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第8章
第142話
しおりを挟む起きた途端、泣きじゃくるエレナに抱きつかれた。
「ど、どうしたの…?」
「だっでーかえっできだらレイがー!」
「マスター、本当に心配したんですよ。」
「ご、ごめんなさい…。」
俺の腹には、2年後のルフィのような傷があり、まだ血が足りていないのか少し力が入りづらい。
「あれから何日経った?」
「丸一日です。みんな、街の復興へと出ていますよ。」
「そっか、じゃあ俺も本部に行ってくるよ。」
「えー!もう行っちゃうの?」
「悪いな、仕事がたまってそうだから。帰ったら何がお菓子作るから、それで許して。」
「わかった!」
笑顔になったエレナの頭を撫で、魔道士団本部に転移した。
「まじか…。」
俺は目の前の光景に、そう呟くしか出来なかった。街は魔物によって壊された建物が多く、本部もそれなりにダメージを受けていた。
「副団長。もうお体の方は平気なんですか?」
「うん、まぁだいぶね。」
本部に入ると、すぐにベルベットが声をかけてきた。仕事をしていたらしく、手には魔道書の束がある。
「部屋に報告書を置いておきました。あとで確認の方、お願いします。」
「わかった。」
「それと、第五分隊の事なのですが…」
「ん、どうかした?」
「ゾルタ分隊長とルナさんは、今回の事件で亡くなりました。」
「………は?」
「魔物にやられたらしく、体の一部が現場に残っていたそうです。」
「……そうか、わかった。」
「申し訳ありません、私が少しでも早く駆けつけていれば…」
「いや、ベルベットのせいじゃない。気にするな。」
衝撃的な報告に頭を殴られたような感じになったが、とりあえず副団長室に向かった。
「……そうか、2人とも…。」
椅子に座り、机に置いてあった念写された絵を眺めた。魔道士団の集合写真が写っており、ゾルタとルナは笑顔で写っている。
「失礼するわよ。」
感傷に浸っていると、ルージュが部屋に入ってきた。少し顔が疲れている。
「すいません、少し寝すぎてたみたいで。」
「いいのよ。みんな今回の件で、かなり疲れている様子だからね。今は少しでも休んだほうがいいわ。」
ルージュは深く座り、小さく溜息をついた。
「……部下が、死んだみたいです。」
「聞いたよ。明後日に今回の事件で命を落としたものたちの弔いがあるわ。そこでみんなを、送り出してあげて。」
「…ずっと一緒にいられると思っていました。ルナなんか、俺が本部に来た時に話しかけてくれて…」
「君の事を心から尊敬していたみたいだったからね…。私も残念だよ。」
「…闇ギルドのメンバーは、まだ牢獄にいますか?」
「それがー」
ルージュの話に、俺は驚く事しか出来なかった。なんでも、闇ギルドのメンバーは全員事件の日の夜に殺されていたらしい。頭を何かで撃ち抜かれていたそうだ。
そして、ソラノと貴族6名が悲惨な死をとげていたそうだ。貴族たちはナイフで心臓を刺され、ソラノは足の一部しか残っていなかったらしい。犯人はおそらくあいつだが。
「それと、レギルが姿を消した。」
「え?!」
「王城の渡り廊下に、あいつのネクタイはあったんだが…今は捜索中だ。」
「もう何がどうなってるんだ…。」
「私もこんな事は初めてで少し混乱しているわ…。」
ちょうどそこへ、沈黙を破るように第2分隊のメンバーがやってきた。ルージュに用があるらしく、ルージュは俺の頭を撫でて部屋を出て行った。
「…………。」
ガジルスは窓からさす光の眩しさを感じ、目を覚ました。天井から察するに、学園の保健室で寝ていたらしい。
ベットのそばには、頭をこくりこくりさせて眠そうにしているシオリがいた。
「おい。」
「…ふぇ?あ、す、すんまへん!うちったらいつのまにか寝てもうてー」
「別にいいよ。それより、お前が看病してくれたのか?」
