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第7章

第109話

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俺はカイザーさんに、紅葉とエレナの2人のことを話し討伐組のところへ向かった。

すでに大方の準備が完了しており、到着までロゼッタとスサノオには異空間に入ってもらった。

「ふ、副団長…。」

「ん?」

不安そうに声をかけてきたのは、第5分隊のルナだった。

「どうかしたか?」

「その、私たち勝てますかね?」

「ったく…ちょっとしゃがんでくれ。」

俺はルナに軽くデコピンをした。ルナはデコをさすって涙目になっている。

「やる前から弱気になるな。自信を持て、俺と2年も特訓したろ?それに、何匹来ようが俺たちを倒せやしねぇよ。」

「そ、そうですよね!頑張りましょう!」

ルナは戻っていき、俺は自分の馬のところへ向かった。



「レイ君、どう思う?」

王都の中央通りを討伐組が進む中、ルージュさんに尋ねられた。

「何がですか?」

「敵の狙いよ。あんな数の魔物が一瞬で出現するなんて…なかなかできることじゃないわよねぇ。」

「そうですね…敵の狙いは王国ですかね?」

俺の疑問に、ジェラールが頷いた。

「僕もそう思うかな。まぁだからといって、あの数を放っておくわけにもいかないんだけどね。」

「もう二万近くになってますね。いったい誰が…。」


「それにしても、レイ君はずいぶん国民に人気があるみたいね。」

ルージュさんの言う通り、討伐組を見送る国民からの歓声がかなりすごい。一応、人々を不安にさせないために遠くの森の調査ということになっているらしいが、あの数の大群ならバレるのも時間の問題だろう。

「ほんと、みんな僕のレイ君なのにわきまえて欲しいものだね。」

「いや、あんたの物になった覚えはないんですけど…。」


「全く、こんな奴のどこがいいんだか。」

斜め後ろにいたサレアが口を挟んできた。隣のティナさんが困ったような顔をしている。

「もう、相変わらず仲が悪いのね。」

「知らん。こいつが俺と友好関係を築こうとしないだけだ。」

「あ〝?なんか言ったか巨乳好き?」

「うわ…」

ティナさんが片手で自分の胸を隠し、顔を引きつらせた。

「ち、違うぞ?!だいたい、その年で3人もの女性を堕としたやつに言われたくないわ!」

「人聞きの悪い事言うな!あとその言い方やめろ、このむっつりスケベ!」

「なんだと?!」

「ああはははは!王国騎士団副団長はおっぱい星人だったんだ!」

「くふっ……ふっ…サレア君、ふふっ…好みは人それぞれだ…んふっ……か、隠すことはないわよ…ふふっ…。」

先頭のジェラールは大笑いし、ルージュは笑いをこらえていた。

「2人ともやめてください!き、貴様覚えとけよ!」

「ワーコワイ。」

「ふ、2人とも~。はぁ、本当に大丈夫かしら…。」

トップ5人のうち4人が平常運転なのを見て、ティナさんと荷馬車の団員たちはため息をついていた。



ある家の中で、男が優雅に紅茶を飲んでいる。向かいには、大きなパンをせっせと頬張る姫もいる。

「……お前、ソラノあの女の言うこと、聞くことにした……?」

「ほんの少しだけですよぉ♬お金も頂いてますし、何よりおばさんとはいえ抱いてますからねぇ。」

「……不潔……。」

「ん~ん、相変わらず姫は辛辣ですねぇ♬」

「……もういい…。」

姫はそう言って、ベットに入りすぐに寝息を立てた。
男は紅茶を飲み、嬉しそうに頰をゆるめた。

「さぁ…レイ君お父さん、楽しみに待ってますよぉ♪」

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