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第6章
第101話
しおりを挟む俺を殴り続けるジャンに、何処からか氷の弾丸が飛んできでジャンを吹っ飛ばした。
弾の来た方に目を向けると、ロゼッタが銃口を向けていた。
「マスター、お怪我は?」
「心配ない、それより…」
俺はまだ起き上がるジャンを見た。ロゼッタの攻撃を食らっても、腕から少し流血しているくらいで、臨戦態勢のままだ。
「あいつ、何があったんだ…。」
「パーティーメンバーの話によると、何かを口にした瞬間あれになったと。」
「ドーピングか…ったく借りるなら力じゃなくて彼女にしろよ、なっ!」
俺はジャンの懐に瞬時に移動し、上に拳を突き上げた。そして、上空に飛ばされたジャンにロゼッタが氷の光線を放ち、紅葉が氷塊を狐火で燃やした。
「ごぁっ!」
ジャンは体が燃えながらも、紅葉の方に突っ込んだ。すかさず紅葉が顔面に横から蹴りを入れ、ロゼッタの方に吹っ飛ばした。
ロゼッタは飛んできたジャンの腕を掴み、地面に押さえつけた。
「大人しくした方が…これは…?」
ロゼッタがジャンの背中にある膨らみを触ろうとした習慣、ジャンの背中が弾け魔族のような羽が生えてきた。
ジャンは羽でロゼッタを弾き飛ばし、紅葉の元に瞬時に飛び、紅葉を殴り飛ばした。
そして在ろう事か、パーティーメンバーに向かって巨大な火球を飛ばした。
「エレナ!」
「大丈夫!」
エレナは怯えるパーティーの前に立ち、息を大きく吸い込むと空気とともに火は吸われていった。
「いい加減にしろっ!」
俺はジャンに殴りかかったが、お互いの拳がぶつかって衝撃が起きた。そこで止まらず、そのまま口を開けた。
「『神光龍の雄叫び』」
白い光線が口からはかれ、ジャンは壁に吹っ飛ばされていった。そのまま勢いを弱まめず、少ししてから口を閉じた。
「はぁ、何か元に戻す方法は…」
ジャンは全身火傷を負っているが、それでも飛行して突っ込んできた。遠くから撃たれるロゼッタと紅葉の光弾をかわし、高速で飛んでくる。
俺も真正面に飛んでいくが、ぶつかる寸前で下を滑るようにかわされエレナの方へ飛んで行った。
「わわっ!」
エレナは驚きながらも、ジャンの拳をガードした。その時、エレナに守られていたドミニクたちが叫んだ。
「ジャン!もうやめてくれ!」
「こんな事して何になるの!?」
「ジャン君!」
仲間の叫びに一瞬ジャンは怯んだように見えたが、エレナを弾き飛ばし腕を振り上げた。
「よせっ!」
俺が飛び出すと同時に、ジャンは空気を切り裂くように手を振り下ろした。斬撃がドミニクを傷つけ、ドミニクはその場に倒れた。
「『大地の監獄』!」
ジャンを土のドームに閉じ込め、急いでドミニクに回復魔法をかけた。
「ここから離れろ!」
エリーとクレアはドミニクに肩を貸して壁際に移動した。俺は紅葉の方へ飛びながら、指示を出した。
「ロゼッタ、エレナ!3人の近くで魔法障壁を張っててくれ!紅葉、変身してくれ!」
「了解です!」「わかった!」
「レイ!来い!」
紅葉が輝いて刀になり、飛びながらキャッチする。そのままドームの真上に飛び、両手を真上にあげた。
「『七龍の咆哮』!!」
両手を振り下ろすと、七色の龍たちがドームに突っ込んで行った。
そのまま真下に飛び、ジャンを地面に殴りつけ押さえ込んだ。
「馬鹿野郎!自分のパーティーメンバーを傷つけるとか、それでもお前リーダーかよっ!」
「グッ…!ウルサイッ!オレハ、オレハッ…!」
「仲間はリーダーのお前を信用して命預けてついてきてくれてるんだぞ!お前がこんな所で道に迷ってたら、仲間は誰についていけばいいんだよ!」
ジャンは3人を見てハッとなった。ドミニクは傷は塞がってはいるが、血の量が少し足りていないせいか顔が青白い。ジャンは止まったかと思ったが、俺を振り払って殴り飛ばした。
「オレハ…オマエヲコロセレバソレデイイッ!!」
俺は紅葉を握って、ゆっくり立ち上がった。
『レイ、あやつはもうムリじゃ』
「…わかった。」
俺は紅葉を鞘から抜いて、正眼の構えから左に刀を倒した。
「グアアァァァァァアア!!!」
ジャンが鋭い爪を向けて飛んでくる中、目を閉じて息をゆっくりはく。
「『紅葉清對・更紗道断』」
走りながら、すれ違いざまに紅葉色に輝く刀を振り上げた。
後方で、ジャンの上半身が下半身と離れて崩れ落ちた。
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