ガジルスは体にグルグルに巻かれた包帯を見て尋ねた。明らかに素人がやったものに見える。
「この前の事件で、偶然倒れてるガジルスはんを見っけて…。教会の神父さんに回復魔法を頼もうとしたんやけど、街の人の回復で忙しいらしくて…。雑ですんまへん…。」
「謝る必要なんかねぇよ、むしろその…ありがとな。」
「ガ、ガジルスはんがお礼を…?!明日は槍でも降るんやろか…?」
「人が素直に感謝してんだから、ありがたく受け取っとけよ!」
「ひいっ?!すんまへん!」
寝ながら怒るガジルスに、シオリはいつものようにビクッと震えた。
「……ここにいた先生、敵だったんだよ。」
「そうだったんですか?!えっと、ソフィア先生でしたっけ?」
「あぁ。…正直自分にはかなり自信があったけど、全然敵わなかった。街で喧嘩しても負けたことなんかねぇし、親父ともたまに組手をやってたからな…。まぁレイにはあっさりやられたけどな。」
ガジルスはここにいない友人を思い浮かべて、ニヤッと笑った。
「俺もまだまだだな…。こんなんじゃ、親父に顔向けできねぇよ。」
「そんなことありまへんよ?ガジルスはん、魔道士団を護ってたんやろ?みんな感謝してはりますよ!」
「……ありがとな。」
ガジルスはそう呟くと、再び静かに眠り始めた。
「銃弾…。」
俺の手には、1発の銃弾が握られている。闇ギルドのメンバーたちのそばに落ちてたらしく、これが眉間を貫いたようだ。
「一体誰が…そもそもこの世界に銃があるのか…?」
どうやら人を殺すための兵器を懸命に作るのは、人間どの世界でも変わらないらしい。
弾丸の1発を借りて、俺は遺体安置所を後にした。
「さてと。」
その後は、団員たちの書類を見て悩んでいた。ルージュから、レギルが戻ってくるまでの副団長と第五分隊の隊長を探しておくよう言われていたのだ。
「どうしようかな…。」
「失礼します。」
書類を見ていると、ベルベットが紅茶を持って部屋に入ってきた。
「少し休まれてはどうですか?まだ顔色があまり良くありませんよ。」
「大丈夫、血が足りないだけだから。」
「大丈夫ではない気がしますが…。なぜ団員の資料を?」
「一時的な副団長と第五分隊の分隊長をね。」
「そうでしたか。もう決まったのですか?」
「今絶賛お悩み中。」
「なら、新しい副団長は第六分隊のシンディ分隊長など、どうでしょうか?」
「あ、いいかも。まぁ問題は、第五分隊の方かな…。」
副団長はとりあえず候補はあるとしても、残るは第五分隊の方だった。メンバーを見る限り、あまりリーダー的なものをやりたがる人がいない。
「私はどうでしょうか?」
「え、やりたいの?」
まさかの立候補に、俺は思わず聞き返してしまった。なんせベルベットは相変わらず無表情で、やる気があるのかイマイチわからない。
「分隊長の座を任せられたら、使命を全うするつもりです。」
「大げさなような…まぁやりたいなら考えておくよ。」
「わかりました。」
ベルベットはそう言うと、部屋を後にした。
「疲れてるところ悪いな。」
「いえ、とんでもない。」
夕方、今度は王城の一室に呼び出されていた。中には既に、陛下と執事のアンクが座っていた。
「ソラノの件、聞いているか?」
「はい…。おそらく、ジョーカーの仕業かと。」
「前に報告を受けて名前だけは聞いている。どんなやつなんだ?」
「少しお待ちください…。」
俺は魔法袋から紙を取り出し、ジョーカーの顔を念写しようとした。
「あれ?おかしいな…。」
「どうした?」
「ジョーカーといた記憶はあるんですが…顔が全く思い出せないんです。なんでだ…?」
「おそらく、記憶を操る魔法でもかけられたのでは?」
「…そうかもしれません。思い出したらすぐに念写して渡しますね。」
アンクさんの言葉に納得し、俺は紙をしまった。それと同時に、新しい護身用のネックレスを3つ取り出した。
「マリア様たちの分です。」
「悪いな、まさか王城に裏切り者がいたとは…。」
「一応、そいつらの名前のリストはここに。」
