異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

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第6章

第91話

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レギルさんは俺を、本部に併設された訓練場に連れてきた。周りには気になったのか団員達が集まってきている。


「まぁ悩んだ時とかは体でも動かせば気も晴れんだろ。」

「わからなくもないですけど…何をするんですか?」

「そうだな…体術メインの勝負なんかどうだ?」

「魔術じゃなくてですか?」


そう言うと、レギルさんは辺りを見回して俺に耳打ちした。

「今ここに来てる奴らは、殆どが魔法だけやってりゃいいって思ってる。己の肉体も普段から鍛えとけって事を、今ここに来てる奴らに見せるんだよ。」

「わかりました。なら、それでやりましょう。」

「まぁ相手を殺さなけりゃ後は何でもいい。じゃあやるか!」


レギルさんは俺から距離をとって、構えた。俺は服を黒いコートに変えて、訓練所に魔法障壁を張り構えをとった。



ー数秒して、お互い同時に走り出した。



まずはジャンプして、顔面に拳を突き出す。
だが、レギルさんは俺の拳は受け止めるのではなく手のひらで軽く流した。相手の力を直接受け止めるのではなく、むしろそれを利用して最低限の力で受け流す技だ。


勢いの止まらない俺の鳩尾に、容赦ない膝蹴りが来たのでもう片方の手を膝の迫ってくる膝につき、体操選手のように膝を押してレギルさんの後ろにジャンプした。
  

着地して顔を上げた瞬間、視界の左側に回し蹴りが迫っていたので慌ててジャンプして避ける。そのまま肩のあたりに蹴りを入れようとするが、回し蹴りをした後だと言うのに身を仰け反らせ避けられた。



とりあえず、もう一度距離をとって構える。レギルさんは楽しいのか口角が上がっている。

瞬間、消えたと思ったら背後に移動しており脇腹に蹴りを入れてきた。ガードをせずに、軽く飛んで回ってきた膝に飛び乗り、ジャンプして顔面に空中後ろ回し蹴りを入れる。

だが俺の足はギリギリのところで掴まれ、上空に投げられた。レギルさんは投げ飛ばした俺の方に飛び、俺に向かって握った両手を振り下ろしてきた。
 

(はやっ!)


そう思った瞬間、俺は地面に叩き落とされた。

「あっ!やべ、やりすぎた!」

着地したレギルさんが慌てていたが、特にダメージはなかったのでその隙に背後に移動して、足払いをする。
 
「どわっ!」

レギルさんがバランスを崩し倒れたので、襟を掴んで地面に倒して、後ろから首元に手刀を添えた。


「はい、一本です。」

「はっはっはっ!降参だ、魔術だけじゃなく武術まで強いとは。また今度相手してくれ!」

「喜んで!」

周りの団員達は口を開けポカンとしていたが、無視してルージュさんの所へ戻った。
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