べてみてください!
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