異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

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第4章

閑話・小説詰め合わせ⑤

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「いい天気だなぁ…」

ある日、俺は草原で横になって空を見上げていた。夕方までかかるかと思った依頼が早く終わり、昼過ぎには終わってしまったので予定が開いてしまったのだ。

依頼に行く気も湧かなかったので、屋敷の前の草原で横になっていたのだ。前世じゃこんな経験はほとんどできないし、コンクリートで舗装された道ばかりだったので、野原で寝るという行為はとても気持ちいい物だ。

「主人よ。」

青空が急に男の顔になり、飛び上がりそうだった。

「うわっ!びっくりした…その気配隠して来るのやめてくんない?」

「これくらいできないと主人の役にはたてないと思ってな。」

「気配はあってもなくても役にたってるよ…。」

「主人は鍛錬はしないのか?私は是非主人と手合わせをしたい。」

「いや、俺も出来たらしたいけどさ…多分俺達がここで手合わせしたら、この大陸というかこの世界が壊れる。」

「確かにそうだな…なら紅葉殿の異空間とやらはどうだ?あそこは主人が作った物なのだろう?」

「異空間…?それだっ!そこならいくらでも出来るかも!」

「では早速行こう。」

俺は扉を開けて、異空間に入った。相変わらず紅葉の家があるが、まだ4分の3くらいは場所が開いている。逆に、紅葉の家だけで4分の1を使っているのだが…。

「ん?お、レイー!」

俺に気づいた紅葉が駆け寄って、頬ずりをしてきた。

「どうしたんじゃ?妾達の愛の巣で子作りか?」

「違うわ!」

「そうか、なら私は元の世界に戻ろう。終わったら声をかけてくれ。」

「お前も話に乗るな!」

「ならどうしたんじゃ?依頼は先程終わっただろう?」

「時間あるからスサノオと手合わせしようと思ってな。あっちの空いてる方使わせてもらうぞ。」

「なら妾も参加するのじゃ!弱い魔物ばかり相手にしているから、体がなまってる気がするしな!」

「じゃあロゼッタも呼ぶか。」

穴を開けてロゼッタを呼ぶと、すぐに入ってきた。

「私もやります。組み合わせは、私達 対 マスターでよろしいでしょうか?」

「そうだな…最初はそれでいいか。」

「本気でかかっていいのじゃろ?」

「あぁ、結界もはったから紅葉の寝殿が壊れる事もないしな。」

「なら私も本気でいかせてもらう。生半可な力では主人に殺されるからな。」

「殺さないよ…じゃあちょっとストレッチする。」

少し体をのばしたりして、準備を整え始めようとした時だった。


「全身武装魔法《モード:戦乙女ヴァルキリー》」

ロゼッタが詠唱したと思ったら、全身が光りメイド服から鎧に変わり、背中に左右4本ずつ計8本の剣が羽のように浮かび、手には一本の剣が握られていた。

「なら妾もじゃな。『紅流・秘の型 九尾妲己の舞』!!」

紅葉も詠唱したと思ったら、紅葉の体が炎の渦に包まれ、炎が消えると体が紅葉色に光っていた。それに、狐のような尻尾が9本とケモミミが生えていた。

「私もいかせてもらおう。」

スサノオは首からかけていたネックレスについている、勾玉のようなものを手で握り魔力を注いだ。勾玉は青色に光ると、スサノオの体に沈んでいった。

「『古龍魔法奥義 滅龍の誓約うけい』」
スサノオの体が水の球体に包まれ、水が弾け飛ぶと、龍のツノ・鱗・羽・尻尾が生えていた。

「あのみなさん…本気出しすぎじゃないですか…?」

「何を言ってるんじゃ、レイはこれくらいやらんと倒せんだろ?」

「倒さなくていいんだけど?!」

「マスターも早く本気を出してください。さもないとりますよ?」

「そうだぞ主人よ。主人の本気を見せてくれ。」

「…はぁ、わかったよ。怪我すんなよ?…『制限解除』」

俺は普段かけている10個の制限のうち4個を一気に解除した。
瞬間、異空間に魔力の嵐が吹き荒れた。

「うっ!これがマスターの本気?!」

「これは…想像以上じゃな。」

「私達で本当に勝てるのだろうか。」

「ふぅ…初めてここまで解放したな。よしっ、始めるか!」

そして3対1の、時間無制限の試合が始まった。
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