異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

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第7章

第114話

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レイが消えた直後、ロゼッタ達は黒いドラゴンと戦っていた。
ルージュが試しに光弾を放つが、弾はドラゴンをすり抜けていった。すり抜けたところは穴が空いたが、すぐに黒い靄が覆っていく。

「なるほどね…ずいぶん厄介な相手だ。」

ルージュのぼやきも無視して、ドラゴンは少し顔を上げた。口から少し黒い炎が漏れ、すぐにジェラールの方を向いた。

「あ、僕がいいのかな?」

ドラゴンはジェラールに特大の黒いブレスをはいた。ジェラールは短く詠唱して大きな氷の壁でブレスを防いだが、氷を黒い靄が侵食していきジェラールは離れたところに飛び退いた。氷は崩れ、ブレスはジェラールがいたところに大きなクレーターを作った。

「怖いね~まともに食らったらあっさり死んでもおかしくないね、あれ。」


「はぁっ!」

反対からサレアが斬撃を数発放つが全てすり抜け、代わりに太い尻尾が迫ってきた。

「全く…同じ体なんだから少しは頭を使って欲しいね。」

イフが入れ替わり土の壁を作ったが簡単に壊されたので、サレアが慌てて剣でガードした。そのまま振り回される尻尾を、剣で弾き続ける。

「くっ…!試しただけだ!」

「でもどうするのこいつ。魔導団長の攻撃も聞いてなかったよね。」

「お前の読んだ本に何か載っていなかったか?!」

「こんなドラゴン知らないよ…。あ、次右上。」

「分かっている!」


上空にはスサノオが構え、右腕を高く上げた。

「『古龍魔法・龍神石』」

スサノオの手の上に巨大な岩が現れ、それを軽々投げおろした。

「武装魔法《天之麻迦古弓アメノマカコユミ》…装填完了『天羽々矢あめのはばや』!」

少し離れたところからロゼッタが燃え盛る矢を岩に向かって放った。矢は岩の中心を貫き、岩は燃える隕石となってドラゴンに降り注いだ。


全員がその場から跳びのき、隕石群から距離をとった。隕石群を食らいながらも、ドラゴンは特に辛そうなそぶりも見せず5人の方に向き直った。

「やはり効かないようですな。」

「待ってください。…何かとても小さい塊があいつの中を動き回ってます。」


ロゼッタの鑑定結果に、ルージュは妖艶に笑った。

「なるほど…それを壊せばいけるわね。」

「じゃあ、久し振りに特大のをいきますか。」

隣にいたジェラールも、嬉しそうに口角を上げた。


「イフ、やるぞ。」

「えー…なんか気持ち悪いんだけどな…。」

「そんなことを言っている場合じゃないだろ。」

「仕方ないなぁ。」

イフはぼやきながらも、に出てきた。そしてサレアが右手に剣を持って突きの構えを取り、イフが左手をドラゴンに向けた。


「ロゼッタ殿、我々も。」

「はい、早く倒してマスターを捜さなくては。」

スサノオは両手をドラゴンに向け、魔力を高めた。一方、ロゼッタが両腕を自分の前で合わせると、両腕が融合していき太い大砲のようになった。


ドラゴンは隕石群を食らいながらも、5人の方に向かって先ほどよりも大きいブレスをはいた。


「『怪物の渦潮カリュブディス』」

「僕もいくよ!『雷女神の怒りペレ・コレール』」

ルージュの魔本陣からは巨大な水の竜巻が放たれ、ジェラールからは太い雷の光線が数本放たれた。


「 もうあまりやりたくないね…『炎龍門』」

「いいからいくぞ。」

イフが詠唱すると、2人の前に燃える魔法陣が現れた。イフは左手でサレアと同じように剣を握り、2人で魔法陣の中心に向かって剣を突き出した。
剣を突き刺すと、魔法陣から巨大な龍が現れドラゴンに当たると大きな爆発を起こした。


「『古龍魔法・龍神の咆哮』」

「武装魔法《モード:重追撃方》…装填完了『神煌弾』発射。」

スサノオからは白い龍が何匹も現れ、ドラゴンの黒い靄を喰らっていった。ロゼッタの大砲からは、何種類にも煌めく砲弾が撃たれた。


全員の攻撃が炸裂して大きな爆発がおき、あたりは煙に包まれた。



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