俺は胸ポケットから、ジョーカーの置いていったトランプを机に置いた。トランプには、5つほどの名前が書かれている。
「これもジョーカーってやつが書いたのか?」
「そうです。本当、何が目的なのかさっぱりですね…。」
「一応預かっておく。それとな、今回はお前に1つ話があって呼んだんだ。」
「なんでしょうか?」
「アンク。」
「かしこまりました。」
アンクは、俺の前に1枚の紙を広げた。この世界の地図で、ど真ん中にある小さな島に赤い丸がされている。
「この丸はなんですか?」
「そこはフリーデン島といってな、この世界のすべての国によって造られた人口の島だ。」
「少し聞いたことはありましたが…何かあるんですか?」
「今度その島で、5年に一度の12大陸が参加する『世界会議』がある。俺はもちろん参加するのだが、お前に副団長として護衛を頼みたい。」
「…え?」
なんだかとんでもない単語が聞こえ、俺は間抜けな声を出してしまった。
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そして全ての大陸には、様々な種類の種族が住んでいる。俺のいるところは人間族だが、他にもエルフやドワーフの大陸、天翼族やギガンテス族など変わった種族の住む大陸もある。
そして5年に1度、各大陸を統べる王たちが集まる会議がある。それが、『世界会議』だ。俺はその会議が終わって、帰ってくるまでの護衛を頼まれたと言うことだ。
「えっと…俺なんかでいいんですか?」
「もちろんだ。まぁ危険な事はないと思うが、今回は単に世界会議だけが目的じゃない。」
「というと?」
「この大陸から東に行ったところに、エスト皇国って国があるのは知ってるか?」
「名前だけは…。」
「そこはな、魔法の使えない人間・亜人族のいる国でな。魔法が使えない代わりに、その国ではいろんな発明やら研究をしているらしい。」
「まさか…。」
「今回の報告で、闇ギルドのメンバーの体に変わった機械が埋め込まれてたって話を聞いてな。それに、そいつらはこの国にない武器で殺されてたんだろ?」
「そうですね…。」
ジョーカーが言っていた変わった国とは、おそらくその「エスト皇国」というところだろう。
「だから少し皇国を訪問しようと思っててな。エスト皇国はあまり交易をしない鎖国国家だったんだか、ついこの前招待状が来てな。あっちはレイの商会の品でも見たいんじゃないか?」
「そうだったんですか…。世界会議後と皇国訪問の護衛ってことですね。」
「そういうことだ。だから頼めるか?何が起きるかわからないからな。」
「わかりました。世界会議はいつなんですか?」
「ちょうど学園の1月期が終わって、夏休みに入ってからすぐだ。休みを潰してしまうことになるから、少しだけ休みを伸ばしておく。」
「ありがとうございます、謹んでお受けいたします。」
俺の返答に、陛下は嬉しそうに笑って肩をバンバン叩いた。
「じゃ、詳細は今度おって連絡する。今日はありがとな。」
「失礼しました。」
軽く礼をして、王城を後にした。
ベルベットは、お風呂あがりに通信を入れていた。
「こんばんは。多少強引ではありましたが、予定通り世界会議への同行は出来ると思います。」
『良かったよ。今まではあまり他国と関わってこなかったけど、フローリアが帰ってくるならたまには国を開けるのもいいかもしれないね。』
「私1人のために、わざわざ申し訳ありません。」
『いいんだよ、君には大変な役目を頼んでいるからさ。それに、うまくいけば実験材料が一気にたくさん手に入るかもしれないからさ。』
「…なるほど。では、今日はもう寝ますね。」
『寝る前に、魔力の注射を忘れないようにね。』
「わかりました、それでは。」
ベルベットは通信を切ると、ベットに座って注射器を手にした。
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