異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

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第6章

第104話

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教会の後は、オリビア商会に向かった。5歳の時の謁見くらいでしか会ってないが、ステファニー会長は若い時に王都で大成功を収めて今も商会を成長させているらしい。事実、王都や平民の商店街にもオリビア商会の支店は多い。


予め伺う手紙を出していたので、オリビア商会の本店の受付に行き、男爵家を示すバッチを見せると会長室に案内された。中では、会長がお茶を飲みながら何か資料を見ていた。

「やぁ、待ってたよ。お披露目会以来かな?」

「そうですね、お久しぶりです。」

「男爵になったのだろ?その歳で爵位を貰った人を見るのは初めてだ。おめでとう。」

「ありがとうございます。」

「とりあえず座ってくれ。」


長椅子に座ると、早速商売人の顔をした会長が話し始めた。

「今日は、どんな要件で来たんだい?」

「えっと、会長に見て欲しいものがあって…これです。」

俺は机の上に、ツイスターを出した。

「これは…見た事がないね。どうやって使うんだ?」

「とりあえず、遊んでみましょうか。」

俺は床に布を広げて、ステファニーさんに布の端っこに立ってもらった。




ー10分後ー

「次はどこだ?!」

「あー…右足青ですね。」

「くっ…キツイな!」

会長は1人ツイスターを楽しんでいた。本来プレイヤーは2人以上がいいのだが、この部屋には2人しかいないので俺は10分間、針を回していた。
それから5分ほどして会長は降参したが、向かいで満面の笑みになっている。

「いやー時間を忘れてしまったよ。久しぶりに面白い商品を見た。これを売りたいと?」

「まぁそんな所なんですが…」

「何か問題が?」

ツイスターこれ、3人以上いないとつまらないんです。なので、今日は他にも紹介したい物があって…」

俺は魔法袋からいろんな道具を机に並べていった。転生お馴染みのリバーシや将棋、チェスやトランプなど机で遊べる物。それからスケボーやウォシュレット付きの便座などの日用品。合計で20個ほどの商品を並べると、会長は目が点になっていた。だが、すぐに未知の商品達にキラキラした目を向けた。

「す、すごいな!これはどうやって遊ぶんだ?!こっちは便座か…?このパンケーキ、物凄くフワフワで優しい味がする!これはレイ君が作ったのか?!」

「ま、まぁ…。1つずつ説明していくので一旦落ち着いて下さい。」

「す、すまない!ここまで私を興奮させるような商品を見たのは初めてでな。じゃあまずは、この紙束からお願いしよう。」

「それはトランプといってー」
 


外を見ると、日が落ちようとしていた。結局、ボードゲームなどはルールを説明しながら遊んだりしてかなり時間がかかってしまった。会長はご満悦といった感じだが、俺は目の前でへばっていた。

「もう今日という日を私は忘れる事はないだろう。ここまで滾ったのは久しぶりだ!」

「そ、そうですか…。」

さっきまで嬉しそうにしていた会長だが、急に商品を見て何か考えているようだった。

「どうかしましたか?」

「1つ、私の提案を聞いてくれないか?」

「なんでしょう?」


「レイ君、自分の商会を作ってみてはどうだろうか?」


「…はぇ?」

目の前で策士のように笑う会長の前で、俺はアホみたいな声を出して固まった。

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